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 こんばんは。

 先日楽天さんが優勝し,その直後から楽天優勝セールが始まりました。
 私も,少々ほしいものがいくつかあり,それがどのくらい安くなるのか期待しておりまして,優勝直後から結構物色したりしていました。
 ただ,ネットショッピングは顔も商品も直接見られない以上慎重にならざるを得ず,商品を物色しつつ,他のサイトと見比べたりして,最終的には優勝セールではなくアマゾンで買うということがありました。
 その理由は,店に対する評価もそうなのですが,それよりもアマゾンなどのサイトと比べてもそんなに値段が変わらないので,そうであれば多少の値段の差ならば過去に買ったことのある方が信頼できるかという判断です。
 そして,そんな風に色々な商品を物色していたところ,結局優勝セールなのにあまり安いと思う商品が見あたらず,結局それ以後見なくなってしまいました。

 そのような感想を持っていた矢先,今世相で問題となっているセールでの標準価格設定の表示に問題があるという書き込みをしばしば見つけるようになりました。
 そして,それはやむことがなく,最終的にネットの領域を出て報道をされるまでに至ってしまいました。

 これが景品表示法に違反する可能性は十分あると思いますし,もしそうとなれば相当のペナルティを科されることと思われます。
 景品表示法に関する記事は別にたくさんあるようなので,弁護士のブログにもかかわらずここでその点は取り上げないことにします。

 この表示に問題がある点について,今日楽天三木谷社長がコメントしましたが,このコメントに私は納得することはできませんでした。
 コメントを要約すれば「正式な日本一セールは厳正な審査をしていたが,楽天が認可していない便乗した業者が勝手に行ってこのような事態が生じた」というものでした。
 しかし,これはさすがに無理のあるコメントなのではないかと思います。

 まず,楽天のサイトで検索して出てきた業者については,楽天の看板でたどり着いた以上,楽天が責任を持つというように一般的には見えるものです。
 しかし,楽天のサイトからたどり着いた業者が勝手にセールを行ったという言い分をした場合,楽天の看板をもってして行ったセール自体を否定することになりますから,そもそも楽天のサイトからたどり着いた店舗,商品の信頼性は担保しないと表明しているに等しい行為です。
 もしこの主張を許容することとなれば,楽天のサイトを利用せずとも,単純にグーグルなどの検索サイトで商品を探したところで信頼性は何も変わらないということになってしまうのではという気がするのです。

 次に,楽天サイドの非認可業者の暴走説を正しいととるならば,少なくとも直ちに楽天認可業者以外を商品検索から排除する措置をとるべきであり,あわせて認可業者と否認可業者の選別方法の明示,非認可業者の数などを示すべきです。
 ところが,これが未だ行われた形跡はなく,現時点では対症療法的に問題店舗が閉鎖されたにすぎないものであることから,にわかに信じがたいというように思ってしまうのです。

 第3に,店舗側に不当表示をする利益があるのだろうかということが挙げられます。
 店舗にしてみれば,自社の商品の販売を促進したいという考えを持つのは当たり前ですから,注目度のある優勝セールに乗っかりたいという希望があるのは当然だと思います。
 しかし,あからさまな不当表示をしたとして,今回のように発覚してしまえば,その店の信頼が地に落ちることは目に見えた話です。
 特に,上記の私の考えの通り,一般的にもネットショッピングは顔も商品も見えない信頼感の繋ぎづらい販売方法ですから,一度信頼を失ってしまえば場合によっては店をたたむことも考えざるを得なくなってしまいます。
 さらに,それはバーチャル店舗だけでなく,その商品の制作元の実店舗の信頼すら問題となってしまう恐れがあります。
 そうすると,そこまでのリスクを冒してまで不当表示をするとすれば,不当部分の差額が少ないように,発覚しないようにという努力をしようと考えるのが通常の思考だと思います。
 にもかかわらず,これだけあからさまな金額差がある表示をして非難を受けたという事態が果たして便乗を狙った業者の独断だったのだろうかと疑わしく思ってしまうのです。

 他にも色々と思うところはあるのですが,私はこの騒動の一つの要因としては星野監督の背番号77から引用して77%引という無茶なレートでの広告をしようとしたことにあるのではという気がします。
 確かに非常に目をひく広告なのですが,冷静に考えれば通常の23%の価格で商品を提供するわけで,商品の製作コスト次第ではその商品だけ売ったところで利益を上げるどころか赤字になってしまうようにも思います。
 もちろん,77%以外にもいくつかのパターンの割引率があり,それを採用している店舗も数多くありましたが,それでも77%割引と銘打った商品を見ていると何となくこの看板が無茶だったのかなという思いがしなくもありません。

 三木谷社長は,一般用医薬品のネット販売に関して,医療用から一般用に転用された医薬品について市販後3年間ネット販売を禁止するという方針に対して反対の姿勢をとりました。
 規制の主たる理由はネット販売での信頼性に関することと思いますが,今回の楽天の騒動はまさにネット販売の信頼性に疑問符を付けるものであり,この販売禁止を加速する方向の材料となることでしょう。
 それだけに,三木谷社長が自身のご主張を維持されるのであれば,優勝セールの騒動の会見においてきちんとした説明をなし,ネットショッピングの信頼性を増進させる方向のお話をされるべきところでしたが,残念ながら私は今回の会見は自身のご主張と反対のことをしてしまったのではと思ってしまいます。

 今回の騒動での被害が具体的に出ているのかは分かりかねますが,もしも生じていれば楽天の責任問題にもなる可能性がありますし,そのようなことがないように願うばかりです。
 優勝セールで優勝した側の姿勢が問われるというあまりない例だと思いますが,現場の選手達が気持ちよく優勝に浸れるようにしてほしかったなと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:44
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