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2016.12.19 Monday
 こんばんは。


 先日覚せい剤取締法違反で逮捕されたASKAさんですが,本日不起訴処分ということで釈放されました。

 不起訴処分となった理由としては,覚せい剤反応が出た尿について,本人の尿と確認できなかったからということでした。
 具体的には,警察は,ASKAさんから,本人の同意を得て,自宅トイレで尿の任意提出を受けたということでした。
 ところが,逮捕後,ASKAさんは「予め用意しておいたお茶を尿の代わりに採尿カップに入れた。覚せい剤は使っていない。」という供述をし始めたということでした。
 採取した尿は微量で,全量を鑑定のために使用し,採尿カップは破棄してしまっていたそうです。
 そうすると,覚せい剤の成分が検出された液体が尿かどうかの鑑定を実施できず,成分確認が出来なかったという事でした。
 また,この問題が出た後,逮捕してから時間がしばらくなっていたため,再度の採尿はしなかったということでした。
 採尿の際,警察官1人とASKAさんの妻がトイレのドアを開けて採取する様子を背後から見ていたそうですが,ASKAさんの手元まで確認していなかったそうです。

 この警察の説明を見る限り,警察としてはASKAさんが極めて疑わしいものの,捜査ミスによって証拠が集められなかったため犯人と認められなかったという趣旨に読めました。
 無罪推定の原則を考えれば,なぜこのようなグレーのような説明をしたのか,このような説明では被疑者側の社会復帰を妨げるのではないかと思いました。

 この事件について,私は以前,本人は否認しているので無罪推定の原則に従って考えるべきこと,体内から覚せい剤が検出されたと考えるとしても第三者に覚せい剤を体内に入れさせられた可能性等があることをお話ししましたが,この結論を見ると改めて本人が否認している案件では無罪推定の原則に立って考えなければならないと思いました。
 本件のように,尿をすり替えるという事案はあまり聞いたことがないのですが,警察が他人の尿を被疑者の尿と誤認するような方法で取り扱っていたために無罪になったという話は聞いたことがあります。
 覚せい剤の成分は自然界に存在せず,人工的に作るしかないものであることから,警察としては覚せい剤が尿から検出された段階で違法であると決めつけていたのでしょうが,それだけで犯罪成立と決めつけて捜査をするのは危険だということがよく分かりました。

 警察の説明を見る限り,見込み捜査を行った結果,あり得べき証拠収集を十全に行わなかったということですから,この姿勢は端的に批判されるべきだと思います。
 今回の件を見る限り,警察が犯罪成立の可能性が否定できない中で見込み捜査をして失敗してしまったというのは,日本の治安やえん罪発生の観点から見て非常に危うさを感じます。

 ただ,ASKAさんがお茶と尿を入れ替えたという話を見て,そもそもなぜ入れ替える必要があったのか,疑問が残ると思います。
 また,上記の通り,覚せい剤の成分は自然界に存在しないのですから,もしもこの成分検出がASKAさん由来でないとすれば,果たしてどこから出てきたのかということは問題でしょう。
 ASKAさんとしても,芸能活動を再開するとすれば,これらの点について説明することは避けて通れないのではないかと思います。

 さらに,前も書きましたが,ASKAさんについて無罪であったとしても,以前覚せい剤で検挙された経験がありながら,覚せい剤に近い環境に身を置いていたことはASKAさんの落ち度かもしれません。
 再犯率の高い覚せい剤事犯に関し,再犯を犯さないためには覚せい剤に近づかないことが第一ですが,自己使用でなかったとしてもそれに近い環境に身を置き,一時期でも強く疑われてしまったというのは問題だったといわざるを得ないとは思います。
 もちろん,本人が意識しないところでそのような環境に身を置いてしまったかもしれませんが,そうであれば説明をした方がよいのではないかと思います。

 一連の報道の内容や今回の警察の発表を見ていて,ASKAさんは本件について不起訴となったものの,なかなか社会復帰しづらい状況が出来てしまったと思います。
 それは,ASKAさんが覚せい剤に近い環境に身を置いていたという本人の問題はあるものの,一方で警察発表や報道内容がすっきりしないことも影響していると思います。
 また,以前も述べましたが,逮捕時のあの報道姿勢を思い返せば,一体報道機関はこの結果を見ながら過去の自身の姿勢を省みてどう思うのか,その考えを聞きたいと思います。
 中には明らかに過剰といえるような態様をとっていたところもありましたし,今回の一件はマスコミ各社に対して今後の姿勢を強く改めるべき機会を与えるものだったのではないかと思っています。
 芸能人の事件となれば,各社が力を入れる案件であることは分かるのですが,行き過ぎた報道姿勢はむしろ疑問を覚えるもので,本件を契機にもう一度考え直してもらいたいと思いました。


 阪神の横田さんですが,ウインターリーグで打率3割7分9厘,1本塁打,8打点の活躍をしました。
 また,10盗塁3盗塁死という成績だったそうです。
 横田さんは,「3割は絶対に打たないといけない。盗塁は走るだけなら去年と一緒。走るタイミングや打順も頭に入れたい。」と話をしました。

 この数字を見る限り,横田さんは相当な活躍をしたと窺えます。
 特に,評判がよいのは,スイングがよくなっていたということでした。
 半分は当てただけの内野安打だという記事を見ましたが,横田さんがスイングしてバットに当てられるように成長しているというのは非常に心強い限りです。

 横田さんといえば,ずば抜けた身体能力ですが,それを生かせるだけの技術をいかに身につけるのかが課題な選手という認識です。
 同系統といわれる糸井さんの阪神加入により,生きた手本が身近にいることで急成長を期待しているところではありますが,今のままでは横田さんは二軍にいることが多いように思われ,その手本をどのくらい生かす機会があるのか心配もあります。
 また,スタメンについても,今のところ外野は福留さん,糸井さん,高山さんで占められてしまっていて,そこに横田さんが割り込むにはまだ何人か越えていかねばならない選手がいて,かなり大変な思いをすることも予想されます。
 ですが,あの身体能力を見てしまうと,その伸びしろを考えれば,将来の阪神を背負う選手になってくれると否が応でも期待してしまうもので,何とかどこかで開花してもらいたいと思うものです。
 出塁率を考えて当てに行くバッティングが多いという印象ですが,振り抜いて当たれば遠くに飛ばせる力があるだけに,それを実現できるようになってもらいたいものです。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:36
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