こんばんは。
阪神は,このオフでアメリカに渡った中島さんの獲得を企図しており,これまで西武さんやオリックスさんと争っておりました。
しかし,最終的に,阪神はその獲得に失敗し,中島さんはオリックスさんに入団することとなりました。
私は,獲得失敗自体は残念だと思いますが,結論としてはそこまで失望しておりません。
その理由としては,まず年俸の件です。
オリックスさんの提示した年俸についてはいくつかの説がありますが,色々と記事にあるうちもっとも低い契約条件は3年10億円という説でした。
この説を採る場合,1年当たり3億3000万円以上ということですが,問題はこれに見合う活躍をして頂けるのかという点です。
阪神は,これまで提示していたのは4年10億円からさらに上積みかというものでした。
ある記事では,このような阪神の提示に対して,中島さん側の代理人はさらなる条件上積みを要求してきたことがあったようですが,これに対して阪神は拒否をしたそうです。
これが本当なのかどうかは分かりませんが,私は阪神の判断は正しかったと思います。
メジャー帰りの選手に対する阪神のこれまでの提示額ですが,
福留さん 2年3億円
西岡さん 2年4億円
城島さん 4年16億円
というものでした。
城島さんの条件は破格なものではありますが,それはメジャーでの実績を加味したものであり,かつ当時の競合相手がソフトバンクさんだったということもあって相対的に上昇してしまったということでしょう。
ですが,城島さんは,怪我で離脱はしてしまったものの,1年目は想定通りの活躍をしてくれました。
また,福留さんと西岡さんは,アメリカでの活躍ぶりを加味して提示された契約条件であり,かつ両者の日本での活躍ぶりを見ると結論としてやや高額ではあるものの妥当な域であったと思います。
翻って,中島さんについて考えてみた時,日本での活躍ぶりはいうまでもないのですが,渡米後はメジャーリーグでプレーをすることはなく3Aどころか2Aで終わるということになってしまいました。
また,今年の9月は左手首骨折ということで,完治したという情報はあるものの,心配する要素もあります。
そのような現状の中島さんに対して,福留さんと西岡さんを大きく上回る条件を提示することがいかがなものかという感覚はあります。
また,外様の方に対して高額年俸を出しすぎてしまうことは,生え抜きの選手達のやる気を奪ってしまいます。
もちろん,実績のある選手が高額年俸であるということはプロの選手として受け入れるしかない現実だと思います。
しかし,残念ながら中島さんのアメリカでの実績を見ると,生え抜きの若手達にとって自分よりも何倍,場合によっては十倍以上の年俸を受けるということについては承服できないという思いも生じるでしょうし,そこからチーム不和ややる気の問題にも関わってくるでしょう。
プロなのにやる気の問題になるというのはおかしな話かも知れませんが,それでも福留さんや西岡さんというアメリカ帰りの方の指標がある以上,それを大きく上回るのは気持ちの問題が出てもおかしくはないと思います。
次に,ポジションの問題もあると思います。
中島さんが加入するとなれば,おそらくサードになることでしょう。
このオフは,鳥谷さんの流出問題が生じ,急遽大和さんがショートのコンバートの方向で調整が図られております。
そうすると,セカンドに上本さんが入るとすると,サードに西岡さんが入る予定だったと思います。
また,サードには,今成さんと新井良太さんもおり,その3名で競争が発生するという状況だったと思います。
そんなところに中島さんという第4の競争相手が生じるとなった時,競争が活性化するというのであればよい方向であろうと思います。
しかし,通常は超高額年俸の選手がいれば優先的に使おうとすると思います。
また,話によれば,中島さんに対して提示した条件のうち,サードのスタメンというのがあるというように聞き及んでおりましたが,そうするとそもそもこの競争自体が起こらないということになります。
そうなると,西岡さんはセカンドになるのでしょうが,そうなれば成長株のシンボルである上本さんが弾かれてしまうことになりかねないのではと思います。
今阪神のポジションで問題なのは,大和さんが抜けてしまうセンターです。
西岡さんのセンターへのコンバートの話も出ていましたが,今日の記事で西岡さんからこれを否定する話が出ておりました。
そうなると,センターが抜けてしまうこととなるので,その手当が阪神のポジションで最大の問題になるだろうと思います。
ここに,セカンドから追いやられた上本さんをコンバートさせるのは,守備の要所だけに危険だと思います。
また,今成さんや新井良太さんは外野もできますが,正直新井良太さんがセンターは守備的にまずいと思いますし,今成さんも本職ではないだけに要所のセンターとなると不安があります。
阪神にとって本当に補強しなければならないポイントの一つは守備力の高い外野手だと思いますので,そうであれば多少相場より高額の年俸を支払ってでも価値はあると思います。
しかし,サードは上記のとおり有り余っている状況で,かつせっかく競争が発生しようとしているところですから,その芽を摘んでしまうのは惜しいともいえます。
そういう状況を鑑みると,もちろん中島さんの実績や潜在能力を考えれば獲得できればよいとは思うものの,無理をしてまで獲得をしなければならないとはあまり思っていませんでした。
私の見る目のなさは,今シーズン前半の福留さんに対する評価からも明らかなので,あまりここで強弁をするのは恥ずかしい結果に繋がりかねないと思います。
ですが,敢えて現時点での私の考えを述べますと,今までの経緯で出てきた年俸額の噂が正しいのであれば,阪神が条件上積みを見送った判断は正しかったと思います。
それよりも,鳥谷さんの慰留を全力でめざすのが正しい判断でしょう。
鳥谷さんが残留すれば,上記のセンター不在の問題は容易に解決するので,後の阪神の補強ポイントは先発と中継ぎ要員の追加ということに絞られます。
今のところ,鳥谷さんの移籍先に関する有力情報はまだ出てきておらず,かつメジャー契約ということでは困難であるという話すら聞こえておりますから,できればそのまま阪神に残留してくれると大変助かるかなと思ったりしております。
ちなみに,私がこのオフの補強でもっとも残念だと思ったのは,FA宣言をすると見られていた宮西さんです。
彼は非常に優秀な中継ぎ投手で,阪神の補強ポイントと完全に一致する方ですから,彼を逃したことがもっとも大きな問題だと思います。
それ以外で噂になった方々については,もちろん来て頂ければ選択肢が増えてありがたいというようには思うものの,宮西さんの痛手が大きすぎると思ったのです。
とりあえず,これで阪神の来季陣容の大半が見えてきました。
まだ鳥谷さんの件など,決まらないピースは幾つかあるのですが,大部分は定まりつつあり,そこからどのような戦略を練るのかが問題だと思います。
まだシーズンが始まるまで時間があるので,あとは何とか中継ぎ陣をうまく調整してもらいたいと思います。
また思いついたら描きます。ではでは。
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