こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,北近畿タンゴ鉄道のダイヤ改正のものを見つけました。
それは,3月のダイヤ改正の際,1日3人しか乗客数のいない辛皮駅という無人駅に快速電車を停車させるというものです。
それは,京都府宮津市の中学校で部活動等に励む兄弟2人に対する配慮のためということです。
現行のダイヤでは,宮津駅午後5時18分の普通列車を逃してしまうと,次は午後8時10分まで待たねばならないということで,この駅を利用していた中学生にとって部活動や勉強に支障が出ていたそうです。
そこで,鉄道会社がこの点を考慮して,午後6時台前半に宮津駅を発つ快速列車を辛皮駅に停車させることにしたということでした。
記事によれば,こちらの鉄道会社は,これまでも沿線自治体の声を踏まえて,高校の下校時間帯に快速を複数駅に停めたりしていたそうです。
ただ,乗車人数が3人しかいない駅にここまで配慮するというのはやはり異例ということでした。特に,この駅は2006年度は1日の平均乗車人員が0人ということで,今は人がいるとはいえこのような配慮は素人の私が見ても異例だと思います。
こういった地元民に嬉しい配慮をしてくれることは,特に交通手段の乏しい地域では本当にありがたいことですし,この会社のためにいざとなったら何かしたいという気持ちを起こしてくれるような気がします。
私の実家の方は,電車は30分に1本程度で,多少不便を感じることはままありましたが,大学時代に東北の地方に行ってみた際にはそんな不便などかわいいものと思えるくらいの交通の便であったという記憶があります。
地方に行けば自動車は生活必需品になってしまいますが,都会に登校・出勤したり,自動車運転免許を取得できない年齢の場合には電車やバスを使うしかありませんから,電車の重要性はいうまでもないと思います。
しかも,電車の本数が3時間に1本しかないということになれば,何をするにも電車の時間を気にして動かなければなりませんから,そういった意味では今回の配慮は大変重要なものであったと思います。
一方,鉄道会社の商売的には,こういった細やかな配慮をしてお客さんの評判を上げることは大変いいことだとは思います。
しかし,1日3人しか乗客のいない駅に何回も電車を停車させれば,企業としての利益としてはよろしくない結果になってしまうと思います。
ですから,夕方の1本が配慮の限界であったのかもしれませんが,それでもこのような配慮に踏み切った決断は賞賛だと思います。
中学生の兄弟にとっては,今回の配慮は本当に嬉しいことだと思いますが,一方こちらの駅から下車する度に「ああ,あの子だ」と思われるのはちょっとプレッシャーかなという気がします。
また,自分を含めて数人しか利用しない駅ですから,病気で学校を休むこともプレッシャーかもしれない気がしました。
それでも,帰宅しやすくなる方がいいでしょうから,そのようなマイナス要素は大したものではない気がします。
この兄弟が学校を卒業するなどして駅を利用しなくなってしまえば,またダイヤを改正してなくそうという柔軟な対応を取ったりするのでしょう。
地域密着型の企業が柔軟な対応を取っているところを見ると,その特性を生かして経営しているのだなとよく分かり,私のような者もいい勉強になると思いました。
また思いついたら書きます。ではでは。