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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,中国の長江とその周辺の水位が低下しているというものがあったので取り上げてみました。

 長江は現在干魃で川周辺が干上がって農業,漁業に甚大な影響が出ているそうです。
 場所によっては,水位が過去140年で最も低下し,洞庭湖の水量は現在昨年同比の3分の1まで落ち込んいるそうです。
 また,鄱陽湖は最近6年間で40%も水量が減っているそうで,水深300メートルを誇った洪湖では極端に浅くなっているそうです。
 専門家は,三峡ダムが大量の水をため込んだことが原因と指摘しているそうですが,長江流域水資源保護局は雨が十分に降らなかったためと指摘しているそうで,原因は分かりません。

 そんな長江周辺の川岸では,古代の壺や皿,コイン等が出土しているそうです。
 そこに現在周辺住民がゴールドラッシュさながらに殺到しているそうで,住民の中には出土した骨董品を売りさばき100万元を手に入れた者もいたということでした。
 しかし,発掘作業をしているのは全員が素人ということで,作業を早めるために重機まで持ち出され,瀬戸物の骨董品は発見されても破壊されているそうです。

 このニュースを見て,私の実家の方の自慢の砂浜が有名な海水浴場で,その砂浜が波と潮目の関係で削られて少なくなってしまうということがあったのを思い出しました。
 その砂浜が削り取られた最大の原因といわれているのは,近くに港を作ったために潮目が変わってしまったからと言われていますが,詳しくは分かっていません。
 しかし,何か大きなものを作れば必ずそれは別のところに波及するもので,私は砂浜の一件の原因の全てとはいわないまでも,港は一因ではあろうと思っています。

 今回の干魃についても,三峡ダムが少なからず影響しているように思うのですが,科学的には分かりません。
 ですが,あれだけ大きなダムがあれば,そこで貯水している大量の水は別のところでなくなっていてもおかしいとは思えず,何となく影響しているのではというように思いました。
 かといって,ダムの放水を始めるには規模が大きすぎて,その影響の実験をするにも色々と問題があると思うのですが,少なくとも干魃対策は講じなければならないということでしょう。

 出土してきた骨董品に殺到する気持ちについては,大変よく分かるような気がします。
 日本の場合,その出土品を自己の所有物としてよいのかは色々と問題があるので,中国の場合にどうなるのかは分かりませんが,もしそれが自己のものとなり,かつそれなりに価値があるのであれば,何とか手に入れたいと思うのは人情だと思います。
 しかし,重機を入れて骨董品を破壊するというところまで行くのは,もはや本末転倒といわざるを得ず,そこにはあらゆる意味で賛同致しかねます。
 穴を掘る作業は存外体力を使うもので,それを重機でやったら手っ取り早いという発想は理解しますが,掘って出てきたものが無価値に転じたならば重機を持ってきたコストもペイしない,極めてコストパフォーマンスの悪い作業といわざるを得ないと思います。
 また,歴史や学術的な価値もあるのでしょうし,その意味でも自己の歴史を知る上で有用かもしれないにもかかわらずそれを破壊してしまうのはもったいないと思います。
 もしかしたら,元々発見されなかったであろう財宝なのだから,多少破壊されてもよいと考えているのだとすれば,それは悲しいことだなと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | よろずごと | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:29
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