こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,いじめた子の親が刑事罰を受けるという条例がアメリカで施行されたというものがあったので,取り上げてみました。
この条例が施行されたのは,ニューヨーク州南部の都市ノーストナワンダです。
この条例では,子供が90日間のうちに2回いじめをしたり他の生徒を攻撃したりした場合,その子供の両親は250ドルの罰金を支払うか,もしくは最大15日間刑務所で過ごすか,その両方が科されるということです。
このような条例は,2016年にウィスコンシン州で可決された条例がモデルになっているそうで,その条例では警察が子供がいじめていることを両親に通知してから90日以内にいじめが再発した場合,両親に336ドルの罰金を科し,さらに1年以内に2回目の違反があった場合には681ドルの罰金が科されるそうです。
そもそもいじめの根絶というのは昔からの大きな課題ではありますが,それは未だに有効な打開策がありません。
今回の条例は,そのようないじめ対策に真剣に取り組んでいるという意味では評価できるものだと思います。
一方で,ノーストナワンダの条例についてはいくつかの疑問点があります。
一つ目は,両親にとって結果を回避できる可能性がどれだけあるのかという点です。
本来は悪いことをした人が責任を負うべきなのでしょうが,子供であればこそ親に責任を負わせようという発想の下でこの条例はできていると思います。
そうであるならば,親,まして両親に責任が生じるのですから,親としてはその責任を回避する機会を保障され,そのような機会があったにもかかわらずいじめが発生したから責任を負うという形が少なくともできているべきだと思います。
この点,記事を見ている限り,90日間のうちに2回というようになっているものの,1回目のいじめの際に両親にいじめがあったことが告知され,両親から子供に対してその行為を止めさせるという機会が与えられているのか,よく分かりません。
ウィスコンシン州の方では,警察が両親に書面で通知してから90日以内にいじめがあったかどうかという規定になっているので,一応両親の側で子供のいじめを止める機会があると思うのですが,ノーストナワンダの方はどうなのでしょうか。
二つ目は,いじめを誰が判定するのかという問題です。
ウィスコンシン州の方では警察となっていますが,そうなると警察にはいじめを判定するための部署が必要になろうかと思われ,当該部署は学校に介入することになると思います。
警察は,いじめ解消のためにある程度学校に介入するのは致し方ないのだろうと思うのですが,一方で日常的に介入するのは教育現場を混乱させるきっかけにならないかという危惧もあります。
また,警察はそのような事実認定を適切にできるのか,証拠収集等を一般の刑事事件等と同じように行うのかなども問題になるかと思います。
いじめの判定を行うのにもっとも適しているのは学校だろうと思うのですが,学校に任せればいじめの隠蔽につながることも懸念されます。
ノーストナワンダの場合には,誰がいじめの有無を認定するのか,それがよく分かりません。
いじめの認定がいい加減になされれば,90日間という期限の起算点が曖昧になるため,結局この条例が骨抜きになるのではと懸念されます。
三つ目は,二つ目のいじめの認定主体の問題とも関連しますが,この条例がいじめの手段として使われないかという懸念です。
すなわち,もしもいじめの認定がいい加減になされる場合,誰かを陥れるため,子供がいじめを申告するということが考えられます。
そのように陥れるというのは,むしろ陥れる対象をいじめることに他ならないと思いますが,問題はいじめというものの認定が非常に難しいことにあると思います。
いじめの方法は,基本的に陰湿なものですから,SNS等が利用されるというのであれば格別,そうでない場合には大半が確たる証拠がなく証言に頼る場合が多いと思います。
そのようなあいまいな証拠であってもいじめ被害者を救済する必要があると思いますが,あいまいな証拠でいじめ認定をするという傾向が固まってしまえばいじめられたと狂言することはいくらでも可能になってしまうことでしょう。
いじめ行為を行っていない両親を刑事責任に問う可能性がある以上,いじめの認定は厳格になされるべきでしょうが,もしも厳格に過ぎればいじめの認定は極めて困難になると思われ,この条例は意味をなさなくなってしまうと思います。
そう考えた場合,仮に警察がいじめの認定主体となるならば,外部者である警察にどこまで正確な認定ができるのかという問題は残るように思えます。
今思いつくところで問題点を挙げてみましたが,それでもいじめ根絶という誰もなしえなかったことに対して対策を講じようという姿勢自体は評価されるべきだと思います。
この条例が実際どの程度機能するのかは分かりませんが,例えばいじめの認定のために警察が学校にやってきて聞き取りをするだけでも意味のあることなのかもしれないと思うと,刑事罰が科されなかったとしても存在意義はあるのかもしれないとも思えます。
ひとまず,この条例施行の前後でいじめの件数がどうなっていくのか,その推移については気になるところです。
阪神の大和さんが,FA移籍について,他球団の話も聞いてみたいという意向を示しているという記事を見ました。
その理由の一つとして,一般論ではあるものの,野球人としてサブでやりたいと思っている人は誰もいないということを挙げたということでした。
確かに,大和さんのこの言葉は非常に理解できます。
大和さんは,守備はどのポジションでも超一流ですが,打撃に好不調の波が大きく,体力もあまりなかったのでシーズン通して働くことが困難であったということもあって,サブとして起用されることが非常に多かったです。
今季の大和さんは,スイッチヒッターに転向して,打率もこれまでに比べて良い成績を残していたものの,あまり起用されることなく,基本的にはこれまでと同じような扱いを受けてシーズンを終えました。
大和さんにしてみれば,今シーズンは課題の打撃もある程度結果を出していただけに,このような扱いを受けることは不服だったのだろうと思います。
個人的には,特にシーズン序盤は守備がボロボロでしたから,そんな状態で大和さんをかたくなに起用しない姿勢に疑問を感じていましたし,大和さんの言い分は非常に理解できます。
ただ,これまで見ている限り,大和さんの打撃は,一時的に非常に好調になる時期はくるものの,平常時はあまり打てないことが多く,基本的には打撃をあまり期待される選手ではありませんでした。
今季は勝負所で点をとってくれることも多く見受けられ,今後はこのような活躍をしてくれるのではという期待もあるものの,まだ1年では来季もこのような活躍ができるというには早計だと思います。
また,年間通してスタメンで出場できる体力に欠けていると思われますが,この点は今季はどうだったのでしょうか。
基本的にサブ起用が多かったため,その点はよく分からないのですが,若い時分で問題があった体力面について,これから30代を迎えるとなった場合にその懸念がクリアできるのかという問題はあると思います。
現在横浜さんとオリックスさんが熱心に調査しているという報道を見ておりますが,メンバー構成を見る限りオリックスさんであればスタメンポジションはあり得るように思えます。
もしもオリックスさんに移籍するならば,引っ越しの必要もないでしょうし,いろいろと大和さんに有利なこともあるのでしょう。
阪神に残留した方が引退後に有利だという話もあるでしょうが,それよりも大和さんとしては現役キャリアをいかに充実させるのがよいかということが優先されるべきことなのでしょうし,引退後のことを多く述べるのはむしろマイナスだろうというように思えます。
阪神は守備面に多くの問題を抱えていると思いますが,一方で怪我しがちであるものの打撃が頼りになる上本さん,ショートは糸原さんを始めとして若手がポジション争いをしており,サードは鳥谷さんと成長株の大山さんが,ファーストは新外国人が就くといわれております。
外野も,中谷さん,高山さん,福留さんらが争っており,阪神球団が今回大和さんの意見を確認して協議したとしても大和さんを今季と違う取り扱いにするという結論を出すことはなかなか難しいとも思われます。
阪神としては,大和さんは,いろいろなポジションを高いレベルで守れる貴重な存在ではあるものの,穴埋め的な考えをしていることも事実であると思われ,その点は大和さんにとって不服なのでしょう。
阪神サイドにしてみれば,大和さんほどポジション穴埋めに適した存在はいないと考えているため,残留を強く希望するでしょうが,それは大和さんの理想とは違うわけで,折り合いを付けられなければ流出もやむなしかと覚悟しているところではあります。
他球団にとっては,大和さんはBランクである以上,人的補償のリスクを抱えることになるわけですが,大和さんのスタメン起用が確定的であればともかく阪神と同じく最悪サブ起用も見込めると考えているならば,人的補償のリスクをとることまでは難しいのではないかと思います。
各球団のプロテクトリストまで考えると,個人的には横浜さんは消極的になり,オリックスさんは積極的な判断もありうるのかなと思ったりしています。
個人的には,大和さんは,前田大和の時代からよく見てきた選手であり,できればこのまま阪神に残ってほしいと思っていますが,こればかりは大和さんの人生ですから何とも言えません。
見守るしかないと思いますので,今後の動向には注視したいものです。
また思いついたら書きます。ではでは。
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