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 こんばんは。


 昨日,日大アメフト事件における,有力証拠とされた部員の証言について真実ではないという話をしているという記事を取り上げました。
 それを受ける形かどうかはわかりませんが,今日の記事では,日大アメフト部前監督が,懲戒解雇は無効であるとして提訴したというものがあったので,取り上げてみました。

 内田前監督は,悪質な反則行為を指示したことは否定したものの,その責任をとって監督を辞任しました。
 その後,日大の第三者委員会において,反則行為は前監督らの指示で行われたと認定され,大学から懲戒解雇処分を受けました。
 この第三者委員会の判断の再,現場にいた部員の証言などを有力な証拠として前監督らの指示を認定したわけですが,その証言をした部員が「タックルをした選手を守るために実際に聞いていない証言をした」という趣旨の話をしたということでした。
 そして,前監督は,懲戒解雇について無効であるとして東京地裁に提訴したということでした。

 まず,この裁判の最大の争点は,懲戒解雇に相当する理由があったかですが,その理由は懲戒解雇と判断した根拠がどのようなものだったのかということにあるかと思います。
 これまでの報道を見ている限り,前監督らの指示によって選手は悪質な反則行為をさせられたことが懲戒解雇理由となっているかと思いますが,そうすると結局前監督らが当該選手に対して悪質な反則行為を指示したと認定できるだけの証拠があるかどうかが問題だと思います。

 ここで,これまでの記事を見る限り,第三者委員会の認定根拠となる有力な証拠が,例の部員の証言だとすると,この認定の根幹が崩れる可能性があります。
 昨日の記事でも書いたとおり,供述証拠は物証と比べてそれを頼りにして進めてしまうと後で問題になることも多く見られますが,もしも第三者委員会の認定がこの供述証拠頼みだとすると,これ以外の他の証拠がどのようなものがあるのかというのがこの裁判でもっとも問題になることと思います。
 例えば,録音録画や,他の供述証拠等が挙げられるかと思いますが,そうしたものと,今回証言内容を撤回する可能性のある部員の証言内容がどこまで食い違うのかということを検証しないといけないと思います。

 結局第三者委員会の認定に至までの証拠構造がどのようなものだったのかが問題だと思いますが,それは外からはわからないので,この記事だけでは前監督の勝訴見込み等はわかりません。
 ただ,この裁判は,あくまで懲戒解雇を無効とするものであって,仮に前監督が勝訴したとしても直ちにアメフト部監督に復帰するというものではありません。
 前監督は,あくまで自分で辞任していますから,アメフト部監督に就任するには再度選任されないといけないということだと思います。

 懲戒解雇前の地位がどのようなものかはわかりませんが,年齢との関係で定年の問題はあったりするのでしょうか。
 なぜそれを気にするかというと,裁判を行う利益が前監督にあるかということを思ったからです。
 前監督にしてみれば,もしも誤った認定の下で懲戒解雇となれば,名誉が著しく傷つけられるのですから,それを回復するためにも懲戒解雇が無効だという結果がほしいと思います。
 ただ,この件が報道されていておわかりの通り,半年前に物議を醸したこの事件は今また注目されつつあります。
 前監督は,マスコミの注目を浴びたがために厳しい地位に置かれたことは明らかであり,今回提訴したことによってまた注目,特に批判も浴びる状況を作ってしまったのではとも思います。
 そう考えると,名誉の回復ということはもちろん大事であるものの,懲戒解雇を無効としてその先に受ける利益がそれなりに見通せなければ,この裁判を行う利益があまりにも想定しがたいようにも思えます。
 この辺りの計算が前監督の中でどのようなものなのか,それが私にはいまいちわかりかねます。

 裁判の終わり方は,判決のほかに和解という形もあります。
 そうすると,今後の主張立証の展開如何によっては,例えば,ある程度裁判が進んだところで,日大側が和解して前監督をやはり大学に受け入れるという可能性もなくはありません。
 それはどのような意図で当事者が裁判を進めるかによって変わってくるため,今のところどのようなことになるのかはわかりません。
 ただ,いずれにせよアメフト部はこの裁判と関係なく活躍していってほしいとは思います。


 FA宣言選手がコミッショナーから公示され,阪神は西さんの獲得に乗り出すことを正式に表明したということでした。

 西さん獲得の方針については,中日さんが手を引いたという報道があったので,事実上はソフトバンクさんとの一騎打ちでしょうか。
 正直言って,ソフトバンクさんと条件闘争をした時に勝ち目がないように思えるのですが,西さんはヤフオクドームでの防御率が良くないため,その点はソフトバンクさん移籍に躊躇いを覚える要素でしょうか
 ただ,それはソフトバンクさんの打者が苦手なだけだとすれば,むしろソフトバンクさんに移籍すればその苦手から避けられるという意味で利益になるとも解釈できます。

 阪神の場合,同じ関西ということで,生活状況がほとんど変わらないことはメリットでしょう。
 しかし,ファンが強烈すぎて,その重圧から,一度調子を崩すと復帰が難しいというのは,他球団に比べてその要素が強く,その点は躊躇わせる要因になるでしょうか。
 ただ,先発の選手層があまり厚くないため,阪神に来れば当面ローテーション投手として活躍できるというメリットもあると思います。
 関西随一の人気球団だけに,そこでの活躍の注目度はこれまで受けたことがないようなものとも思いますし,それを魅力に感じるかどうかも問題だと思います。

 今は様子を見るしかないですが,それと同時に皮算用ではあるもののプロテクト選手も想定しないといけないこととなり,なかなか忙しいと思っています。

 ちなみに,阪神の大砲補強ですが,中田翔さんの戦はなくなったようですから,やはり新外国人頼みということなのでしょう。
 ロサリオさんは,素材として悪くはないと思ったものの,契約しないことにしたわけで,正直言ってもったいないと思いました。
 ただ,素材だけでなく,日本野球にどれだけ馴染めるかということが非常に大事だということが今季はよく勉強になったと思うので,その点を踏まえて,今度はもっと打率の上げられる大砲を獲得してもらいたいものです。

 ナバーロさんは残留のようですが,個人的にはいいことだと思います。
 大砲ではないものの,それなりに打率を上げていましたし,いいところで打って打点も稼いでいましたから,今の阪神にとってナバーロさんと契約しないでいいと考えられるほどの余裕はないと思います。
 阪神の需要と必ずしも完全には合致しないものの,かといって貧打の阪神がナバーロさんで不服をいうのは贅沢というものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:12
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