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 こんばんは。

 先日大阪地裁で,なりすまされない権利「アイデンティティー権」を認めたというものがあったので,取り上げてみました。

 これを認めたのは大阪地裁の判決で,権利自体は認めたものの,権利侵害までは認定しなかったということで控訴されたということでした。

 この事件の争点は,このアイデンティティー権を認めるか,仮に認めるとした場合にどのようなことがあったときに権利侵害を認めるかという点です。

 この権利が問題になった背景は,SNSでなりすましが発生したことについてどう対処すべきかという点がありました。
 すなわち,SNSでアカウント名を付ける時,有名人などの別人になりすまして作成し,そのアカウント名で勝手な発言をするという事件が最近多く聞かれますが,このようなことがあったときどうするかということが発端でした。
 アカウントの乗っ取りは既に法規制がありますが,初めから別人でアカウントを作ること自体には法規制は特にないため,これをどうやって対処するかというのは苦心されるところでした。

 そこで,この裁判では,なりすまされた人が,アイデンティティー権という権利があるのではないかと主張し,この権利が侵害されたのだから救済してもらいたいとしたのでした。
 しかし,アイデンティティー権というのは,特に法律上規定がないので,それをどのように導くか等も問題でした。

 大阪地裁は,この権利について,憲法13条の幸福追求権や人格権から導かれると認めました。
 ただし,どのような場合に損害賠償の対象となるようななりすまし行為が行われたと判断するのかは容易ではなく,慎重であるべきとし,なしすまし被害の機関が1ヶ月あまりと比較的短期間であったことをもってアイデンティティー権の侵害を認めなかったそうです。

 また,名誉毀損についても,書き込み内容は名誉毀損とまではいえないと判断したということでした。

 アイデンティティー権という概念を認めるとすれば,非常に画期的だと思いますし,SNSという法律があまり考えてもいないものに対して対応しようという姿勢が認められることも重要な視点だと思います。
 ただ,権利があったとしても,その権利を認めるに当たってのハードルが高いのであれば意味がないでしょうし,その侵害の条件や射程範囲などがより明確にされなければならないと思います。
 個人的には,名誉毀損やプライバシーは表現の自由との関係があるものですから,あまり侵害の範囲を広くとるのは問題かという気がするものの,なりすましの場合は表現の自由として保護の対象に当たるのかというのは大いに疑問であり,その意味では射程範囲は広くとってもよいようにも思います。
 そう思うと,今回の件でのなりすまし被害がどのくらいの規模だったのかはわかりませんが,短期間でも大量に書き込むこともあるでしょうし,有名人であればその被害の大きさも一般人とは違うでしょうから,そういう具合も含めて判断されなければならにと思いますので,一月という期間だけが重要ということはないと思います。
 この手の個別具体的事案によって被害規模が異なる系統の事件の場合,法律で定められるのは権利の有無と抽象的な基準までで,事案に応じてどの場合に適用されるかどうかは裁判例の蓄積を待つしかないと思います。
 ただ,アイデンティティー権はこれが初めて認められた裁判例なので,とりあえずこの手の事案で苦しまれている方はとりあえず司法の救済を求めることは重要であろうかと思いました。
 特に,有名人の場合,司法判断までに時間がかかったとしても,このような訴訟を提起したという事実が世間に報道されることが救済に重要だと思うので,アイデンティティー権侵害はそれなりに活用の余地のあるものと思いました。


 今日の阪神は,久方ぶりに勝ちました。

 今日は,大和さんの守備,打撃,そして投手陣のがんばりによるところが大きかったと思います。

 大和さんですが,今日のような活躍を見ていると,打率がいまいち伸びなかったとしても使い続けなければならない選手だと思います。
 今年は攻撃面で活躍してくれる場面が多いですが,もともとの守備面での活躍も非常に目立っており,今日もよくぞあれをゴロにしてくれたと思わずにはいられません。
 外野は,高山さんの守備はレフトでは不安なものの,センターであれば十分いいと思われ,そう考えれば大和さんはセカンドに据えて守備力強化をできれば相当安定すると思いました。
 本来は,セカンド北條さん,ショート大和さん,サード鳥谷さんにすれば非常に安定すると思うのですが,金本監督は鳥谷さんをショートから移す気がないようなので,当面セカンドは大和さんにすべきであろうと思います。

 投げる方は,メッセンジャーさんに勝ちが付き,私も大変うれしいです。
 また,投手リレーもうまく決まり,昨日の藤川さんと心中した試合が嘘のようでした。

 以前から,藤川さんの制球の安定感のなさについては何度も述べてきましたが,あの制球力では抑えは難しいと思います。
 昨日に限っていえば,140キロ後半のストレートがストライクゾーンに決まっていたので,普段よりはまだましだったと思いますが,その分フォークを狙われてしまったということでしょう。
 140キロ後半のストレートの制球力が安定してくれば,彼も抑え投手として復帰することはありうると思いますが,ストレートだけで勝負できるほどプロの打者は甘くないですし,変化球もそれなりに使えるレベルに達してくれないとやはり難しいかもしれません。
 少なくとも,現時点での藤川さんを抑えに起用した首脳陣は本当に何を考えているのかと思いましたし,勝ち試合を投げ捨てた矢野さんと香田さんは昨日の試合だけをもってしても更迭されるべきと思いました。

 今日はドリスさんが抑えに入り,うまく仕事をしてくれました。
 ドリスさんは,二軍に落ちてから若干フォームが変わったように思えましたが,その分制球が安定してきたように見えました。
 ドリスさんの難点は制球難ですから,もしもこれで制球が安定してくれれば,彼は一気に抑え投手として最右翼に立ってくれそうに思います。
 ただ,私が見ている限り,ドリスさんはランナーを背負ってからが問題だと思われ,今日はその場面がなかったからよかったものの,その場面を実際に見てみないと抑えとしてゴーサインを出せません。
 また,シーズン当初のマテオさんが戻ってきてくれれば,制球の安定したドリスさんと比較してどちらがいいのかというのは非常に迷います。
 まあ,マテオさんの必殺のスライダーですが,これを多投しすぎてしまったため,他球団がどれだけ対策を練ってきて対応されてしまうのかというのが問題だろうと思いますが。

 とりあえず,安藤さん,高橋さんからドリスさんに繋ぐという継投はなかなか悪くないとは思います。
 当面これで様子を見て,マテオさんが戻ってきたらまた再度考えるということでいいかと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:29

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