こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,年金積立金管理運用行政法人が,2012年度の厚生年金と国民年金の積立金運用結果が11兆2222億円の黒字だったと発表したというものを見ました。
運用利回りはプラス10.23%で過去最高ということでした。
このうち,外国株式が3兆7620億円,国内株式が3兆3314億円といずれも大幅な黒字だったということでした。
この黒字の原因は,アベノミクスの影響で国内株式の価格が大きく上昇したこと,円安が進んで外貨建ての株式や債券の円ベースの評価額が膨らんだことが挙げられるということでした。
私は,アベノミクスの全てがいいというつもりはないのですが,それでもこれまで赤字が続いて制度の存続も危ぶまれた年金事業に関してそれなりの成果を上げたことは素直に評価すべきであると思います。
これまでの年金の赤字の原因の一つは運用の失敗にあったと思いますが,それを多少なりとも取り返した今回の功績はかなり大きかったと思います。
もちろん,一時的な上昇の可能性もあり,今後もこの調子が続くとはとても思えません。
すなわち,この数字は12年度のものですから,最近の株の急落などを反映していないと思われ,最近のものまで反映した13年度のものは赤字になる可能性もあると思います。
しかし,一時的であったとしても成果が出たのであれば,それはいいことだと思います。
ただ,ここからのことは注視しなければなりません。
なぜならば,これまで運用として要らないハコモノを建てて,その事業を何度も失敗させてきたのですから,今回黒字が出たのをいいことにまた要らないハコモノを建てたりすることが懸念されるからです。
今回の11兆円ではまだ大幅赤字を埋め合わせるには至らないでしょうが,それでも少なくとも過去の失敗を振り返れば目減りさせるようなバカな真似だけは決してやめてもらいたいと思います。
個人が株投資をして失敗する分には,通常は証券会社等からきちんと説明を受けたり,自身がきちんと調べた上でやるものなので,ある意味自分で責任をとろうという気にもなるものです。
しかし,年金の運用は,こちらが頼んでもいないのに勝手にやって,そして勝手に失敗してくるという余計なお世話を何度もしてきたわけで,今度このような失敗をしたとなればもはやそれは許されないどころの話ではないと思います。
特に,年金財源の問題もあってか消費税増税の話もありますし,年金受給年齢の引き上げの議論もありますから,少なくともここからの大きな失敗は国家の方向性を大きく左右するといっても過言ではないと思います。
ですから,安易に目減りさせる方向で何か物事を進めることだけは現に控えてもらいたいと思います。
また思いついたら書きます。ではでは。
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