こんばんは。
今日の記事を見ていたら,アニメ監督の山本寛さんが債権者破産を申し立てられて,破産手続が開始したというものがあったので,取り上げてみました。
山本寛さんは,著名なアニメ監督で,いくつも有名な作品を手がけているそうですが,残念ながら私はタイトルはよく耳にしたことがあるものの,見たことはありません。
ただ,山本さんは,よくネット上で話題になっており,そういった意味では名前を何度も見たことがあるので,そのような著名なアニメ監督が破産とはこれいかにと思って記事を見ていました。
そうしたところ,債権者破産であるということが書いてあり,珍しい制度が用いられたと思ったので,取り上げてみた次第です。
債権者破産は,自己破産とは異なり,債権者,例えばお金を貸している人が借りている人を破産させる手続です。
この手続は,他人の手によって破産させられてしまうという手続で,何らかの債権が存在するにもかかわらず,債務者側に確認する限りで支払えるだけの財力がないという場合に用いることができるものです。
相手を破産させられるのであれば多くの人が利用したいと思うところですが,この債権者破産を気軽に申し立てられない理由があります。
それは,債権者破産を申し立てる人は,開始決定が下りた際,裁判所に予納金として100万円超のお金を納めなければならないという点です。
債権者破産でも,破産手続が始まれば,全債権者は法律の規定に従って平等に取り扱われることになり,申し立てた債権者だからといって優遇されず,配当は債権額に応じた額に止まります。
また,財産がないという場合に破産が申し立てられるのですから,裁判所から選ばれる破産管財人が債務者の財産を調査してある程度発掘が出来る可能性があるとしても,債権の全額を回収できるケースは多くはなく,場合によっては裁判所に納めたお金を下回る額だけの配当しか受けられなかったということも少なくありません。
このように,債権者破産では,債権者が高額の予納金を納めることを要求されますが,一方で破産手続の結果としてその予納金に達しない額しか配当を受けられないということも多いため,経済的な合理性を欠く可能性のある制度ということになります。
それゆえに,債権者破産は,申立件数も少なく,利用したいと思う人は,債務者に対して何らかの強い感情を持っている人,管財人の徹底調査によってお金を回収したいという強い気持ちのある人,コンプライアンス等の関係から処理をしなければならないと考える人,貸金について税務処理上で法的手続を行うべき人などに限定されることになると思います。
また,破産手続によって資格が停止されてしまうような人に対する制裁措置としての位置づけとして債権者破産を考える人もいるように思われます。
今回のケースで,なぜ,申立がなされたのかは記事からもわかりませんが,何らかのトラブルがなければこの申立に至ることはあまりないと思います。
その上で,債権者破産が申し立てられた場合ですが,うち一定数は破産開始決定まで行かずに終わります。
というのは,申立がされた後,まず裁判所で,裁判官と債権者,債務者で面接を行うことが一般的になされます。
その段階で,裁判所は,債権者の言い分を確認し,債務者側にその支払を行うことは出来るのか,分割払いではどうなのかなどを聞いたりして,和解の道を探ったりします。
そして,もしも裁判所が間に入る形で和解が成立すれば,債権者側は申立を取り下げて,債務者から何らかの支払を受けるということが多く見受けられます。
このケースの場合,債権者としては,破産手続が始まれば予納金相当額を回収することすら困難になるところ,和解が成立することで支払を受けられるならば経済的に合理的な結論に至れます。
また,債務者の立場としては,破産を回避できるという強いメリットもありますし,もしも一定の破産手続による資格停止処分を受ける可能性のある資格で仕事をしている人にとっては破産手続を避けないと職を失うことにもなってしまうため,死活問題となります。
そのため,この段階での和解は非常に重要であり,債権者破産のうち一定数はこの段階で取り下げられて終わるのですが,今回はそうではなかったようです。
記事を見る限りでは,債権者が一括払いを要求し,それが難しいということで破産開始決定に至ったということのようですが,債権者が一括払いにこだわった理由は多岐にわたると思われ,こればかりは何とも言い難いところです。
なお,記事を見ている限り,山本さんは,クラウドファンディングで集めたお金でアニメ映画を作成中だということですが,この集めたお金は山本さんではなく会社が管理しているものということです。
法律上,破産の対象となる財産は,破産開始決定時の山本さんの財産であり,会社の財産は対象とはならないので,この説明が正しいのであれば破産手続によって集めたお金が持って行かれてしまうということは亡いのだと思います。
また,この映画の収益ですが,破産の対象はあくまで破産開始決定時の財産であるため,その後に生じた収益は対象とはならず,この映画が当たった場合の収益も破産で問題にされるものではありません。
債権者破産は,破産者本人の意に沿わずに破産手続が始まることから,一般的には破産者の協力が得にくいものではありますが,今回は山本さんに弁護士が付いていて早期の段階から声明を出していますから,非協力的ということもないのでしょう。
ご本人としても破産手続を早期に終了させることにメリットが大きいと思うので,なるべく早めに終われるように協力して進めてもらえたらと思いました。
今日の記事を見ていたら,阪神藤浪さんが,囲み取材中に,近くにあったテレビの競馬中継に釘付けになっていたというものがありました。
藤浪さんは,武豊騎手の大ファンだということですが,記者は,競馬中継を見ていられる立場ではないだろうと思ったということでした。
この記事を見ていて,藤浪さんが武さんを見ていたとしても別にいいだろうと思いました。
確か,藤浪さんは,オフに,武さんの元を訪れて,体幹トレーニングを行ったという記事を見たことがありますが,それだけ藤浪さんと武さんは関係のあるもの同士だと思います。
そういった関係にある藤浪さんが,武さんが乗る馬の走りを見たいと思うのは当然だと思いますし,私ですら知っているこの知識を記者が知らない人は少ないでしょうから,記者達は武さんの騎乗中は取材を一旦中止してみんなで競馬中継を見るくらいの配慮があってもいいはずとすら思いました。
自分の知人が出て関心のある中継を見たいというのに,それを見ていたら「今の自分の調子を考えたら,それどころではないだろう」といわれるのはまさに余計なお世話というように思いました。
藤浪さんの不調の原因について色々といわれていますが,もしもその一端にメンタルの件があるならば,こういった周囲の些細な声の積み重ねがあるのではというように思います。
確かに,藤浪さんは,阪神という人気球団の中の看板選手ですから,ある程度自由が制約されることも致し方ないとも思いますが,それでも不調の原因について皆があれこれ思いを巡らせている中,それを理解しつつ,その原因となりうる行動をとるのはどうかと思います。
個人的には,多くの記者は背景事情も知っているのでしょうから,そのくらいいいじゃないという配慮を見せられれば,藤浪さんも多少改善する可能性もあるのにと思いました。
また,この記事を見ていて,このくらいでもいろいろといわれてしまう藤浪さんを考えると,皆が気づかないところでもっと色々なプレッシャーがあるのだと思いますし,おそらくかなり苦労しているのだろうなと思いました。
また思いついたら書きます。ではでは。
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