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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,最近韓国企業に在籍する日本人の就職の応募が増えたというものを見ました。
 この記事によれば,その背景にあるのは,日本の一流電機メーカーに在籍した後,サムスンなどが技術を吸収するために引き抜きを行ったものの,技術を吸収し終えたがために彼らを雇用しておく積極的理由がなくなったということがあるということでした。

 私としては,この記事の内容が真実かどうかはよく分かりませんが,仮に真実だったらということで以下書いていきたいと思います。

 この件について,そもそも韓国企業が悪いという議論が出てくるかもしれませんが,法に触れない限りは倫理的な批判に止まるものです。
 そして,国際競争の中では,倫理的な支持ももちろん無視はできないでしょうが,無論甘いこともいっていられないので,法に触れない限りはこのようなことを批判したところで仕方ないと思います。

 そうすると,問題は,技術やノウハウ等の情報を流出させた元従業員達ということになると思います。
 私が色々な企業の方に聞いたところでは,韓国企業からの出戻りの方の採用については消極的になる傾向が多いそうです。
 それは,韓国企業において活躍をするということは,これまで働いてきた企業の技術やノウハウ等を流出させた「前歴」がある可能性が高く,自分の会社で雇用しても再びそのようなことを考えて転職していってしまえば,自分の会社の技術等が流出してしまうかもしれないと思うからのようです。
 これは一種の偏見かもしれませんが,そのように考えられがちなのは事実であるとは思います。

 彼らが韓国企業に行ったルートがヘッドハンティングだけかは分かりませんが,もしかしたらその転職の背景には近年の日本企業のリストラの波に対して新天地を見いだそうと思ったことかもしれません。
 その意味では,海を渡った方々を端的にお金目当てと批判することは的外れかもしれません。

 そうなると,根本的には日本企業の従業員や技術,ノウハウ等を守ろうとする姿勢に問題があるということなのかもしれません。
 とはいえ,リストラをしたくてする企業もないわけですから,企業としても雇用に限界があることも否定できません。
 そうすると,結局やむなくリストラなどを考えるのであれば,その分情報流出に関して色々と対策を練っておく必要があると思います。

 対策としては,第一に特許権等の取得ですが,その他には社内での秘密保持義務に関するルール作りであると思います。
 このルール作りについては,私がこれまで相談を受けてきた企業様の中でも存外おろそかになっているところが多く,そのために同業他社に自己の会社の情報が流れて行ってしまったというケースを何度も見たことがあります。
 もちろん,そのような場合に不正競争防止法違反になるケースもままありますが,それとは別に会社の秘密保持のためのルール作りを考えておかねばならないと思います。
 これによって守られるのは,自身の会社はもちろんのこと,ルールに反しないように従業員も気を配ることになるでしょうし,情報が流出しないことによって健全な競争もなされることになると思います。

 話は戻りますが,このような事例は現在転職を考えていらっしゃる方々における大変有益な情報となるのではないかと思います。
 すなわち,人間の思考を考えると,自分のいるところは常に最良のところか疑問を持つのが一般的ですから,新天地を目指そうという考えを持つことが多いと思います。
 しかし,それで転職を選んでしまって,その結果として新天地で解雇されて,なおかつ再就職もままならないとなれば,転職という選択肢を検証する材料としては有益であると思います。

 ひとまず,韓国に渡られた方々の就職が成功することを願うばかりです。


 今日は読売が日本シリーズを決めたようですね。
 私は読売をあまり応援していないのですが,それでも3連敗からシリーズ進出を決めたというのはよく頑張ったと思いますし,球界を盛り上げてくれることに一役買ってくれたのだと思います。
 こういった苦しい状況で勝てるのは地力があるからだと思いますので,来年はその地力をどうやって削るかが課題だと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:47
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