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2016.07.27 Wednesday
 こんばんは。

 後半戦に入ってから負けの混んでいた阪神ですが,前回の試合で鳥谷さんのスタメン落ちをさせた時に後半戦初勝利となりました。
 そこから1日を挟んで今日はどうなるかと思っていましたが,今日は久しぶりに見ていて大変楽しい野球をしてくれました。

 阪神の野球を見ていて楽しいと感じたのはいつのことだったのか,振り返れば5月頃以降はそんな感覚もあまり持たないようになっていました。
 打てない,打ち込まれる,守れない,そんな状況が非常に多く,誰が何をやってもうまくいかず,起用する選手もあまり活躍できずに1軍と2軍を行ったり来たりする,スタメンが固定できない等々,悪循環の中でこの数ヶ月ずっと苦しんでいました。
 そんな今日の試合でしたが,前回に引き続き鳥谷さんがスタメンから外れてさあどんな試合になるかと期待していたところで,初回に3点を取られました。
 岩貞さんは今年覚醒したエースですが,やはりシーズン通して活躍した経験がないからか,5月頃の活躍はまさに次世代エース,能見さんを継ぐ者と期待したもののまだ早かったかと思わされました。

 しかし,今日の阪神は,その3点以外に一切点をとられず,最終的に3点をひっくり返して勝利をしました。
 阪神が3点差をひっくり返して勝ったのは,なんと5月1日の横浜戦以来ということで,どれだけ阪神ファンは耐えてきたのだろうかと思わず過去を振り返りたくなりました。
 私も阪神暗黒時代からよく訓練されてきたという自負はありますが,それでも最近の展開を見ている限り,今年は勝ちを喜ぶ年ではないと自分に言い聞かせ続けていました。
 ですが,やはりこうしていい勝ち方をすると,そんな自分を騙していた気持ちが嘘だったということがよく分かり,非常に恥ずかしくなります。

 今日の阪神でよかったのは,まず打線です。

 もっともよかったのは,勝ち越しホームランを打ったゴメスさんでしょう。
 やはり野球は長打が気持ちのよいものだと改めて思わせてくれる一発でしたし,これが8回という終盤に打ってくれたからこそやはりそれまで鬱屈していた気持ちを吹き飛ばしてカタルシスを感じさせてくれたのだろうと思いました。
 ゴメスさんは,今年大変苦しんでいて,主砲として期待されながらスタメン落ちも経験しました。
 今年は,去年と違って,盟友マートンさんもいないですし,孤軍奮闘の戦いであったと思いますし,あまりチャンスで打てない時期があったことから今年で契約終了かという声もよく聞こえておりました。
 ですが,やはり今日見ている限りでは,ゴメスさんは勝負強い打者だと認識しました。
 ゴメスさんが阪神で主砲としての地位を獲得したのは,思えば得点圏にランナーを進めながらもなかなか返せない中でタイムリーを打てる決定力があったからだったと思い出しました。
 今年は若干影を潜めましたが,今日勝利して連勝するというのはチームのムードを決める上で決定的に重要でしたから,こういう試合でタイムリーを打てたというのはやはりゴメスさんの決定力は大したものだと思いました。

 次に,原口さんはやはり阪神打線にはなくてはならない存在だと思います。
 腰の問題がありますし,捕手としての能力に関して問われた時に正捕手として固定することに対して色々と問題提起もされております。
 ですが,これだけ打てる才能のある打者を,今の貧打にあえぐ阪神がベンチにおいておけるほど余裕があるとはとても思えません。
 確かに捕手として色々と希望するところはありますし,腰の件についてはケアしながら使わねばならないとも思いますが,それでも彼をスタメンから簡単に外すという結論はあり得ません。

 鳥谷さんですが,スタメンから外れて以降,打撃が割とよくなってきたように思います。
 本人も疲れや怪我のある中で連続試合出場のプレッシャーの下,色々とバッシングを受けながら出続けていたのは相当きつかったと思いますし,これで緊張の糸が切れずにのびのびとプレーをして頂けるならばそれ以上にありがたいことはありません。
 絶不調の時から,その選球眼故の出塁率は目を見張るものがあると述べてきましたが,それがあればこそやはり彼はチームに必要な存在だと思っています。
 ただ,一点引っかかるのは,鳥谷さんの連続試合出場の問題から途中で代打で出ることは理解するのですが,途中からショートの守備を大和さんから交代することにはやや疑問です。
 おそらく,ショートとしての連続試合出場記録を問題にしてこのような対応をとっていると思うのですが,現時点では明らかに鳥谷さんよりも大和さんの守備力の方が上でしょう。
 それを,勝負のかかった終盤の回に鳥谷さんをショートに入れるという選択をするのは,いささか疑問に感じます。

 投手ですが,岩貞さんは,初回に打たれた以外は非常に良い投球を見せてくれました。
 立ち上がりの問題はあったのかもしれませんが,それでもあれだけの投球をしてくれるならば,やはり次世代エースの候補の一角は彼であろうと思います。
 そんな岩貞さんに勝ちを付けてあげたかったですが,3失点あったとなれば負けがつかなかっただけでもよかったというべきでしょう。

 私がこのところの阪神を見ていて大変うれしく思うのは,後半の中継ぎ3人,マテオさん,藤川さん,ドリスさんが非常に安定的によい働きをしてくれていることです。
 もともとマテオさんがよい投手だというのは分かっていましたが,いわばマテオさんの保険として採用されたドリスさんがここまでの投手だとは思いませんでした。
 ドリスさんは,もともと相当えぐいというレベルの直球を持っていましたが,制球が安定しないのが難点でした。
 しかし,このところその制球難もあまり見られず,単純に打てない投手になってきていると思います。
 ドリスさんはまだ若いですし,問題はこの活躍をステップにメジャーに行きたいと言い出すことでしょう。
 阪神の勝利の方程式ができたのはあのJFK以来だと思いますが,まだ実績の意味ではJFKまでは及ばないとは思います。
 とはいえ,この活躍が続けばそれに匹敵する存在になり得ると思うと,ドリスさんというピースの流出はなんとしても防がないといけないでしょう。
 中継ぎに長く苦しんだ阪神としては,ここで流出を許す展開になれば本当に来年以降もまた迷走するように思います。

 藤川さんですが,中継ぎに転向してから非常にすばらしい活躍をするようになりました。
 直球は往年の球速はないものの,そのキレは健在でした。
 先発時代は,長いイニングを複数の投手と勝負するという以上,様々な球種を選択してやっていましたが,今は完全に直球主体でスタイル自体がほぼ変わったと思います。
 今日は日米通算1000奪三振をマークし,それに続いて1001個目の三振も取りましたから,まだまだこの記録は通過点として活躍してくれそうな気配です。
 特に,金本監督も絶賛していたとおり,バレンティンさんの空振りをとった球は,バレンティンさんが直球を待っていても空振りをとったという展開で,キレがなければ到底できない芸当です。
 かつて藤川さんについて言及した「ストレートという名の魔球」というものがありましたが,まさに今の藤川さんの直球を見ていてこのタイトルを思い出しました。

 そんなわけで,今日は初回こそ点をとられたものの,タイムリーあり,頼れる中継ぎの活躍あり,勝ち越しホームランあり,抑えの活躍ありと,阪神ファンにとってはこのところの試合を忘れられるくらいのうれしい試合でした。
 こんな試合は何度もできるものではないですが,それでも私は,鳥谷さんスタメン落ちというカードをついに切ったからこそ,ここから阪神の本気をもっと見せてもらいたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | 阪神タイガース | comments(0)  | trackbacks(0) | 00:02

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