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 こんばんは。


 今日最高裁で、ストーカー規制法の見張りに関する判断がありましたので、取り上げてみました。

 問題となった事件は2件で、いずれも被告人が対象者の車にGPS装置を取り付けたというものです。
 これがストーカー規制法における「見張り」に当たる場合、刑事責任を問われることとなり、問題となっておりました。
 1審では、いずれの事件においても有罪とされました。片方の事件では、その理由として「ストーカー手段は社会変化に伴い変容する」ことが挙げられました。
 一方、いずれの事件でも2審では、GPS装置取り付けは「見張り」に当たらず、無罪としました。
 そして、その最高裁判決が本日あったわけですが、最高裁は、GPS装置取り付けはストーカー規制法の「見張り」に当たらないと判断しました。

 この問題は非常に難しいものだと思います。

 まず、いわゆるストーカーは、相手の情報を少しでも得ようとする傾向があるように思われ、その過程で現代では比較的入手が容易なGPS装置を使用しようとすることは想像できるところです。
 近年ストーカーが大きな犯罪を犯すことを何度も見ている側とすれば、GPS装置取り付け行為は大きな犯罪につながる可能性のあるもので、取り締まれるのであれば取り締まってほしいと思うところではあります。

 しかし、一方で、刑事罰を科すとなれば、あらかじめ法律によって定められていて、一般人において自分の行為が刑事罰の科せられる対象と予測できるようにすべきという罪刑法定主義の問題もあります。
 つまり、法をいたずらに拡大解釈できることで刑事罰を科せるようになれば、国家権力の横暴が生じた際に不当に刑事罰を科せられてしまう可能性が生じてしまうため、これを防ぐ必要があるという観点です。

 ここで、ストーカー規制法を見てみると、「見張り」に関する条文である2条1項1号では「住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近において見張り」をする行為を処罰対象としています。
 つまり、この法律の条文からは、「見張り」は「住所、勤務先、学校その他通常所在する場所の付近」で行うものを処罰するとなっております。
 GPS装置によって監視する場合は、一般的に対象者から近い場所ではなく、ある程度遠隔地から行うことが多いものと考えられるため、この条文に該当しないように見えてしまうのです。

 いずれの事件の1審判決は、GPS装置を取り付けて対象者の行為を把握することに重きを置いて、相手の動静を直接観察することは必須ではないとして、「見張り」に該当するとしました。
 一方、2審判決は、GPS装置取り付けは見張りの準備、予備行為ではあっても見張りの実行行為そのものではないという、条文から素直に読める解釈をしました。
 そして、最高裁は、「見張り」について、条文解釈を重視して、一定の場所に置いて動静を観察する行為を要すると考えたわけです。

 ストーカー行為の実態から見れば、この最高裁の判断は遅れているということになるのでしょう。
 しかし、刑事法の大原則である罪刑法定主義は、国家権力の横暴を防ぐために守るべきものですから、最高裁は刑事法において柔軟な判断をすることが別の問題を招くことを嫌ったのだろうと思います。
 もしもここで拡大解釈を認めてしまえば、別事件でも同じような拡大解釈を末広がりで認めることになり、最終的には法律が要らなくなってしまう事態にもなりかねないと考えたのでしょう。

 今回の判決について、見方によっては、ストーカー行為の選択肢が一つ増えることに最高裁がお墨付きを与えたというように捉える人もいるように思います。
 そして、警察も、最高裁の判断がこのように出た以上、目の前でGPS装置取り付けがあったとしても対応に困る場面が出てくることでしょう。
 私としては、そのような事態を許容することは問題だといわざるを得ないと思っており、結局この問題を解決する術は早々に国会で法改正を行う以外にないのだと思います。
 今国会は閉会しており、この件のためだけに国会を開くというのも現実的ではないのかもしれないものの、この判決をお墨付きとしてGPS装置取り付けに動く人が生じる懸念があることを思えば、可及的速やかに法改正をすることが国会議員の義務だと思っています。


 今日の阪神ですが、藤浪さんがせっかくいい投球をしてくれたものの、敗戦しました。

 まず、藤浪さんの投球は、久々にかなりよかったと思います。
 7回自責点1で奪三振が10というのは戦力として十分に計算できる出来だと思います。
 特に、前回登板時は三振がとれませんでしたが、今日は奪三振10ということで、よくできたと思っています。

 そんな藤浪さんの投球に水を差すこととなったのは、残念ながら北條さんの守備でしょう。
 結局無得点ですから、守備のまずさがあったとしても負けてはいましたが、それでもこの守備はプロのレベルには到底及ばず、残念というほかありません。
 糸原さんが怪我でいませんが、糸原さんがいるうちに一度北條さんを2軍で調整させられればよかったのにと悔やまれる、そんな現在の状態だと思います。

 今日は昨日からの連敗ですし、今日の負け方を見ていると、どうもまだ続いてしまうのではと不安になります。
 一昨日大勝した際には、これが後に響くかと心配になりましたが、結局その後あまり点が取れておらず、変な影響が出てしまっているのではないかという気にもなります。
 阪神は8カードぶりの負け越しということですから、このところずっと勝ってきただけに、今回の負け越しは個人的にはややショックです。
 ただ、勝ちの感覚を勝手に付けてきてしまったもので、6月の最悪の状態のことを思い出せば、今の不安など小さなレベルだというようにも思えます。
 この負けを引きずらずに、明日以降はきちんと勝っていってもらいたいものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:23

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