こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,親子関係のDNA鑑定が増加しているというものを見たので取り上げてみました。
先日芸能人のDNA鑑定のニュースがあったのが引き金になったのだとは思います。
ある記事によると,依頼者の内訳は母親が4割,父親が4割,残りは父方の祖父母ということです。
鑑定の結果で親子でなかったと分かる割合としては,記事のインタビューでは2割程度ということでした。
この記事にある割合はいずれも正式な統計ではないので,これが世間一般に常に通用するかは何とも言えません。
そして,これが仮に通用するとなれば,5人に1人は親子関係がないということで結構多いようにも思うかもしれません。
しかし,もともと親子関係に疑念のある人だけが受ける鑑定なので,何も疑念のない人は縁のないものですから,そういう疑念を持っている人の中の2割となればそのくらいなのかなと何となく思うところです。
依頼者の割合についても,祖父母が父方ばかりであり母方が記事に記載されていないことも何となく頷けます。
母方の祖父母にしてみれば,鑑定を依頼することは自分の娘の非を前提にするわけですから,そのようなことを望まないのは通常でしょう。
逆に,父方の方にしてみれば,場合によっては義理の娘との関係をはっきりさせたいと思うこともあるのかもしれませんし,ある意味こちらサイドの希望というのはあり得るような気がします。
私も仕事上今まで何度かDNA鑑定を経験したことがあります。
それは裁判上のものもあれば裁判外のものもありますが,裁判外のものでもそんなに費用と時間をかけずにできるものなのだなと思ったこともありました。
私がDNA鑑定鑑定をするまでの事件を見ていての感想としては,もしもこれで親子関係が存在する,つまり本当の親子であることの確認ができたという場合,その後普通の親子関係を形成することが極めてしづらいことが多いということです。
これは,DNA鑑定をするまで疑念を抱きあった人たちが,仮にそれで親子関係であると分かったとしても,それを受け入れてこれまで同様の生活をすることが難しいということです。
かといって,DNA鑑定をしなければ,それが判明しない状況で親子関係を続けなければならないというもやもや感が残るわけで,そのもやもや感に堪えきれずに白黒はっきりさせたいと考えて踏み切る方がそれなりにいるということなのでしょう。
ただ,これに踏み切れば,結論はどうあれもう後戻りはできないということで,その選択はなかなかシビアなものだなと思います。
このような鑑定をする以上,既にその関係がそれなりに大変な状態になっていることが多く,かつ鑑定の結果によって親子関係が破綻することは覚悟されていることでしょう。
ただ,鑑定の性質上,玉虫色というものがないだけに,この結論はかならずいずれかの当事者を今後の人生において攻められる側に変えてしまうことになることでしょう。
そのような強い力を持つものだけに,この鑑定の是非という話もあると思います。
ただ,私としては,先の芸能人の事件によりその存在が広まったことはある意味よかったのかも知れないとも思っています。
というのは,これまでこのような悩みを持っていても解決の仕方の分からない人に対して,一つの選択肢を提示することになったと思うからです。
もちろん,その選択肢があるがゆえに悩みも生じるのでしょうが,技術自体に善悪はなく,選択の幅が広がるということ自体は純粋に悪いことばかりではないと思うので,私としては世の流れとしては決して悪いことではないのだろうと思っています。
とはいえ,何度もいうように,これをすればもう後戻りができないというその点は肝に命じてもらいたいと思います。
また思いついたら書きます。ではでは。
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