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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,石破地方創世担当相が,プロ野球の16球団拡大構想について前向きな姿勢を示したというものがあったので,取り上げてみました。

 石破大臣は,15日の衆院予算委員会で,16球団拡大構想について,「なぜ球団を増やせば地域創世,若い人達の夢,地域貢献につながるのか,政府として検討する」と述べたそうです。
 また,この際「官主導ではなく,民主導だ。政府がいったからそうなるものではない。」とも語ったということでした。

 16球団構想ですが,まずチームを増やすとしたら,試合の組み合わせ等の都合を考えれば,16球団となるのでしょう。
 また,16球団となれば,現在の2リーグ制から4リーグ制への移行も検討されると思います。
 そうなれば,今まで見てきたプロ野球よりも,いろいろな角度からものを見られるようになるかもしれませんし,ある意味楽しみも膨らむかもしれません。

 一方,個人的には実現できるのかという疑問があります。

 そもそも,プロ野球は,かつてよりも人気が低下しているといわれて久しいですが,数を増やしてその分運営ができるのでしょうか。
 昨今はテレビ放映もほとんどなくなってしまいましたが,各球団ともに収益をどうやって上げるか四苦八苦しているところでテレビ放映のライバルを増やしてうまくいくのだろうかと思ってしまいます。
 企業が運営する以上,利益が出ないといけませんが,それは今は時期が悪いのではという気がしてなりません。

 プロ野球球団の運営には,選手の年俸だけを見ても多額の費用がかかります。
 球団を誘致したにもかかわらずやはり球団経営をできなくなったと手放すことは社会が許さないと思いますから,安定経営の会社が母体となって球団を経営していくことが望まれますが,どれだけそのような会社が手を挙げるでしょうか。
 最近は,ソフトバンクさんや楽天さん,DeNAさんのようなネット系の会社が球団経営をすることが多くなっており,これらの会社は自助努力の成果もあって今のところ安定的な経営をできていると思いますが,そのような会社がたくさん手を挙げたりするのでしょうか。
 実業団のスポーツ関連を取りやめているところが出ているという昨今,野球ばかりを取り立てて持ち上げてくれるのだろうかと心配もあります。

 また,有力選手は限りある資産ですが,球団数が増えれば当然分散されてしまい,本来プロ野球に残れなかった,プロに見合わなかった選手もプロ契約をして選手となることになるでしょう。
 裾野の拡大はチャンスの拡大でもあり,若者の夢を広げるという結果につながることは否定しません。
 しかし,これによって発生するであろう質の低下が見受けられるか心配です。
 弁護士業界もそうですが,司法試験の合格者数を増やしたがために,過去の試験時代には受からなかった人達が資格を手にしているということもありますが,そのためにこの業界の質が低下したということは否めないように思います。
 プロ野球を見る楽しみの一つとしては,常人ではできないプレーを成し遂げる選手達を見ることですが,質が低下すればその分プレーの質も落ちることとなるでしょう。
 それがお金を払ってでも見る価値があると考えられるかどうか,それも大いに問題であろうと思います。

 新球団ができるとなれば,その強さも問題でしょう。
 思い出すのは,できた当時の楽天さんで,あの頃は相当厳しいチーム運営を迫られていたと思います。
 今はそれなりに強いチームになり,人気もありますが,それを長い目で皆が見てくれるのかというのは不安もあります。

 プロ野球球団増加の効果である地域創世については賛成です。
 確かに,ロッテさんやソフトバンクさん,日ハムさんのように,本拠地を移転して地域に根ざして成功したといえる球団もあるかと思います。
 ですが,サッカーを見ていると,必ずしも地域創世に繋げられるかといえばどうでしょうか。
 地方に行ったというだけでは足りず,そこからどうやって地元に根ざしていくのか,その方法はなかなか努力を要するのではないでしょうか。

 日本には社会人野球や独立リーグがあり,結構盛り上がっているとは思うものの,それはまだ全国規模ではないと思います。
 これを強引にプロ化してしまって盛り上げようとしても,他人が強引につけようとした価値を一般人が受け入れるのかといえば少々疑問です。
 人気は誰かに強制されるのではなく,個人的に楽しいと思うという輪が広がっていって成し遂げられるものだと思いますので,人気が成熟した後であればともかく,闇雲に数あわせのために4球団増やそうというのはちょっと違う気がします。
 特に,今回の件は,石破大臣の発言によって,既に官主導になってしまっており,新球団人気に水を差す結果になるのではという思いもあります。

 個人的には,関東にチームが集中しすぎていると思うので,これをもう少し分散させてもとは思いますが,安易にチーム数を増やすというのは失敗の元であると思います。
 ですから,やるならばプロ野球の球団を増やすよりも,先に少年野球や社会人野球,独立リーグなどの活性化を行ったりする方が先な気がします。
 また,どうしても地方に球団をと考えるならば,まずはプロ野球の二軍を各地に誘致させる戦略をとることもありなのではないかとも思います。
 いずれにせよ,この手のことは段階を踏んで,期が熟してから実行に移すべきと思いますので,現段階では球団を増やすのはどうかなと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(1)  | trackbacks(0) | 23:16
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