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2018.08.21 Tuesday
 こんばんは。


 今日は甲子園の決勝戦が催されましたが,結果は大阪桐蔭が優勝しました。

 世間では,金足農業の躍進と力尽きた吉田君に関する報道が多いようですが,私は大阪桐蔭について素直に素晴らしかったと敢えていわせてもらいたいと思います。
 このところ,金足農業の躍進が多くいわれ,一般からの応援も金足農業一色になりがちなところで,準決勝の日大三高もそのアウェー感に少なからず苦しんだことと思います。
 今日の大阪桐蔭も,ホームが極めて近い位置にありながら,報道や観客などは金足農業の勝利を願う声ばかりで,冷静に戦いに臨めた選手達はどれだけいたのでしょうか。
 高校生同士のアマチュアスポーツにもかかわらず,これだけ一方のチームに肩入れをすること自体,他方のチームにとって気の毒というほかなく,高校生の健全な育成に影響を及ぼすのではと心配していたくらいでした。
 そんな中で,大阪桐蔭の選手達は,地に足の付いた不断の練習通りの自分のプレーをして大勝したのですから,自分の役割を見失わなかったという点で素晴らしかったと思います。
 このようにどんな状況でも自分を失わずにプレーが出来る精神力こそが練習で培われたものだと思いますし,このチームの強さの源だったと思います。
 大勝すれば日本中からヒール呼ばわりされることも理解しながら,勝利を確実なものとするために点を荒稼ぎできる時にしたのは,まさに素晴らしいプレーだったといわせてもらいたいと思います。

 一方で,金足農業もよく頑張ったと思います。
 吉田君は球速が落ちても球のキレで抑えていける投手だと思うのですが,今日は序盤から球もキレておらず,大量失点して中盤で降板することとなりました。
 この原因は,先日股関節の違和感を訴えていたことの影響もあるかもしれませんし,連日の連投での疲労も挙げられるかもしれません。
 そこで,おそらく今後取り上げられる高校野球の球数制限問題について,ちょっと思ったことを書いてみたいと思います。

 吉田君を例に挙げると,秋田大会からここまでで1人で投げてきたわけですが,1試合あたり平均にして130球前後を投げていたようです。
 今日も降板するまで130球超の球を投げてきたわけですが,プロ野球でいえばメッセンジャーさんがこのくらい投げるものの投げすぎといわれる部類の数だと思います。
 メッセンジャーさんですら中6日で投げるにもかかわらず,高校野球では数日しか休みがなく,酷い時には連日登板もあったのですから,勝ち進めば進むほどその状況は極めて深刻になると思います。

 金足農業は吉田君を軸にしたチームですが,予選からの試合成績を見ている限り,あまり余裕のある勝ち方をしたものは多くはなく,いざという時に2番手投手を試す機会がほとんどなかったと思います。
 そうなると,今日のように吉田君が厳しい状況になったとしても,ほぼ未経験の投手を決勝戦の場面で出すことは躊躇われ,最終的には吉田君の酷使,大量失点につながったように思えます。
 大阪桐蔭の勝利の要因は,大阪桐蔭が単純に強いことはいうまでもないのですが,吉田君の調子の問題も挙げられると思われ,これは吉田君が過剰な球数を連投してきたからということもいわれることになるでしょう。

 そうなると,未来ある高校球児を守るために球数制限という問題は当然出てくると思いますが,これを導入すればどうなるでしょうか。
 まず,未来ある投手の身体的な健康はある程度守られることになるでしょうから,その意味ではいいことだと思います。
 一方,もしも相手チームにとってエースを降板させたいと思う場合,バッターに多くの球をカットさせる指示を出す可能性が高く,そうして球数を浪費させて降板に追い込む作戦は当然とられることになるでしょう。
 そうすると,人材豊富な伝統校,特に人材を集められる資力のある名門私立高校は有利になるでしょうが,一方で今回のように人材が手薄な公立高校は上位にいける可能性は極めて低くなると思います。
 また,バッターには高度なカット技術が求められることとなり,それに従ってバッティングも変質していくように思われます。

 金足農業については,もう一枚投手がいたら状況が変わっていたのではと思う気持ちもありますが,それは別として,球数制限が導入されていれば強制的にもう一枚の投手が登場せざるを得ず,その投手が吉田君並に働けるのかということが問題になるでしょう。
 こうなると,高校野球は伝統校ないし私立学校の独壇場となるでしょうから,やはり球数制限導入はこのスポーツそのものを変質させる可能性が高く,よろしくないように思えました。

 かといって,現状がいいはずはなく,個人的には試合間隔をもう少し合理的な日程にすべきだと思っています。
 その場合,阪神のホームスタジアムたる甲子園が当面使えないという,別の興行との問題が生じることでしょう。
 また,試合間隔にゆとりを持たせる場合,現地滞在費用が膨らむことも懸念され,あれだけの応援団も同時に滞在できなくなるということは当然あり得ることでしょう。
 いずれも簡単に解決できる問題ではないのですが,私は甲子園高校野球の時期を秋から冬にかけてに変更したらいいのではと思っています。
 そうすれば,少なくとも阪神との日程のバッティング問題や,選手の熱射病等の健康問題等が避けられるように思われ,ゆとりある日程にもしやすくなると思いますから,問題点がかなり少なくなると思うからです。
 こうする場合,遠征組の滞在費用の問題や伝統だとかいろいろと異論のある話も出てくるでしょうから,あくまで私の個人的な意見に過ぎないのですが,いずれにせよ今のままではよくないでしょうし,これを美談で終わらせるにはあまりにも学習がなさ過ぎると思いました。

 ともかく,両チームともお疲れ様でした。


 一方の阪神ですが,岩貞さんは6回4失点と先発としての仕事を果たせず,打線もつながらずに糸井さんのホームラン1本で終わるなど,コメントのしようもない残念な試合でした。
 これでナゴヤドーム5連敗だそうで,昔鬼門といわれていたのが復活してしまったのかと思うほどです。
 上位チームを追い上げようとする矢先,下位チームに対して平気で取りこぼすというのは,何とも残念というほかなく,これ以上今日は言及しないことにします。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:20

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