こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,トヨタ自動車がアメリカで開催される国際家電ショーで最新の自動運転技術を備えた試作車を公表するというものを見ました。
国土交通省の検討会も,20年代初頭に自動運転の実用化を目指すとしているそうで,いよいよ自動運転が実現化するのかもしれません。
この試作車は,歩行者やほかの自動車との衝突を回避し,詳細な電子地図情報に基づいて道路を走行したり,信号を感知したりできたりするそうで,運転手不在でも運転を可能にするものかもしれません。
このような車両であれば,場合によっては運転免許なしでも乗れるのではという気もしてきます。
私としては,技術自体歓迎ですし,もし導入がされるとすれば交通事故は激減するのではないかと期待します。
交通事故の大半は過失や無謀運転によるものであると思いますし,それが完全に機械制御ということになれば,そういった人間レベルの問題を原因とする事故は防げるようになると思います。
ただ,これを考えると,今思いつくところでいくつかの問題が考えられます。
まず,自動車自体が自動運転をするのであれば,運転自体を楽しむという発想を持つことは難しいのではないかと思います。
もちろん,暴走族などの集団無謀運転自体が不可能ないし極めて困難になるという意味ではいいことなのかもしれません。
しかし,乗っていれば目的地に着くのであれば,電車に乗っている旅とあまり変わらなくなり,気晴らしのために運転するという発想もなくなってくるでしょうし,車の移動が味気ないものになってしまうのではないかと危惧されます。
次に,いかなる技術とはいえ,完全にバグを根絶することは不可能ですから,自動制御時代になっても交通事故を根絶することはできないのではと思います。
そして,もし交通事故が発生した場合,自動運転であれば多くのケースで運転手自身に過失はないでしょうから,原因を模索すると機械に帰結することになると思います。
そうなると,機械に原因があればPL法上問題になるでしょうし,自動車製造会社が莫大な賠償義務を負うことになるでしょう。
そうなれば,自動車製造会社の責任をどうするのかという問題が別に発生する気がします。
もちろん,自動車製造会社は保険に加入するでしょうから,その保険から損害を埋めようとするのでしょうが,膨大な件数を対象とする保険加入における保険料を自動車販売価格に転嫁されることになるのだろうかというように想像されます。
この点,自動運転となれば,運転手自身の過失が問いづらく,運転手が任意保険に加入しなくてもよい時代になるでしょうから,保険料を自動車販売代金とともに支払うか,後で自身が加入して支払うかという違いに過ぎないのかもしれません。
第3に,結局自動運転が機械のバグの問題で利かない場合,運転手自身の技量において操作をできるようマニュアル操作部分が残っていなければいけないのではないかと思います。
もしそうなれば,上記のように運転免許の要らない時代が来ることはないのかなというようにも思います。
ただ,その登場場面は,現時点と比べればかなり少ないでしょうし,自転車に運転免許制度を設けず,小中学校での教育で十分としているのと同じように扱われるようになるのかもというようにも思ったりします。
まあ,そうしたら,自動車教習所がなくなることになってしまいますから,制度としてその経営を維持するために,運転免許制度を残すとは思いますが。
と,少々思いつくだけでもそこそこ色々な問題と思いつくだけに,今後実用化されれば様々な諸問題が生じると思います。
ただ,技術の発展自体は歓迎すべきところですから,その将来を楽しみにしたいと思います。
また思いついたら書きます。ではでは。