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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら,アメリカのミズーリ州で,犯人にそっくりな男性が真犯人として有罪判決を受けて,えん罪で17年も服役したというものがあったので,取り上げてみました。

 発端となった事件は1999年に発生した,ウォルマートの駐車場で女性のバッグが強奪されたというものでした。
 男性は,事件が起きた当時,ガールフレンドの家にいましたが,裁判ではそのアリバイ主張は受け付けられず,懲役19年の判決を言い渡されました。
 この男性が犯人と考えられた根拠は,大まかに事件当時を記憶していた被害者とウォルマート警備員からこの男性が犯人に間違いないと目星を付けられ,これにあわせて多くの目撃証言があったということでした。
 ただし,事件現場からは男性の指紋やDNAは一切出てこず,結局のところ目撃者の証言だけを証拠として有罪判決が言い渡されてしまったということでした。

 その後,この男性は,服役していた施設において,別の受刑者から,自分に似た受刑者が他の刑務所にいるという情報を聞きました。
 そこで,その似ているという男性の写真を見せてもらったところ,自分と顔立ちだけでなく,肌色,ヘアスタイル,ひげの生え方までそっくりだったということでした。
 男性は弁護士と接見し,調査をしてもらった結果,このそっくりな男は自分と1歳だけ違う男と分かりました。
 そして,捜査機関が再捜査を行った結果,この男が事件当時ウォルマートの駐車場にいたという証言があったということでした。
 真犯人は,男性が逮捕された後に薬物所持などで服役中だったということでした。
 最終的に男性は釈放されたそうです。

 本件を見ていて,世界のどこでもえん罪というものはあるものだと改めて思いました。
 えん罪を生み出す源は薄弱な証拠であり,薄弱な証拠の代表例は供述証拠です。
 供述証拠は,曖昧で,改ざんが可能ですし,立場によって有利にも不利にも作られてしまう可能性があるからです。
 本件は,えん罪被害にあった男性と真犯人は大変よく似ていたため,被害者や警備員の供述が不正確であったというわけではないのでしょうが,犯人と被疑者を一致させるための情報としては不足する要素が多かったということだったと思います。

 本件の裁判当時,他に客観的な証拠がなく,多くの目撃者証言が一致してこの男性が犯人であるといっていれば,ガールフレンドのアリバイ供述はガールフレンドという立場上男性に有利な供述をすることも見込まれるとして信用性を欠くと判断することはあり得たことと思います。
 その意味では,この裁判を担当した裁判官の立場から見て,提出された証拠関係を見て,有罪判決を下したことが間違いだったといってよいかといえば非常に難しい問題だったとは思います。
 ですが,えん罪で17年もの長い時間を奪われてしまった男性を見ていると,かつての判決がやむを得なかったというだけで済ませることが到底できないことは明らかだと思います。

 本件のような場合,供述証拠以外に防犯カメラの映像があったとしても,おそらく男性と真犯人が相当似ているため,有罪とされてしまうように思われます。
 そうなると,弁護側においてアリバイ立証をいかに厳重にやるかということが当時有罪を回避する方法だったかもしれません。
 ですが,もしもそれが有罪から逃れる方法であったとすれば,相当難易度が高かったと思われます。
 結局DNA型などの相当程度犯人との同一性を高める証拠の有無で判断するしかないのかもしれませんが,そうなると世の中の事件のうちどれだけ犯人性の立証が厳密にできるのかという問題も出てきてしまい,大変難しいところです。
 司法という人間が裁く制度の限界とも思えるものではありますが,それでもえん罪を回避するのが司法の使命であるともいえると思え,何とか方策を考えねばならないことでしょう。

 ちなみに,このようなえん罪被害は,日本では最近痴漢事件において問題となります。
 痴漢事件も,大半が供述証拠しか有罪立証の証拠がなく,その信用性だけで有罪かどうかを考えるということになるものが多いため,比較的えん罪が多くなってしまうカテゴリーにあると思います。
 痴漢自体は許されないことはいうまでもないのですが,痴漢えん罪が生じることも防がねばなりませんから,そうするとまずは客観的証拠の制作のため電車内防犯カメラの設置というのが大事になってくると思います。
 先日この話題について触れたことがありましたが,供述証拠のみで判決を仰ぐというやり方はやはりえん罪を生む可能性があるので,極力回避すべきであろうとは思います。


 今日の阪神ですが,結果的にはそれなりの点差を付けて勝ったものの,秋山さんの好投,ピンチに登板した岩崎さん,桑原さんのリリーフで勝てたと思います。

 特に,桑原さんは,一打で試合がひっくり返るという場面でよくアウトを取ってくれたと思いました。
 今季の桑原さんは,ピンチで登板させられることが多いものの,にもかかわらず結果を出してくれており,今の阪神のリリーフ陣の中でもっとも頼りになる存在と言っていいと思います。
 阪神の中継ぎ抑えといえば,マテオさんとドリスさんが注目されがちですが,ピンチを鎮火してくれる桑原さんが非常にいい仕事をしてくれていると思っています。
 振り返ると,去年は継投がものすごく酷くて,首脳陣の継投ミスで負けた試合がどれだけあったかと思いましたが,今季は中継ぎ陣がいいこともあるものの,首脳陣の継投がはまることが多く,去年を踏まえて学習したのだろうと思いました。

 秋山さんも,よく粘って投げてくれていて,先発としての仕事を果たしてくれていました。
 正直言って今日は全体的に球が高くてよくなかったとは思いますが,それでもそれなりに仕事ができたというのは大したものです。
 今日の勝利でチーム2位の6勝目ですから,シーズン開始前はここまでできる投手だと思っていなかったため,本当にありがたいという一言に尽きます。

 打つ方では,俊介さんが大活躍したほか,試合の流れを決定づける中押し点をとってくれた糸原さん,だめ押し点をとってくれた中谷さんには非常に感謝しています。
 糸原さんは絶好のチャンスの場面で初球から振りにいっており,気持ちが強い選手なのだろうと思いました。
 糸原さんのスイングを見ていると,往年の金本監督を彷彿とさせるものを見せてくれており,彼のように選球眼がよく決めるべき時に打てる選手というのは本当に貴重だと思います。
 また,最近は福留さんや糸井さん,鳥谷さんのようなベテランや,高山さん,北條さん,原口さんのような新しく出てきた若手の活躍がよく話題になっていましたが,俊介さんのような中堅どころが活躍してくれていたというのは,これまできちんと準備をしていたのだと思うと本当にうれしく思えるものです。

 糸原さんが注目されているところで,糸原さんの前に代打で登場した新井良太さんが四球をとり,糸原さんに繋げることができました。
 最近新井良太さんはなかなか場面がないですが,こういうところできちんと繋げたというのは,いい流れを呼び込める大きなプレーだったと思っています。

 とりあえず,今日は大変気持ちよく勝てた試合だったと思います。
 広島さんも勝ったため,なかなか差が縮まらないというやきもき感はあるのですが,それでも毎年低迷することが多い交流戦で今のところ想像以上によくやれているという印象が強いです。
 明日の能見さんは,防御率こそいいものの,なかなか勝ちに恵まれていないので,そろそろ勝ち星を付けてあげてもらいたいものです。
 能見さんの前回登板では,かつてよく見られた中盤回に突然崩れるという場面が見受けられたので,今回はそのようなことがないように首脳陣において慎重に交代のタイミングを見極めてもらいたいものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:32
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