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 こんばんは。

 今日は阪神読売戦が開催されました。
 結果は読売が勝利し,以下に述べるとおり今日の戦犯は鳥谷さんだと思いますが,そのことを述べる前に今日コリジョンルールの適用について物議を醸した問題があったので,そのことを取り上げてみたいと思います。

 読売の攻撃で,センター前に打球が飛び,センター大和さんが捕手原口さんに返球をしました。
 そして,大和さんの送球はタイミングもコントロールもよく,原口さんに返球がなされ,原口さんが走者にタッチして一度はアウトの宣告がなされました。
 しかし,その後に審判より,コリジョンルールが適用され,セーフになったとして,読売に点が入りました。

 今日のプレーについては,これでコリジョンルールの適用がされるのかと,個人的には大いに疑問を感じます。
 コリジョンルールは以下のような規定になっています。


 捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する。
 前記にかかわらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。
 また、走者がスライディングすることで捕手との接触を避けられたならば、ボールを持たない捕手が本項に違反したとはみなされない。
 本塁でのフォースプレイには、本項を適用しない。


 審判の試合後のコメントでは,原口さんは最初から走路に立っており,返球後の動作の問題ではないということで,コリジョンルールの冒頭部分の適用によってセーフとしたと説明しました。

 しかし,動画を見る限り,原口さんが最初から走路に立っていたと見受けることはできませんでした。
 大和さんの返球画像を見るに,返球がシュート回転していたことから,原口さんが若干位置どりを変えているように見え,そうすると初めは走路をふさいでおらず,その後に返球に対して動いたと見受けられます。
 そうすると,原口さんがコースをふさいでいたとしても,コリジョンルールの第2段落の適用によってセーフになると思われます。
 タッチした時,原口さんの右足はホームベースの左端にかかっていると見受けられますが,左足はホームベースをふさいでいないように見えました。
 そうなると,コリジョンルールの第3段落の走者のスライディングによって捕手との接触を避けられた状況にも見受けられます。

 もっといえば,大和さんの返球のタイミングや場所はかなりすばらしく,タイミング的にもアウトであったと思います。
 コリジョンルールでは,捕手がホームをブロックしたかどうかに関係なく,走者がアウトを宣告されていたであろうタイミングの場合は捕手が走者の走塁を妨害したとみなさないという規定もありますので,それに該当したと思います。

 ということで,規定から見れば,今日の審判のコリジョンルールの適用は誤りだと思います。
 そして,それを省みずに上記のような説明をしたということについて,審判はことの重大性を理解してるのか,いささか疑問に思います。
 というのは,コリジョンルールは今年から導入されたものですから,このルールの射程はまだ手探り状態だと思いますが,そんな中で適用事例はいわば「判例」として後日の判断に影響を及ぼすことは間違いないと思います。
 今日のような野手が見事な返球を見せても走り抜けた者勝ちというようなルール適用をしてしまえば,捕殺自体がほぼ発生しなくなり,走者はとりあえず走らせればよいという判断に当然帰結することになると思うからです。

 コリジョンルール自体は,捕手の選手生命を考えた時に重要なルールだと思いますし,その存在について異議を唱えるつもりはありません。
 しかし,点に直結するだけにこれだけ物議を醸す要素を持つルールである以上,その適用には極めて慎重になされるべきで,それを今日のようないわばファインプレーで適用するとなれば,野手側も危険を伴うだけにそのようなプレーをしなくなってしまうかもしれませんし,野球自体のおもしろみもなくなってしまいます。
 今日の判断は野球の魅力を殺すことに助力したと思いますので,審判においては大いに見直してもらいたいものです。


 ただ,その審判の判断がどうか別として,阪神は結局押し出しの一点のみしか入れられなかったのですから,結局敗戦だったと思います。
 もちろん,あそこで点が入ることで流れができたという見方もありますが,それでも点を入れられなければ勝ちようがありません。

 今日の展開では,唯一7回だけが点を入れられるチャンスだったと思います。
 そこでゴメスさんと原口さんが四球を選び,ここで同点にまでできなければ実質試合の展開としては敗戦濃厚だったと思います。
 そして,流れを阪神が決定的につかめるかどうかは,押し出しの点ではなく,長打でなくてもいいのでタイムリーヒットが出るかどうかだったと思います。
 その意味では,四球の原口さんの次の鳥谷さんが決められるかが,阪神が流れをつかめるかどうかの分水嶺で,ここで鳥谷さんがミスをすればこの試合は終わると思っていました。
 その結果,残念ながら,鳥谷さんはヒットを打てず,流れをつかめないまま試合が終わってしまいました。

 ですから,今日の戦犯は鳥谷さんだと思います。
 もちろん有能な打者でも3割の打率ですから,この打席で絶対にヒットを打たねばならないといってもそこで100%打てる人などいないでしょうし,鳥谷さんを過剰に責めるつもりもありません。
 ですが,誰のプレーで負けたのかと問われれば,やはり鳥谷さんというほかないでしょう。

 ただ,結局一度のチャンスをものにできなかったことは間違いないものの,全体的に打てずに点を取れませんでした。
 これでは勝ちようがありません。
 最近の阪神は非常にこのような展開が目立ち,特に今不調だった読売も取りこぼすとなればそれは重症だと思います。
 もう少し打つ方がしっかりしてくれないと,試合をどうすることもできないと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | 阪神タイガース | comments(2)  | trackbacks(0) | 23:55
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