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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,ロシアの自殺事件の件がありました。
 ロシアで15歳の少女が飛び降り自殺をしてしまったのですが,その少女の部屋から日本の漫画「デスノート」が発見されたということでした。
 ここで,デスノートが,自殺に影響を与えたものとして,デスノート頒布を禁止するように求める声が上がったということでした。
 デスノートは死を題材とする作品ですが,読者に否定的な影響を与えるとして,自殺その他の害悪の原因になるかどうかということも捜査されているということで,今回の騒動がデスノートの禁止という思わぬ方向に飛び火しそうな状況になっております。

 私は,デスノートはジャンプ連載時の初回から最終回まで読んでおり,コミックスも全巻買いました。
 私は,幸いなところ,今まで自殺願望は抱いておらず,むしろ楽しむ読ませてもらいました。
 ネタバレはするつもりはありませんが,中盤以降から終わりまでの展開にはどうだろうかと思うところは色々とあるものの,序盤から中盤に書けての展開は文句なく面白かったですし,私の好きな作品の一つです。

 デスノートでは,割と人が簡単に死んでしまったり,命を軽く扱っているのではないかというように懸念する向きもあるかもしれません。
 しかし,全体から見れば命の尊さを題材にしているようにも思え,命を軽く扱っているというのは木を見て森を見ずというような気がします。
 ただ,中学生くらいが気軽に接することができ,はまっていきやすい展開にもかかわらず重いテーマですから,無意識的によくない影響があったかも知れないということは否定できないかもしれません。

 とはいえ,潜在的に重いテーマを扱った作品が全て禁止ということになるのは果たして妥当なのだろうかというようにも思います。
 同等に考えるのはよくないと思いますが,もしデスノートレベルで禁止であれば,ロシアの文豪ドストエフスキーの「罪と罰」などの作品はどのような影響を与えるのだろうかというようにも思います。
 いわゆる名作の中にはえげつない展開をするものも多いですが,その中に人間心理などを見いだすのが文学だとすれば,程度が一定レベルを超えているかどうかというところに帰着するのでしょうか。
 その一定レベルをどこに置くかは国の政策の問題なので,他国がどうこう言うのは筋違いだと思います。
 ただ,そのレベルが低すぎるとなれば,行政側が利用しやすい道具になってしまって,どんどん言論統制が進みかねないことになってしまうでしょうし,扱いの難しいところだと思います。

 私の思うところでは,デスノートくらいはいいのかなという気がしますが,実際に子を亡くした親の立場になれば,原因の一端を担ったものは全て禁止にしてもらいたいというくらいに思うことでしょう。
 私ごときには,作品の心理的影響の度合いなど測りかねるところではありますが,もしそれがそこまで程度が大きくないのであればできれば規制しないというような方向に進むことを願うばかりです。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 22:44

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