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 こんばんは。


 昨日は成人式でしたが,例年荒れる成人式が良く話題になるものの,昨日までの成人式では例年よりはそのようは報道が多くなかったように思います。
 もちろん,このことは報道のされ方の問題だけかもしれませんし,ほかに報じるべきニュースが多かったために取り上げられなかったのかもしれませんが,それでも荒れる成人式という不快なニュースがあまり目に入らなかったのはいいことだったと思っています。

 そのような成人式で,とりわけ大きく問題になっていたのは,振り袖業者が成人式当日に突然行方不明になったという騒動でした。
 この件はツイッター上で話題が広がり,徐々に世間に拡散されていったように記憶しております。
 成人式当日,この業者が突如閉店して店側と連絡がとれなくなったという消費者案件に近い事件であると思っています。

 騒動の内容は,振り袖を予め購入し,成人式当日に着付け会場まで届けてもらって着付けをしてもらえるということになっていたにもかかわらず,着付け会場に着付け業者がおらず,振り袖も届いていないというもののようです。
 中には,着付け会場のスタッフや他のレンタル業者らが協力してサポートしてもらえた事案もあったり,業者の福岡の支店では従業員らがボランティア状態で業務に従事したようですが,被害者も数多くいたように思われます。
 報道を見る限りではまだ正確な被害の規模は分かっておりませんが,一般的に振り袖は十万円単位の高額な買い物であり,着付けも相当額の手数料がかかりますから,被害単価は高額になるのではと予想されます。

 報道では,この業者は債務超過状態であり,従業員にも数ヶ月にわたって給料未払いがあったこと等といわれていますが,現在は事実上事業停止状態になったようです。
 ですが,正式な会社清算手続に踏み切る等の話は出ておらず,今後この会社がどうなるのかは分かりません。

 こうなると,当然民事責任としての損害賠償請求の問題になるでしょう。
 損害の内容としては,契約代金の問題は当然のこととして,人生に一度の成人式を台無しにされたことを考えれば慰謝料も相当高額になることが見込まれます。

 ですが,問題は,この業者に損害賠償に耐えられるだけの資力があるかでしょう。
 上記の通り,成人式を迎える前から債務超過状態であり,給料未払いもあったということですから,そもそも損害を賠償できるだけの資力に欠けるのではというように思われます。
 会社だけでなく代表者等の個人責任の問題にもなる可能性もありますが,今回は被害者の数も多いと思われ,被害単価も高額とするならば,代表者等の個人資産で賄うにも限界があるでしょう。
 さらに,破産となった場合,損害賠償責任よりも滞納していた税金や未払いの従業員の給料の方が優先して支払われることから,配当を満足に受けられるかも分かりません。

 こうなると,損害賠償については,今後この業者が営業を継続する場合には可能だと思われますが,そうでない限りは被害者はほとんど金銭的な意味では救済されない可能性があります。
 そして,この業者が改めて営業を開始したとしても,もはや顧客がつくことは難しいと思われ,営業再開の見込みがどれだけあるかは未知数だと思います。

 一方,刑事責任についてですが,詐欺罪が考えられます。
 詐欺は,人を騙すつもりで騙して契約を取り付け,お金を受領する場合に成立することになります。

 今回の報道を見ている限りでは,成人式よりずいぶん前から契約した被害者の方もいるようですが,その時にはもしかしたらまだ業者は債務超過状態ではなかったかもしれず,成人式には通常業務をこなせると思っていたかもしれませんので,その場合には詐欺は成立しません。
 一方で,もはや成人式に通常業務をこなせないと理解しながら,あたかも通常業務が出来ると説明して契約にこぎ着けてお金を支払わせたのであれば,詐欺になると思います。
 そうすると,詐欺がいつの時点で成立するかどうかという一つの見極めは,業者の経済状態がいつの時点で取り返しが付かない程度に悪化していたかということになるのでしょう。

 また,詐欺は,代表者だけでなく,成人式に通常業務がこなせないことを知りつつ顧客を勧誘した従業員についても当然成立します。
 従業員の認識については,例えば,社内メールなどで上層部からもはや成人式当日には通常業務はできないと通達を受けていれば,それ以後の従業員の勧誘活動は詐欺に当たる可能性があると思われます。

 詐欺が成立する場合の量刑については被害規模の問題があるので一概に言及しづらくはありますが,上層部については重いものが予想されます。
 一方,従業員は,従属的地位にあるものの,被害額が多額と予想されることや,成人式より前の段階で被害者側に回避措置を教えられた場合にはそれをしなかったことで被害を拡大させたということも考慮されるとすれば,やはり軽い量刑とはいえないかもしれません。
 従業員が重い量刑を回避するために被害者側と示談を試みることによって被害者の経済的被害の回復は図られるかもしれませんが,その場合には給料未払いの従業員は単純に経済的損失が大きくなるばかりと思われます。

 なお,これを契機に成人式での振り袖の慣習自体なくせばいいという意見もあるようですが,私はまだその意見については賛同していいのか何とも言えません。
 確かに成人式にいい衣装を着ていくという固定観念自体に意味があるのかという考えはあるかもしれませんが,一方でその古くからの固定観念が重要であると考えている人も多くいるように思います。
 また,今回の問題ある業者のために騒動は起こりましたが,多くの業者は懸命に成人式を盛り上げようと尽力していたわけで,ごく一部の業者が問題を起こしたことで成人式への慣習そのものを否定するのは行き過ぎなようにも思えます。
 この点は私はまだ結論を持っていないので何とも言えませんが,一つの事件の発生で結論をすぐに出そうとするものでもないように思いました。

 いずれにせよ,この問題はこれからもっと大きく展開していくのだろうと思います。
 また,この件のために,成人式の振り袖業者との契約が,いかに信頼に基づくものであるか,逆に言えば信頼がなければ契約し得ないものなのかがよく分かったように思われ,少なくとも同種業者は顧客に不安を持たれないように来年以降は契約の仕方等を変えたりするようになってきそうに思います。


 亡くなられた星野さんが,阪神の江越さんを起用せよという話をしていたという記事を見ました。

 確かに,江越さんは,走と守においては素晴らしく,攻についてもバットが球に当たれば飛ばせる力を持っており,非常にロマンを感じる選手です。
 後はバットを球に当てられるかが問題で,それを克服するためにいろいろと試行錯誤しているところであると思います。
 私も,江越さんの打率が改善されてくれれば,阪神打線の中軸が一気に厚みが出ますし,守備面でも安定すると思っています。

 問題は,江越さんのバットがなかなか球に当たらないこととなります。
 星野さんは,これについて,我慢強く一軍で起用し続けて育成してほしいと考えていたということです。
 私もその考えには基本的には賛同なのですが,江越さんの昨季の打率は二軍でも1割台と低いといわざるを得ないものであり,他の成長株の選手を尻目にスタメンポジションの一角を割くことには若干の抵抗がなくはありません。
 江越さんの打率については,掛布さんもずいぶん尽力していたようですが,なかなか成果が上がらず,今季こそと思っていたところでしたが,果たして秋季キャンプを通じて今はどうなっているのでしょうか。

 江越さん自身もずいぶん苦しんでいますし,まして星野さんの意向となれば奮起しないわけにはいかないと思います。
 スイッチヒッターに挑戦するなど,本人も努力をしているところではあるのですが,それでもまだ目に見えた成果が出ていないことは本人にも焦りがあるように思います。
 とはいえ,これだけの力のある選手なだけに,本当にロマンの塊ですから,今季は何とかものになってもらいたいと心から願ってやみません。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:28
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