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2015.12.16 Wednesday
 こんばんは。

 今日は,最高裁で注目される判決が2つ出ました。
 それらについては昔から賛否両論多くの意見があったもので,ここでその当否について述べることはしません。
 ただ,このような最高裁判決を見ると,こういうことは本来有権者から選ばれた国会が判断して法律を改正するかどうか考えるべきもので,最高裁判決を待つという形をとらざるを得ないというのは国会が判断から逃げたというようにも思います。
 待婚規定についてはおそらく国会で法改正がなされるのではないかと思いますが,個人的には国会での改正は「最高裁がこう判断したから」というのではなく,それぞれの議員が議論してその上で出した結論を元に行ってもらいたいと思います。

 さて,今日のニュースを見ていたら,先日話題に挙がっていたJR関連施設の放火事件の裁判の件があったので取り上げてみました。
 本件は,威力業務妨害罪として放火行為を行った男が起訴されましたが,この男は,裁判で「やったことは間違いないが,JRに国益が脅かされているため制裁的な表現行為としてやむを得ずにやった」と述べ,無罪を主張したということでした。

 確か,この事件における男の動機は,JRが電力を浪費していると考え,その浪費を防ぐために行ったと述べていたように思います。
 すなわち,放火行為自体は認めたものの,その行為に違法性はないと主張したということでしょう。

 この論点を考えるに当たっては,法的には故意がない,違法性の認識がないという2つのことが問題になるように思います。

 まず,犯罪が成立するためには故意,すなわち犯罪行為を犯す意思が必要です。
 本件では,放火行為を犯す意思はあったと思いますが,問題はこれをJRの電力浪費を防ぐという緊急避難の意思で行ったということと思います。
 緊急避難とは,現在の危難に対して自己または第三者の権利や利益などを守るため,他に手段がないためにやむを得ず他人やその財産に危害を加えたとしても違法性がないとされるというものです。
 私は法的に緊急避難は成立しないと思いますが,この男は緊急避難の意思で行ったという以上,犯罪行為を犯す意思がなかったと主張することがあり得ます。

 次に,この男は,自分の行為が違法ではないと思って行ったということですから,違法性の認識がないから無罪であると主張されることがあると思います。

 結論から言えば,このような主張がされたとしても故意は認められると思われますし,違法性の認識がないからといっても処罰されてしまうと思いますので,これらの主張のみでは最終的に有罪になる可能性が高いのではないかと思います。
 そして,もしもこのような主張の下で有罪と判断された場合,個人的にはこの男の個人的な情報を報道するかは別として,そのような裁判所の判断については広く世間に出してもらいたいと思います。
 というのは,このような主張,特に違法性の認識がないと主張されたというニュースを最近よく見るからです。
 法律について一般的に知られていない知識はよくありますが,それでもこのように違法性の認識がなくても犯罪行為自体の認識がある場合は処罰されるということまで一般的に知らしめないと,同様の主張をする人達がこれからも多く生じてしまうのではと思いますし,その意味ではこれは処罰されるという境界線をもっと多くの人に知ってもらった方がよいと思いました。

 法律のすべてを知るのは弁護士でも難しい話ですし,そこまでとはいいませんが,それでもよく主張されるような法律に関する知識は広く世間に出回ってもらいたいと思うものです。


 マテオさんを獲得するという話の出ている阪神ですが,今日のニュースを見ていたら,さらに156キロ右腕ドリスさんも獲得し,W守護神体制をとるかのような記事がありました。

 ドリスさんは,195センチの長身から力のある直球を投げるのが魅力の投手のようです。
 ストレートの平均速度は153キロと結構早い部類で,変化球はスライダーとカーブという,空振りをとれるものと緩急をつけられるものを持っているようです。

 これだけの速球があれば,多少の制球力があれば日本球界でも活躍が期待できるようには思います。
 ただ,この情報だけを見ているとマテオさんと同じようなタイプの投手のように思えます。
 確かに,抑え投手はそのようなタイプに適格性があるようには思うのですが,W守護神体制をとるのだというのであればタイプの違う2投手を場合によって使い分けるという方が合理的なように思います。
 また,選択的に考えるのであれば,先日話題になったクレトさんもなかなかいい投手ですし,彼を素材型として採用して育てるというのもありなのではないかという気もするのです。

 ドリスさんはまだ27歳ということで,これからの成長が期待される投手ですが,このような投手を獲得して育成し,メッセンジャーさんが日本人扱いになる再来年での活躍を期すという考え方も一つありのようにも思います。
 呉さんとマートンさんの分のお金が浮いているのであれば,とりあえずとっておくという選択肢は悪くはないと思います。
 ただ,先日から出てくる話題は,同じようなタイプの投手をたくさんとるというばかりなので,ならば違いをつけて採用を考えるべきではないかと思わずにはいられませんでした。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(1)  | trackbacks(0) | 23:13
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