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 こんばんは。

 連日報道がなされている広島の少女死体遺棄事件ですが,今日の報道を見ていたところ,逮捕された少年少女のうち,一人の少女が生活保護を受給していたというものを見ました。

 通常親の監護下にいれば生活保護の受給の必要はないところですが,記事によるとどうやら親の育児放棄を原因として単身世帯として直接受け取っていたというようです。
 しかし,一方では,この少女達は仕事であわせて月100万円程度の収入があったという話もあり,これが真実であれば不正受給の可能性もあるのではというようにも思います。

 今回の事件では,私の見ている限り,報道上殺意の有無について言及されているものは見受けられないので,殺人か傷害致死なのかは分かりません。
 しかし,いずれの罪名にしても,行為と結果の重大性やその後の反省の態度の乏しさ等を考えれば,少年審判手続において逆送とされて刑事裁判にかけられる可能性は否定できないと思います。

 ここで,上記の虐待が真実であれば,その少年審判手続において虐待という事情が考慮されることになるのではないかと思います。
 すなわち,これまで十分な教育を受けてこられなかった背景があるのであれば,逆送ではなく,少年法の手続上での再教育が検討されるということです。
 特に,ある少女は生活保護を不正受給していた可能性がありますが,それはこの少女に知恵を与えた誰かの存在を仄めかすものであり,この点も再教育の必要性という方向に傾く要素になるのではというようにも思うところです。

 それでも,行動や結果の重大性,そして反省の乏しさは無視することができず,逆送の可能性も十分あり得るところです。
 今回対象となる可能性のある罪名は,今のところ,死体遺棄,殺人もしくは傷害致死,そして場合によっては生活保護費に関する詐欺というところで,事案を見てもかなり悪質といわざるを得ず,逆送の可能性は十分考えられます。

 ちなみに,殺意の有無の主張については私はよく分かりませんが,それを解明する一つの手がかりとして,本件ではラインが用いられるのではと思います。
 通常,殺意という内心の問題は表面に出てきづらいですが,このように内心がライン上に克明かつかなりの頻度で吐露されている以上,この記載の中に殺意を疑わせるものがあれば,その弁解は必要になると思います。
 報道に出ている情報程度では何ともいいがたいところですが,ライン上で被害者の首の骨が折られたというものがありましたから,少なくとも首の骨を折った実行犯は殺意が認定される可能性が高いのではないかと思います。

 なお,被害者の遺族の方々において,民事上の賠償責任を少年少女に対して問うことは可能でしょうが,おそらく賠償能力は持ち合わせていないでしょう。
 そうすると,少年少女の親に対する責任を問えるかですが,親に監督義務違反があれば問いうるということになります。
 監督義務違反の事情についてはよく分かりませんが,犯行に荷担した少年少女のうち4人だけで共同生活をしていたという報道もあり,その辺の事情を丁寧に拾っていく必要がありそうです。
 そのほか,このような事件の場合は犯罪被害等給付金という国から一定のお金を受け取れる制度があるので,最低限これだけは給付を受けてもらいたいと思います。

 いずれにせよ,大変凄惨な事件であり,亡くなられた被害者の方のご冥福をお祈りします。
 そして,このような事件が起こらないように願うばかりです。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 18:19

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