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 こんばんは。

 先日,広島市のゴミ処理施設で1000万円以上の現金が見つかるという事件がありました。
 このニュースを見たときには,他のゴミに紛れさせてしまって間違えて捨ててしまったのか,それとも何かのメッセージのために故意的に捨てることにしたのかと思っていました。
 そして,このお金について,自分が持ち主かもしれないと県外から1人,県内から7人の計8人が,3日間の間に電話で次々と名乗り出たということでした。

 この中に本当になくされた方が含まれている場合は,他7人は嘘をついているかもしれないわけで(真実はなくしたものの,このお金とは別に紛失した場合も考えられるので,申し出た方々が一概に嘘をついているとはいいません。),何とも人間の真理について考えさせられる一件だと思いました。

 このように複数名から連絡が来た原因は,3日間という間が空いたこと,おそらくお金を預かっている方が「今何人名乗り出ている」という現状を明らかにしていなかったこと,申し出る方法が電話という他人に知られづらい方法であったことなどが要因として挙げられると思います。
 とはいえ,本当の落とし主が誰なのかについては,預かっている側にとっても判断の難しいところだと思います。
 すなわち,8人のいずれかに渡してしまった後に真の紛失者が登場した場合,1000万円について法律上の返還請求権が生じる可能性,すなわち二重払いの可能性が否定できないからです。
 そうなると,少なくとも,返還する側としては,責任を免れるため,きちんと落とし主について調査をする必要があると思います。
 多分,実際には,現金が発見されたときの詳細な状況を敢えて誰にも告げない状態で,紛失前にどのように1000万円を入手したのか,紛失する前にどのように現金を保管していたのか,現金をいつ頃なくしたのか,帳簿上などで紛失前の時点で現金がどのように扱われていたのかなどを聴取して,発見されたときの状態と一番符合する方が誰かというように判断するのかなと思います。
 特に,1000万円ほどの多額の現金となれば,タンス預金の方もいらっしゃるでしょうが,一般的には預金している方が多いでしょうし,紛失時に近いところで通帳から1000万円が下ろされているという点も重視されるのではないかと思います。

 私としては,ゴミに紛れて処分してしまったのだとすれば,もしかしたら脱税のために現金を隠していたのかもしれないというようにも思いました。
 もしそうだとすると,その現金は帳簿にも載っていないでしょうし,またあからさまにお金の返還を求めると税務署から事情を聞かれることにも繋がるのかというようにも思います。
 特に,これだけ多額の現金が動くのですから,税務署がやってくる可能性がそれなりにあるであろうことは容易に想像できると思います。
 そうすると,そもそも本当の落とし主はやってこない可能性があると思います。なぜならば,それによって脱税といわれて刑事事件になってしまうのであれば,そのリスクと1000万円とを両天秤にかけて1000万円を切り捨てる可能性は否定できないと思ったからです。
 また,万一真実は落とし主でない人がこの現金を手に入れられたとしても,その後に税務署と折衝しなければならない可能性はあるでしょうし,そういう意味では現金の多額さに吸い寄せられてやってきた人がいたとすれば後で手痛いしっぺ返しを食らう可能性があると思いました。

 これだけ多額の現金の話となると,私も何となく手を挙げてあわよくばという考えが起こりそうなところも否定できませんが,結局こういったところで勝負に出ずに堅実に毎日を暮らすのが一番なのかなと思い直しました。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 19:46
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