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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら,大沢樹生さんの親子関係不存在訴訟の判決が確定したというものがあったので,取り上げてみました。

 この裁判は,大沢さんにおいて,元妻である喜多嶋舞さんとの間の子供が実子ではないということを主張して,その親子関係の不存在を確認するための訴訟が提起されたという事件です。
 一昨年の11月に東京家裁において,大沢さんの主張を認める旨の判決が下されたということですが,被告である子供側が判決を受け取るまで時間がかかったため確定が遅れたということでした。
 大沢さんの主張を認める判決が下された理由としては,子供の出生時期の問題のほか,大沢さんが生物学的に父親ではないことを示すDNA型鑑定結果があったということでした。

 私は,親子関係について疑義があるというお父さんの依頼を受けたことが何度かありますが,この手の問題は非常に難しい面があります。
 まず,この種の事件の特質としては,母側が自分の子供であることを否定することはなく,父側が母のかつての不貞を疑って自分の子ではないと主張するパターンの事件が主となります。
 そうすると,この種の事件を相談から前に進めようとする場合,必ずといっていいほど妻側を攻撃する意図を前提にしていることとなり,妻側との深刻な対立が生じることを覚悟する必要があります。
 また,この種の事件を進めるとなれば,当然それまで自分の子として扱っていた子供との仲も完全に破綻してしまうこととなりますので,家族の破綻というものを覚悟した上で行う必要があるのです。

 この種の事件を解決する手段としては,本件でも採用されたDNA型鑑定を用いることがもっとも効果的であると思います。
 DNA型鑑定ですが,実はある程度お金を支払えば,別に裁判手続などを経る必要もなく,民間で行うことができます。
 私も,過去に,裁判になる前にDNA型鑑定を民間業者に委託して行ったということがあります。
 ただ,DNA型鑑定というその人の個人情報の最たるものを明らかにするものである以上,そこで手に入れられる情報の取り扱いについては非常に厳重になすべきとされております。
 それだけに,通常は,DNA型を調べたいと考える当事者の両者の真摯な同意がないと業者も受け付けてくれないケースが大半だと思います。
 ですから,例えば,相手方の髪の毛を保管して,それを業者に持ち込んで鑑定を行ってもらうというのは基本的に困難であると思われます。

 DNA型鑑定の難しいところは,結果として親子関係がないとされた場合,家族の人間関係が破綻してしまうことでしょうか。
 それは,母が不貞を行っていたということを端的に示す事情であると思われ,子供は母に対して不信感を抱くでしょうし,父に対してはもはや父と呼べる存在ではなくなるわけですから,子供にとってよりどころを消失してしまう結果となろうかと思います。

 一方,DNA型鑑定の結果として親子関係があるとされた場合でも,父が母の不貞を疑い,子供に対しては自分の子ではないと疑っていたという事実のみが残りますから,もはや父は母・子との間で元の関係を修復することが極めて困難な状態になることでしょう。

 DNA型鑑定については,裁判上の手続でも行うことができます。
 ですが,裁判手続であったとしても,DNA型鑑定を行うことについて当事者双方の同意がないと実施されず,一方がDNA型鑑定を拒否し続けることは不可能ではありません。
 刑事事件であれば,警察において証拠物のDNA型鑑定を行うことはあり得ますが,民事家事事件においては裁判所の手続であったとしても強制的にDNA型鑑定を行うということは難しいです。
 現に,私が聞いたケースでは,認知請求事件において,DNA型鑑定を拒否され続け,その説得をするために裁判手続がずいぶん長引いたというものがあると聞いたことがあります。
 そして,最終的にDNA型鑑定ができないとした場合,その他の証拠関係をもって判断がなされるということもありますが,その際にDNA型鑑定を拒否し続けたということについて特に合理的な理由がなければ,その拒否の事実自体が不利益な事実として認定される可能性はあろうかとは思います。

 本件では,DNA型鑑定がなされ,その結果も生物学的に父ではないとされたとなれば,基本的に裁判所は親子関係を不存在という判断を下すと思われます。
 これを覆すとすれば,この鑑定で採取した検体に問題があるとか,鑑定方法に誤りがあるとか,そういったことになろうかと思いますが,裁判所で行ったDNA型鑑定であれば基本的にそのような疑義が生じる可能性は低く,そのような反論がされたとしても認められることは難しいと思います。
 本件において子供側から控訴がされなかったのは,もしかしたらDNA型鑑定結果を覆すに足りる証拠関係を準備できそうもないと考えたからなのかもしれません。

 本件の判決は言い渡しから確定まで1年以上を要したとのことですが,これは控訴期間が判決を受け取ってから14日というルールのためです。
 判決受け取りに時間がかかるケースはそれなりに見ますが,訴状時点では居場所は分かっていたにもかかわらずこれだけかかるというのは珍しいと思います。
 というのは,判決の受け取りが遅れる場合,通常は訴状の受け取り自体も遅れることが多いからです。
 本件でどのような事情があったのかは分かりませんが,1年以上も時間がかかったのですからなかなか大変なことがあったのでしょう。

 この種の事件の相談はそれなりにあるのですが,やはり毎度切ない思いをするものです。
 家族崩壊の危機はあるものの,かといって自分の子供ではないかもしれない子供を養っていくそのつらさもあるわけで,私としてはこの種の事件を進めたいという気持ちを間違っているとかそのように考えることは毛頭できません。
 ただただ,難しい事件だと思うばかりです。


 今日の阪神ですが,オリックスさんとのオープン戦について,5−3で見事勝利を収めました。

 上本さんの8打席連続安打に,高山さんのツーランホームランと,若手中心にもかかわらずよく打てたと思います。

 また,小野さんは4回で自責点1とまずまずの仕上がりだったと思います。
 ただ,小野さんをこのまま起用していくには,まずは制球力を医学必要があるということがよく分かり,即一軍とするのではなく,まずは2軍で育成することから始めた方がよいのではないかと改めて思いました。


 WBCについては,今日のキューバ戦も接戦で面白かったです。
 
 最後の最後で内川さんと山田さんの打撃で勝ち越しを決められましたが,それまでのシーソーゲームも見所満点でした。
 今日は,期待していた菅野さんが打たれてしまい,正直言って先日勝てた慢心もあってここまでキューバが強かったかと実力を見誤っていたという感は否めませんでした。
 しかし,筒香さんや小林さんなどの打撃で何度点をとられても追いつき,最後は逆転するという,展開から見ても非常に爽快感のあるものでした。
 また,MVPというべき選手が毎試合異なるのは,それだけ人材が厚いということを示しており,皆がレベルの高い選手であるということを改めて思うところです。

 普段阪神の野球を見ていると,貧打にあえぎ,投手が最少失点に抑えて打撃が時たま点を入れるのを待つという展開が多いのですが,WBCの選手は粘り強く食いついていってシーソーゲームを演じてくれるので,もしかしたらこれが私が知らない野球のおもしろさなのではと思ったりもしました。
 そのことは,うれしくもあるのですが,シーズンの阪神の貧打を改めて実感する瞬間でもあり,悲しくもあります。
 阪神もこのくらい点をとって食らいついてくれるといいのですが,各球団の粋を集めているチームである以上,この悩みは各球団が抱えているものと同じかもしれません。
 そして,今後この選手達が敵になるのかと思うと,非常に不安にもなってきます。

 明日のイスラエル戦も勝って,勢いに乗って準決勝に進んでくれたらと思っています。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(1)  | trackbacks(0) | 23:39
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