こんばんは。
今朝から,読売の選手が公式戦で金銭授受という問題が取り沙汰されております。
その詳細についてはいろいろなところで述べられているので,ここでは割愛しますが,この件を聞いた感想は「やはり」という程度のものでした。
というのは,昨年の笠原さんらの問題が発覚した際,読売の調査報告で,麻雀,トランプ,高校野球などで賭博が行われていたということが公表されており,正直言って今回の件はその延長線上にあり得る問題であろうと思ったからです。
ただ,この問題が他の賭け事と異質なのは,自分の出場する試合自体が賭の対象になっていることでしょう。
すなわち,プロ選手は勝つために試合に臨むものですが,この賭によって負けることによって利益を享受することができるという点です。
勝負に勝つことは難しいですが,負けることは難しいことではないですし,それだけに自分の出場する試合が賭の対象になるとすれば別の賭け事とは全く別の,極めて深刻な問題であろうといえます。
今回の件について,NPBは,昨年11月に把握しつつも,選手の拠出金が1試合当たり5000円と,プロ野球選手としては少額なため,八百長や敗退行為にはつながらないという判断をした上で,野球協約に禁止されている行為に当たらないと判断したそうです。
この点,NPBとしては,これを賭博ではなく,社会的なコミュニケーションの一環というようにとらえたということでしょう。
また,この判断の裏には,これを問題にしてしまえば,読売球団に所属する大半の選手が違反することとなってしまうため,それを避けるべく敢えて協約に違反しないと解釈したのではないかとも思われます。
確かに何でもかんでも金が絡んだ際に違反ととるのは萎縮ということになろうかと思いますが,一方で今回の判断は非常に基準が曖昧だともいえます。
すなわち,金額が安いからお目こぼしされたということであるならば,いくらならば許されていくらならばだめなのかということが分かりません。
もちろん,八百長や敗退行為で得られる利益と失う額を比較して,5000円であれば失う額の方が大きいと考えたといい比較考量が背景にあったのだと思いますが,毎試合これを行っているとすれば1回の掛け金が10万単位にまで及んでしまえば,高額年俸の選手でもなければ敗退行為に及んでしまうことも懸念されることになるでしょう。
また,この金額までであれば賭け事も許されるという逆説的な解釈をする者が出てきても仕方がないと思います。
NPBは,金銭授受については,野球協約に違反しない者の,金銭授受を全面禁止と厳しく通達すると述べていました。
ですが,協約違反ではないのに通達とは,結局モラルを守りなさいという程度のことなのでしょうか。
だとすれば,結局このような行為を裏で続ける人は続けると思いますし,それが発覚しても道徳的によくないという批判がなされるに止まるだけということでしょうか。
その批判に何の意味があるのかということにもなってしまうように思います。
個人的には,この金銭授受も八百長や敗退行為につながる可能性はあったと思います。
NPBの理屈や考え方もある程度理解はするものの,結局賭け事が野球界に蔓延しており,その延長線上に今回の件があったと思います。
私は日頃破産者などを見ていますが,彼らは初めから大きな金額をかけたりしません。徐々に賭け金が大きくなっていくのです。
おそらく,初めは賭け事をするかどうかについてある程度の逡巡があったと思いますが,一方一度そのハードルを越えてしまうと金額のハードルは割と簡単に越えられてしまうように思います。
そうすると,少額でも自身の出場する試合に関する賭け事を許せば,結局そこから多額の賭け金が絡む八百長行為や敗退行為につながることとなったでしょう。
そして,そのように一般の野球ファンはみな心配すると思います。
この件については,説明をする人によって色々と情報が様々あり,結局今のところ正しい事実関係のすべてが見えてきておりません。
また,他球団も大なり小なりこういったことがありそうで,そのようなことがファンの野球離れを加速させる要因につながりかねないと思います。
個人的には,野球協約に違反するかどうかは別として,賭け事であってかつ大規模化する可能性がある以上,警察権力による捜査がきちんとされないともはや誰かが物事を隠していると邪推され続けてしまうことになるだろうと思います。
特に,NPBの理屈の調査に協力しない者が散見され,そのために全容解明が進まないということであれば,ある程度強制捜査権をもってして解明しなければ本当の問題点に到達することはできないのではないかと思います。
国民的娯楽であるプロ野球にそのような権力が介入することは本来なじまないことですし,そういうことはあってほしくないと思いますが,このように小出しに問題点が発生し,そのたびに責任があったかどうかという話が生じるくらいであれば,もはや早い段階ですっきりさせてもらいたいという気持ちが強くあります。
また思いついたら書きます。ではでは。
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