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 こんばんは。


 今日の記事を見ていたら,大阪地裁で,殺人罪に問われた中国籍の男の判決において一部通訳を前提とした書面の信用性が否定されたというものがあったので,取り上げてみました。

 この事件では,被疑者の取り調べがDVDに録画されていましたが,逮捕直後の取り調べで作成された弁解録取書において記載されていた内容がDVD録画に残されていた話していた内容と異なっていたとのことでした。
 具体的には,男は,首を押さえていた時間を覚えていないと答えていたにもかかわらず,「3分ほど」と通訳されていたり,「殺すつもりはなかった」と話しているのに通訳されていなかったそうです。
 このように通訳人による誤訳や通訳漏れが1時間ほどの間に120箇所以上あったということでした。
 裁判所は,弁解録取書の信用性を否定した上で,最終的に別の証拠から殺意を認定し,有罪判決としたそうです。

 この記事を見ていて,私も通訳事件を担当した際にやや心配になることが現実にあるのだと改めて思いました。
 一般的に通訳の先生方はまじめで,きちんとやってくれる方がほとんどですから,私は基本的にはその通訳内容を疑うということはしていません。
 ですが,時々通訳内容を疑問に感じる時があります。
 例えば,明らかに外国人の方が長く話していて,通訳人と言い合いをしているにもかかわらず,最終的に訳された内容が「違うといっています」という一言だけであったりする場合などがあります。

 通訳というのは,話していることを一言一句訳するのが原則なのでしょうが,話が長い場合や話している内容が支離滅裂な時にそれをこちらにわかりやすい言葉に変換してくれるということもままあります。
 そういった気遣いによって私の業務も幾度となく救われたことがあるわけですが,一方でその気遣いは通訳人というフィルターを通った上で我々に内容が伝わってくるので,本人が本当に話したことなのかどうかがいまいち不安なこともあるわけです。
 通訳人が殊更に嘘をいおうとしているわけではないのだろうとは思うのですが,そういった意訳のフィルターを見極めるのは難しいです。
 なぜならば,本人が何を話しているのか分からないので,見極めるポイントが多くはないからです。

 このような通訳人の問題の場合,英語や中国語など比較的通訳人が多数確保できる言語であればまだいいのですが,少数言語の場合,通訳人が問題だったとしても選択肢がほとんどないという問題もあります。
 以前担当した事件では,ある少数言語の通訳人の手配が問題で,その言語について通訳できるのが関東地方でも数人しかいなかったということでなかなか調整に苦労したというものがあったのを思い出します。
 もしもそのような言語の通訳人が誤った訳をしてしまうような人であったとした場合,通訳を担当してもらいたくはないものの,やり手がいないため,今後は注意してもらいたいというに止まってしまうのかもしれません。

 今回の事件では,通訳人が誤った訳をしただけでなく,通訳自体をしなかったというものがあったということで,私がこれまで経験した通訳に関する疑惑という域を超えたものであって,殊更悪質なものだと思います。
 特に,刑事事件の場合,刑罰という人生に関わるものが前提となっている以上,通訳のレベルも相応の水準になければならないものだろうと思います。
 こうしてみると,この通訳人の担当した別事件ではどうだったのかということも不安視することになりかねず,色々なところで大いに物議を醸す可能性も否定できません。
 上記の通り,大半の通訳人はまじめにやっており,このような事件はまじめにやっている人にとって迷惑でしかないと思います。
 ただ,一定の質を保てるよう,何らかの措置は必要なのかもしれないとは思いました。


 昨日今日と,阪神は読売狩りに失敗し,2試合連続であまりにも打てずに返り討ちにされました。
 昨日も今日も,秋山さんと能見さんを見殺しにしてしまったということで,打線にはもう少し仕事をしてもらわないとという気持ちです。
 ただ,つい最近まで打線は非常によく働いていて,それが水物でいつ低迷するかということを危惧していたことを思い出すと,その低迷期に入っただけなのだろうかというようにも思っています。

 打線の中で,特に問題なのは,最近めっきり打てない糸井さんでしょうか。
 糸井さんは,これまで打線の核として活躍してくれていましたが,その当時は好不調の波がここまで激しいとは思っていませんでした。
 能力のある方なので,いつかはまた打ち始めるとは思うのですが,それにしても今はあまりにも打てません。

 また,今日の敗戦の中でもっとも心配なのは鳥谷さんの状態です。
 当てられ方も顔面にいってしまいましたから,普通はここで様子を見て明日以降は試合に出さないという措置を講じることになるでしょう。
 問題は,鳥谷さんは割と打っていたので,打線がこれでさらに低迷するのかということ,そして連続試合出場記録でしょうか。
 連続出場記録はいつかは途切れるので,こればかりは仕方がないでしょうが,打撃が悪くはなく,よく四球を選んで出塁していた鳥谷さんが打線からいなくなるのは,低迷期に入った阪神打線にとって大きな問題でしょう。
 ただ,鳥谷さんの選手生命を考えれば,ここは大事をとるべきかとも思いますので,ひとまずあまり大きくない怪我であることを願うばかりです。

 阪神は,このところ負けが込んでいますが,ついに2位の広島さんと0.5ゲーム差にまでなりました。
 この時期のゲーム差や順位はそこまで気にしなくてもいいかもしれませんが,もうすぐ突入する交流戦を考えると,このチーム状態は不安の一言に尽きます。
 なにせ,阪神は例年交流戦で低迷することが多く,もしもこの状態で突入すれば例年のパターンをそのままなぞってしまうのではと思えるからです。
 打線は水物ですから,いつかはまた復活するとは思うものの,何とかカード全敗を回避してもらって少しでも調子を上向きにしてもらいたいものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:32
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