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 こんにちは。

 今日は日中ながら若干時間が余ったので,今の時間に書いてみたいと思います。

 昨日東京地裁で,真上の階の男児が飛び跳ねてうるさいとして,階下の夫婦が騒音の差し止め,慰謝料等を求めて訴訟を提起した案件で,慰謝料等を認めたという判決がありました。
 判決理由として,騒音の測定結果に基づいて,騒音を出さないようにするように配慮すべき義務違反があったというものでした。
 判決の内容としては,慰謝料として60万円,そのほかに頭痛の治療費と騒音測定の費用が認められました。

 この判決を見て,皆様は賃貸物件の高い階に子連れで住むことはできないと思われたりしたでしょうか?
 私もこのような相談を受けることがままありますが,裁判所が常に慰謝料を認めてくれるかというと,そういうことではありません。
 具体的にいうと,裁判所は騒音問題等について法的責任を認めるか否かを考えるに当たっては「受忍限度」という考え方を持ち出すことが多いと思います。
 受忍限度は,法律の条文にはないのですが,いわゆる判例の蓄積によって認められてきた理屈で,日本語の意味合いからすれば
一定レベルの我慢の限界を超えるか超えないか
といった表現が当たらずとも遠からずというものだと思います。
 では,受忍限度の線引きはどのようなものなのかということですが,実は具体的に「何デシベル以上がダメ」という基準はなく,ある判例では
その加害行為の性質・程度,被害の内容・程度,地域状況,加害者側の被害回避努力の内容・程度,その他諸般の事情に照らして,被害者において,一般的に社会生活上,受任すべき限度を超えていると評価しうるかどうか
という分かるような分からないような曖昧な表現をしているものがあります。
 つまり,個別の状況に応じてケースバイケースということなので,相談を受けた段階で受忍限度を超える,超えないという判断はできないのが実情です。
 ただ,本件のような判例がたくさん出てくると,おおよそこのくらいでは受忍限度を超えるのかというようなことが徐々に見えてくるという,そんな状況です。

 よって,子連れで賃貸物件に住んだ場合,騒音で賠償金を払わねばならないかといえば必ずしもそうではありませんが,受忍限度を超える場合は払わねばならないということは頭に入れる必要があると思います。
 そして,この手の案件で裁判になるときは,お金よりも感情の問題が大きい場合が多いので,やはり入居した際には挨拶に行く,ある程度の騒音を出してしまった際にはきちんと対応するといった,いわゆる一般常識レベルの話が紛争を避ける一番の対策なのではないかと思いました。

 阪神の上本さんが,左肘内側側副じん帯損傷ということで,開幕に間に合わない見込みとなりました。
 去年の上本さんは,久々に生え抜きで打撃がそれなりにできると期待していたので,スタメンの高齢化が問題となる阪神においてはかなり重要な人材だと考えていただけに,怪我での脱落は失望が大きいです。
 ただ,こうなった以上,じっくり治してもらって,去年を上回る活躍をしてもらえるように期待したいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 15:23
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