こんばんは。
今日のニュースを見ていたら,ドイツで,同僚の給料を知る権利を従業員に与える法律が施行されたというものがあったので,取り上げてみました。
この法律は,同様の内容の業務をしている異性の同僚の賃金を知る権利を従業員に与えるというものです。
目的は,賃金体系を透明化させて女性の賃金が同僚男性よりも低いかどうかを確認する術を与えるということです。
これによって,女性達による賃金引き上げ要求の気運が高まり,法的措置への道も開ける可能性があるということです。
男女の賃金格差の是正ということ自体は私も賛成です。
合理的理由のない差別はどうかと思いますし,職種によって男女の向き不向きはあろうものの同じ内容の業務で同じ内容の成果を上げているのであれば,賃金格差をつける場合に理由付けを求めること自体はその通りだと思います。
一方,同僚の賃金を知る権利を認めるというのはどうなのかなと思います。
まず,賃金というのはプライバシー情報の中でも相当高度なものだと思いますが,この法律はそれを侵してしまうのではという懸念があります。
例えば頭数の多い職場の中で同じ職種の従業員の男女別での給料の平均値を教えるということであれば,特定の個人のプライバシーを侵すことはないと思います。
一方で,個人を特定して賃金額が判明する場合,その人の生活規模等が丸裸になってしまいますから,その人が高価品等を購入すれば貯金が残り少ないだろうと想像されてしまいますし,非常に息苦しい空間なのではと思います。
次に,男女の賃金格差の是正が目的としつつも,単純な好奇心での情報開示があり得なくはないように思えます。
そうすると,例えば仕事の能率があまり良くない人について情報公開され,やはり勤務評価が悪かったという話が分かれば,そのこと自体が差別を助長するのではという気がします。
ほかにも,例えば誰が出世するかということを知る手っ取り早い手段として使われ,足の引っ張り合いを助長するのではと危惧されたり,思いつく限りでもいろいろと弊害があると思います。
それらの危惧を考慮しても男女の賃金格差の是正を行うべきということでこの法律が制定されたのだろうと思うのですが,私はやはり日本ではこういう法律はない方がいいとは思います。
ただ,情報開示請求というのは弁護士にとっては有力証拠を集めるための大事なツールの一つであり,もしも日本でそのような制度があれば何らかの証拠集めのために使ってもらったりということは考えられるかもしれません。
もしかしたらドイツの法律はそういった目的外使用を禁じるような規定があるのかもしれませんが,いずれにせよ情報をどのように使うかは別として情報にアクセスできる権利があるというのは証拠集めという意味で考えると有用だとは思いました。
昨日,阪神の金本監督が野球殿堂入りすることになったと発表されました。
現役時代を見てきた私としては,数々の記録を打ち立てたばかりか,弱小阪神を強豪チームに変貌させて野球人気を盛り上げた功績は言葉に表せないものが多くあると思うと,殿堂入りは当然の結果だといわせてもらいたいと思います。
金本監督はまだ49歳であり,監督の功績も含めて殿堂入りをさせてもらいたいと思うと,選手としての功績だけで殿堂入りはやや早いのではという気もしますが,これまでの功績だけでも文句のない殿堂入りでしょう。
金本監督自身,自分がもっとも誇れる記録は連続フルイニング出場でもサイクル安打でもトリプルスリーでもなく,1002打席連続無併殺だということです。
私も,この記録はとんでもないものだと改めて実感します。
併殺を避けるためには一塁に極力早く到達する必要があり,そのためには足の速さが必要なだけでなく,常に全力疾走をする必要もあります。
これだけの大選手が,併殺を避けるというために一塁まで全力疾走をしたということは,他の選手は当然手を抜くことなどできませんし,その影響力は大きかったと思います。
こうした能力の高さよりも野球に向かう姿勢のひたむきさが積み重なってチームを引っ張っていって,弱小阪神が競合となり,ファンも付いてきて,野球人気が盛り上がったのだと思います。
今回の殿堂入りが早かったと書きましたが,どうせいつかはもらうものでしょうから,それが後か今かというだけの違いであれば別に今殿堂入りになったとしても何ら問題はないとも思います。
とりあえず,金本監督の現役時代に立ち会えて私は本当に幸運だったと改めて思いました。
また思いついたら書きます。ではでは。
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