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 こんばんは。


 先日FA権を行使して移籍した大和さんの人的補償が注目されていましたが,本日人的補償が尾仲さんと決定したという記事を見ました。

 正直言って,私は尾中さんがプロテクトリストから漏れるとは思っておらず,意外であるとともに,非常に有益な人的補償になったと思っています。

 世間で想定されていたプロテクトリストでは,私がいろいろと確認した限りはほとんどのもので尾仲さんはリストから漏れていなかったと思いますが,それだけ尾仲さんはファンの間では期待されていた選手だったと思います。
 昨日横浜さんから阪神宛にプロテクトリストが届いたという記事を見たところで,翌日には尾仲さんに決まったという記事を見ましたから,阪神としても尾仲さんレベルが漏れていたのであればほぼ即決というレベルの選手だったと言えると思います。
 私から見ても,以下に述べるように尾仲さんは今後が大いに期待できる将来性の高い投手だと思いますし,人的補償が尾仲さんという記事を見た時には率直に信じられませんでした。
 尾仲さんが漏れていたとすると,一体誰が入っていたのか,そのリストを見てみたいと思うほどですし,横浜ファンの中では信じられないという気持ちなのではないでしょうか。
 阪神でいえば,才木さんや竹安さんがとられてしまうようなもので,もしも私が横浜ファンであればそんな馬鹿なという思い出いっぱいになるのではないかと思います。
 現在の阪神の中継ぎ投手陣は,他球団と比べて若手投手が充実していますし,横浜さんとしては敢えて中継ぎ投手にいかないだろうと予想してプロテクトリストから尾仲さんを漏らしたのかもしれません。
 しかし,阪神は,かつてプロテクトリスト漏れの鶴岡さんを獲得していったこともあり,自身の需要のほかに相手球団のダメージも考慮して獲得する傾向がありますから,その点は残念ながら横浜さんが軽率だったというべきでしょう。

 尾仲さんは,去年のドラフト6位のルーキーで,右投げ左打ち,身長は日本人の平均程度でプロ野球選手の中では小柄な選手だと思います。
 速球は150キロ,変化球は落ちるスライダー等を駆使し,今年のキャンプでは持久力を見せていてスタミナもそれなりにありそうな選手です。
 今季は,2軍ではほぼ敵なしという活躍をし,3連発で勝利した試合では勝利を挙げてその名を聞くようになりました。
 速球と落ちるスライダーでの三振をそれなりにとれる投手ですが,一方変化球のコントロールはやや問題があるように思えます。
 また,今季の一軍登板は主に中継ぎでしたが,登板した回は150キロの速球を勝負できるものの,回跨ぎをした際には打たれてしまう傾向にありました。
 そのように,速球はそれなりに通用すると思われますが,落ちるスライダーの制球力に課題があり,回跨ぎはやや不安というように,現時点でも1回限定の中継ぎ投手としては十分即戦力として期待していい投手だと思います。
 一方,先発投手としてはまだまだ磨かねばならない要素が多く,総じて見れば素材型というべき選手だと思います。

 阪神としては,今季の中継ぎには桑原さんを多用しすぎていましたし,来季の桑原さんの負担を少しでも軽減するために尾仲さんを中継ぎ起用することは有用な考え方だと思います。
 おそらく現時点の実力でも尾仲さんは十分阪神の中継ぎ投手の一翼を担うことはできると思いますし,そのような起用方法は尾仲さんに一軍での経験を多く積ませることができるため,早く開花してくれるのではないかというように期待できるかもしれません。

 ですが,尾仲さんのスタミナと力ある速球,ほどほどの制球力,キレのある落ちるスライダーを考えた時,将来の先発投手として育成することがもっとも有益であるように思えます。
 その場合の課題は,使える変化球を増やすこと,変化球の制球力を上げること,回跨ぎしても安定した投球をできるように調整することだと思います。
 今季は主に中継ぎとして活躍していたため,先発型に移行するにはある程度期間をかけた調整と育成が必要なように思えますが,そうまでしてでも尾仲さんは将来大成する可能性を秘めた投手であると思っているので,その価値はあると思います。
 ですから,短期的には中継ぎ投手として起用することがチームの利益になるところではありますが,長期的な視点を持ってまだ若い尾仲さんを本当の意味でチームの柱とするのであれば先発投手としてこの素材を育てることが重要なのではないかと思います。
 そして,これまでの投手の育成実績を持つ阪神であれば,その育成は十分可能であると思っているので,私は是非とも来季の半分くらいまで育成に充てたとしても尾仲さんを先発投手として育成し,将来的にローテーションの一翼を担ってもらいたいと思っています。

 とにかく,そのくらい私がいうだけ尾仲さんはよい選手だと思いますし,そのような選手がリストから漏れていたというのはにわかに信じがたく,それゆえに阪神首脳陣も即決したのだろうと思います。
 阪神にしてみれば,短期的視点を考えれば守備の名手である大和さんを失ったことは痛手だったと思いますが,長期的視点で考えれば将来のエース候補を獲得できたことは十分意義のあった人的補償だったと思います。

 先日ロザリオさんの獲得が決まった趣旨の記事を見ましたし,これで阪神の来季の布陣がおおよそ固まりました。
 阪神の課題だった右の長距離砲は大方これで問題なくなりましたが,先発のコマ不足はまだ解決しておらず,キャンプの状況等を見ながら検討するということになるのでしょう。
 また,大和さんの抜けた後の守備ですが,糸原さんはまだショート守備を安心して任せられるレベルにあるとは思えず,できれば北條さんが出てきてもらいたいものです。
 セカンドは原則上本さんなのでしょうが,そうなるとサードは鳥谷さんが出場するでしょうから,大山さんをどこで起用するのかは大いに問題になるでしょう。
 外野は,糸井さんと福留さんは原則的に起用されるものの,ベテランゆえに休み休み起用するのでしょうし,そうなると中谷さん,高山さん,俊介さんらがポジションを巡って争っていくことになるでしょう。
 そういった構図が大方見えてきて,まだ先ではあるものの徐々に来季が楽しみになってきました。
 つい二ヶ月前に阪神の野球は終わったにもかかわらず,早くも阪神の野球が見たくなってきている今日この頃です。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | 阪神タイガース | comments(0)  | trackbacks(0) | 21:59

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