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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら,文化財が,処理の誤りで変色してしまったものの,完全修復できずに返却されたというものがあったので,取り上げてみました。

 この文化財は屏風絵で,幕末の土佐の絵師金蔵,通称絵金が描いた「鎌倉三代記 三浦別れ」等5点ということです。
 これらの絵は,夏祭りの夜に家などの軒先に飾られ,大切に保管されていたそうです。
 熊本市美術文化振興財団によれば,屏風絵は2010年7月に企画展のために借りたそうです。
 そして,防虫処理の燻蒸を行ったところ,緑色の部分が黒く変色してしまいました。
 処理を委託した熊本の業者が,研究機関が美術品には使わないように換気しているリン化アルミニウムを含む薬剤を使用したことによって,緑の顔料に含まれる銅が酸化してしまったことが原因と見られているそうです。
 学芸員は作業に立ち会わず,使ってはいけない薬剤の知識もなかったそうです。
 財団は,作品の所有者や管理施設である絵金蔵と話し合いを行い,薬剤の除去や修復を進め,昨年12月に修復を終えたものの,変色部分は完全には戻らなかったそうです。
 この修復には約3000万円がかかったそうです。
 財団は,屏風絵を返却する一方で,屏風絵の所有者で作る保存会に対して1000万円を寄付したそうです。

 絵金の屏風といえば,ずいぶん昔に呼んだギャラリーフェイクという漫画で取り上げられていたことを思い出します。
 そこでは絵金祭りについて描かれ,その後にこのような祭りがあるのだと動画等で確認したものです。
 夕暮れの光が少なくなってきたところに,蝋燭の光で照らされるおどろおどろしい日本画等が写される描写は映像は何とも幻想的に,一度は見てみたいと興味を惹かれましたが,残念ながら今のところいけておりません。

 そんな絵金の屏風がどのように変色してしまったのか見てみると,確かに緑色の部分についてはあきらかに黒ずんでしまっていて,修復作業を行ったとは思えないくらい元のものとは異なるように思えます。
 学芸員が関与していたにもかかわらずこのような事態が生じたのは残念というほかありません。
 おそらく,この学芸員は,日本画に使用される顔料等の知識が十分ではなく,かつ当時は問題意識を持って調べようともしなかったのでしょう。
 過去のことを悔いても戻るわけではないですが,それでも日本中の日本画を取り扱う学芸員達の間ではこのような知識,注意点は共有されるきっかけになったのではないかと思われ,同種の事件は起こりづらくはなったろうとは思います。

 この手の賠償については,結局金銭的評価に置き換えることは極めて困難であり,修復に手段を尽くしても困難であれば最終的には評価額相当額の支払いを行うか慰謝料的な金額を支払って終わりにするしかなかったと思います。
 今回の寄付金というものは,おそらくそういった位置づけのものであろうと思いますが,そのお金をもらったところで先祖から受け継がれた財産の価値が減少してしまったことには違いはなく,誰もに損害が生じたということでしょう。
 財団の側は,修復のために3000万円,寄付金で1000万円,そのほか屏風の所有者等に対して謝罪等にもいったでしょうからそこにかかる費用の負担もありますし,大変な損害を被ったと予想されます。
 それでも繕いきれないというのが唯一無二の存在である文化財の価値ということでしょうが,やはり専門的知識のある人がきちんと取り扱わないと大変なことになるということがよく分かります。

 ちなみに,最近学芸員という言葉が,大臣の発言によってにわかに注目を集めています。
 今回の件は学芸員の方の本職でミスをしてしまったというものですが,大臣発言はそもそも学芸員の職務を理解していないものだったと思います。
 その発言は既に謝罪されていますし,世間においてバッシングされ終わっていると思うので,私がこれ以上いうことはないのですが,今回の屏風騒動を見ていてやはり専門的知識を的確に持った学芸員というのは必要だと再認識しました。


 今日の阪神は,終盤に点をとって勝ちました。

 前回の試合で糸井さんの連続出塁記録が途切れてしまったところで今日のタイムリーですから,これはいけるのではと思ったところで同点にされてしまいました。
 今日の球場は,かつての鬼門といわれたナゴヤドームで,点をとった裏に直ちに同点にされてしまったこともあり,なかなか点が入らない展開に今日は危ないのではないかと思っていたところでした。
 そんな矢先,5番起用の中谷さんの犠牲フライで決勝点,その後不振の北條さんがスリーベースヒットのタイムリーで追加点とリズムよく点をとってくれました。
 最近終盤によく点をとっていますが,こんなに終盤に点を取れるチームが阪神とは思いがたいくらい上出来です。

 今日は岩貞さんもよく頑張っていて,7回3分の2で8安打1失点と,この出来をもってして勝ちが付かなかったら非常に気の毒だと心配していました。
 それだけにきっちりと終盤にきっちりと点をとってくれたのは本当に安堵できるものだったと思います。

 ドリスさんも安定感のある投球で締めてくれましたが,やや心配なのは勝ち試合でドリスさんが投げすぎなことでしょうか。
 ここで何度も言及していますが,去年の怪我は投げさせすぎが影響していたと思いますし,シーズン序盤で登板過多ということもありますから,心配しています。
 同じく中継ぎのマテオさんや桑原さんは,いい展開の時は休めているのですが,抑え投手であるドリスさんは必ずしもそういう訳にもいかないようで,このペースで大丈夫なのかと思っています。
 抑え投手を代えることは勇気が要りますし,阪神の勝ち試合は接戦が多いため抑えを投入しないわけにもいかないのは当然ですが,それでもシーズン序盤のうちから何か考えておいてもいいように思いました。

 今年の阪神は,負ける時は大差,勝つ時は接戦と,今のところ強いチームが見せるような状態です。
 そのうち調子も落ちたりするのでしょうが,それでも今のこの状態をもっと楽しんでおきたいものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:28
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