こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,失火で火が出たのに気づいたにもかかわらず消火せずに逃げたとして放火で逮捕されたというものを見たので取り上げてみました。
これは,アパート1棟が全焼して4人が亡くなったという事件ですが,火はアパート1階の部屋から出たということでした。
その後の捜査で,この部屋に住む女が,火の不始末で火事が起きたのに気づき,消火できる状態だったにもかかわらず,消火せずに逃げた疑いが強まったということでした。
調べに対して女は,火を消さなかったことは間違いないと述べているそうです。
この事件の難しいところは,誤って火を出してしまった場合は失火罪という犯罪が成立するのですが,今回逮捕されたのが放火罪だったという点です。
放火は原則として故意的に火を放つことを罰するものですが,今回は故意的に火を放ったのではなく失火で出てしまった火を消火できるのにしなかったということをもって放火と評価しております。
刑法上,本来なすべきことをすれば犯罪結果を止められたにもかかわらずこれを行わなかった場合(法律上は「作為義務を怠った場合」とよく言われます。)には,犯罪行為を行った場合と同様に評価する不作為犯という類型があります。
本件で放火として逮捕したのは,捜査機関がまさに作為義務を怠ったとして不作為犯であると評価したからなのでしょう。
しかし,この不作為犯というのは非常に難しい類型です。
そもそも,条文には作為義務というものについてきちんと規定しておらず,これをどう考えるのかが問題となります。
作為義務の考え方については刑法上も大いに議論のあるところなので,ここでは触れませんが,この評価はなかなか難しいものがあると思います。
それこそ事実関係に応じて個別具体的に判断しなければなりませんので,例えば火が出ていたのを確認した時にはもう逃げるしかなかったというのでは消火できたとは評価できないので作為義務を怠ったとは考えられないでしょう。
おそらく今回捜査機関が放火で逮捕したのであれば,捜査機関は,女の火の不始末が原因であることが明らかであり,火を確認した段階で容易に消火活動ができるのにこれをなさず,かつ他の住人が逃げられるように周知することもしなかったというくらいの事情があったと考えたからなのではというように思います。
あるニュースによれば,女は「居間で火が出ているのをこたつに入りぼんやり見ていた。火を消さなかったのは間違いありません。」と述べているそうで,捜査機関は十分に消火が可能な時間等の余裕があったと判断したのでしょう。
そのように,不作為犯として責任を問うのはなかなか法律上も議論のあるところであり,失火罪をこえて放火の罪まで問えるのかどうか,今後の捜査機関による慎重な捜査が要求されるところだと思いました。
このオフで選手獲得に失敗続きの阪神ですが,今日のニュースでは現在ベネズエラのウインターリーグでプレーする元ロッテの渡辺俊介さんをリストアップしたという記事を見ました。
渡辺さんは,11月にベネズエラの球団と契約をし,現在ローテーションの一角を担っているということです。
現在3試合に登板し,0勝0敗,防御率3.77ということです。
渡辺俊介さんといえばサブマリン投法ですが,阪神も2005年の日本シリーズで相当痛い目を見たことはよく記憶しております。
しかし,近年はあまり活躍できておらず,去年オフにメジャー挑戦を目指して海を渡ったものの,結局メジャーで投げることはできませんでした。
ただ,独立リーグでは39試合に登板して8勝2敗,防御率3.36という成績は残せております。
渡辺俊介さんは,元々球速で勝負するタイプの投手ではなく,特殊投法から打たせてとることを目標に多彩な変化球で攻めるタイプの投手です。
ですが,そのような投手は得てしてコントロールミスがあった途端に痛打を食らう傾向にあり,コントロールは生命線になってくると思います。
あくまで私の見立てでは,渡辺俊介さんが近年成績を落としてしまった最大の要因はそのコントロールが悪化してしまったことであると思っており,それが改善すれば再び活躍することもできるのではと思っています。
ですから,問題は,独立リーグやベネズエラリーグの実力がどの程度なのか,コントロールがどの程度今でも通用するレベルなのかというところだろうと思います。
結局コントロールが悪くても独立リーグなどで打ち損じてくれたためにそこそこの成績を残せていたのだとすれば,それは日本に帰ってきてもなかなか活躍するのは難しいと思いますし,その辺りの見極めが重要だと思います。
ですから,採用をするか否かはコントロールに復活の見込みがあるのかという点を中心に見て頂きたいと思いました。
また思いついたら書きます。ではでは。
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