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 こんばんは。

 昨日,ETCを不正に通行した疑いがあるとして僧侶に対してなされていた刑事裁判において,無罪判決が下されるという件がありました。
 これは,僧侶がオートバイにETC機械を取り付けて走行していたものの,ETCカードがきちんと挿入されていなかったため,42回にわたって料金を支払わずに通行していたというものです。
 判決内容は,ETCカードの挿入に関しては過失は認められるものの,故意に通行料を免れたとまでは認められない,経済的困窮はなく通行料を免れるメリットはないとして,無罪判決を下したということでした。

 あくまで新聞記事を見る限り,この事件においては,法律違反の行為をしたことは認められるとして問題はなく,その法律違反の行為に関する故意があったかどうか争点だったようです。
 今回問題となった道路整備特別措置法の該当条文は,犯罪が成立するためには,その条文に規定された行為をするだけではなく,その行為を認識した上で行ったという要素が必要なので,その内心部分が証拠で認定されて初めて有罪となるということになります。
 そして,刑事裁判では,有罪の立証は検察側が行わねばならず,被告人側は無罪であることを立証する必要はないので,この事件では検察が証拠をもって僧侶の内心部分を立証できなかったと裁判所に判断されたのでしょう。
 今回の事案では,僧侶側は内心部分を争ったわけですが,内心部分は外部から見えるわけではないので,検察側としては犯行状況や犯行回数などの事情から推測させる形で立証するという方法をとったのではないかと思います。
 事件記録を見ていないので真の問題点は分かりかねますが,内心部分を推測させるに当たって特に問題となったと想像されるのは
・42回という犯行回数。
・行為の期間が5ヶ月間にもわたって及んだものの,その料金が支払われていないことに違和感を持たなかったのか。
・ETCゲートがきちんと開いていないところを目撃したはずなのに,ETCカードがきちんと挿入されていたと信じていたのか。
・オートバイのETC機械にきちんとカードが挿入されているかを確認していなかったのか。
などといったところなのではないかと思います。
 そして,裁判所としては,これらの点などから見ても,内心部分が推測できなかったと判断したのでしょう。
 また,僧侶は経済的に困窮していないと判断したようですが,だとすればそこまで高額ではない高速料金をごまかして自身の僧侶としての社会的信用をおとしめることをすることはなかなかあり得ないのではないかということも考慮したのではないかと思います。

 私としては,事件記録を見る機会がないため,この判断が妥当か否かは全く分かりませんが,珍しい無罪事例だったので取り上げてみました。
 なお,法律論を度外視して一般的な感情からすれば,やったことはやったことなので,内心部分が充たされずとも責任は負うべきという考え方もあると思います。これについて一言だけ付言すると,今回の判断はあくまで刑事上の責任の判断であり,民事上の責任についてはまた別問題です。そして,民事上の責任については,不当利得という理屈で責任を免れられない可能性があるので,その場合は料金を支払う義務を負うことになります。

 今日はスタンリッジさんが打たれてしまって,遂に阪神はオープン戦最下位になってしまったようです。
 それに比べて,横浜さんは,あわやノーヒッターということで絶好調なようです。
 阪神の初戦はその横浜さんなので,調子の面からいえば明らかに相当な不安を感じてしまいます。
 明日のマリナーズとのオープン戦,私も喝を入れるために駆けつけることにしましたが,世界に阪神ありというところを存分に見せつけてもらいたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 19:10

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