こんばんは。
本日,横浜地裁小田原支部で,東海道新幹線殺傷事件の判決が下されました。
判決は無期懲役ということで,被告人の要望通りの判決となりました。
被告人は,かねてから,いわゆる永山基準を意識して,3人殺せば死刑になるので2人までにしておこうと思ったと,無期懲役判決を狙って犯行を犯したという話をしていました。
被告人は,控訴しないと明言しておりますが,検察側は無期懲役を求刑していますので,求刑と同じ量刑であった以上は検察側も控訴することはないだろうと思います。
この判決については,宣告前から,このような無期懲役を狙った被告人に対して望み通りの判決を下すことがよいことなのかという議論がありました。
それは,被告人の希望を叶えることへの問題もありますが,最高刑である死刑判決にならないことへの問題意識もあるかと思います。
先日も話題に上がりましたが,別件でも一審の裁判員裁判で死刑判決を受けていても,永山基準を意識したのか,二審で無期懲役となり,最高裁でもそれが維持されて刑が確定するという事案が複数あります。
そうなると,本件について一審で死刑判決が下されても,同じく永山基準が適用されることで結論が覆り,同じように裁判員裁判の意義とはというのが問題になっていたことでしょう。
そう考えると,検察が裁判員の悩みをなくすため,予め無期懲役の求刑をしたことは理解できなくはありません。
結局根底にあるのは,永山基準という統一した基準を常に用いるべきなのか,例外を設けるべきなのかということなのだと思います。
個人的には,例外はほとんどないことが望ましいとは思っています。
まず,一度例外を設けると,別件でも皆が例外の適用を受けようとしまして,結局原則的な基準が蔑ろにされてしまう危険があると思います。
次に,裁判は皆に公平であるべきですが,ある一つの事件だけ厳しかったり,逆に甘かったりすることはその公平性を揺るがし,ひいては司法への信頼を損なうことにもつながると思います。
第3に,原則的な基準があればこそ,その基準に当てはまらないように行動しようという指針が生まれますが,基準が容易に動くことは自身の行動の指針も失われてしまうことになるからです。とはいえ,今回のケースでは,まさにその行動指針が逆手に取られてしまったわけですが。
そう考えると,私としては,よほどのことがない限り原則的な基準は堅持されるべきであり,例外は極力設けるべきではないと考えています。
しかし,それは理屈の考えであり,裁判員という理屈とは違う感情という基準を交えて考えるべき制度では理屈を当てはめてどうこう議論することとはまた次元が違う問題になると思います。
これについて,最高裁は,裁判員が感情の基準を用いて理屈の基準を修正しようとしても,これを理屈の基準に戻すべきという考えをとっていると思います。
この是非については,ここで論じるつもりはありませんが,最高裁がこの考えをとっている以上は,今回のように裁判所の基準を逆手に取って行動するという事件は今後も生まれることになるかもしれません。
ですが,原則的な基準を堅持することの重要性は先に述べたとおりなので,結局どちらを望ましいと取るかは価値観や評価の問題であって,正悪の問題とは別の次元にあるのだろうと思います。
ただし,裁判所は,国会とは違って,民意が反映する場ではないため,よほどのことがなければ裁判所はその基準を変えることはないでしょう。
三権分立を採用する以上,司法権の独立が保障されるべきですから,その基準を民意などを前提に容易に変えてほしくはないと思いますので,これは当然のことなのだと思います。
その基準変更をなしうるとすれば,三権分立の建前からすれば,国会で永山基準を修正する趣旨の法律が制定されるか,裁判所の人事権を持つ行政側において永山基準を是とする裁判官の人事について検討するかということになるのでしょうか。
ただ,行政権の介入は,三権分立の中でも異色なものとなるでしょうし,国会の方が穏当なのでしょうが,現実的にはそちらもありえないのでしょう。
また,仮にそのような法律が制定されたとしても,死刑が生命を奪う究極の刑である以上,慎重になされるべきことは当然なので,その法律自体が違憲なのではないかと争われることは必定でしょうから,別の問題にすり替わることになるのだろうと思います。
阪神が,ジョンソンさんとドリスさんとの交渉を打ち切る方針という記事を見ました。
両者が阪神を離れることは大変残念ですし,特にドリスさんは例年この時期に契約交渉をしていることからそれが本当に退団になるとそういうものかというようにも思うのですが,両方ともメジャー球団との契約を前提としているということですから,致し方無いと思います。
これが他球団,特にセ・リーグの他球団であればさすがにちょっとと思いますが,メジャーであれば理解できますし,対決することもないでしょうから,今後の活躍を期待するしかないと思っています。
そんな阪神は,来季外国人8人体制で臨む可能性があるという記事を見ました。
ジョンソンさんとドリスさんが抜けるということで,その穴埋めが必要ですし,打線の活性化も急務ですから,日本に適応できるか不明の外国人選手をギリギリの人数で回すよりは予備がたくさんあった方が良いというのは理解できます。
ただ,それにしても8人体制と聞くと,数打てば当たるという発想にも思われ,さすがにどうかなとは思います。
とはいえ,このところの打線の酷さは目も当てられませんし,また退団選手の年俸が浮いたことを考えると資金の余力はありますから,それなのに補強しないとなればファンも黙っていませんので,このくらいの補強は球団の宿命かもしれません。
特に,このオフのFA市場は,阪神の補強ポイントとは違う選手が多かったですから,助っ人に多くの目が行くのも理解できますので,私は数打てば当たる戦法を現時点では支持することにします。
また思いついたら書きます。ではでは。
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