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 こんばんは。

 選挙の公示がなされ,最近のニュースは選挙関連ばかりになってきましたが,先日発生した笹子トンネル崩落事件の続報が気になっています。

 笹子トンネルの崩落については,まだ正確な原因は判明していないものの,天井のコンクリート板をトンネル天井に固定するためのアンカーボルトが抜け落ちていた箇所があり,このボルトが抜け落ちたことが原因なのではないかといわれています。
 このボルトは,トンネルが開通した1970年代後半以来交換されたことがなかったようでした。
 そうすると,ボルトの老朽化やボルトの固定状況に問題があって落下してしまったのではないかという点が危惧されますが,このボルトの点検はどのようにやっていたかということが問題となります。
 そして,ボルトの点検は,目視の点検のほか,打音検査という打音検査用ハンマーでボルトを叩いてボルトのゆるみなどを確認する検査をするようですが,笹子トンネルでは2000年以来打音検査が行われていないことが分かりました。
 笹子トンネルについて,打音検査が行われなかった理由としては,他のトンネルと比べて笹子トンネルの場合は天井板からボルトまでの距離が長く,作業員の手が届かなかったためと説明されております。
 笹子トンネルについては今年も点検がなされていたものの,打音検査は上記の理由で実施されておらず,最終的に本件事故が発生しました。

 このトンネルの天井釣りの構造はボルトで固定して接着剤で止めるというものですから,重さが1トンを超える天井板を釣るのに大丈夫なのだろうかと素人目に思ってしまうところですが,それでも30年以上その状態で続いてきたわけですから,やはり工学的にはダメな構造ということではないのでしょう。
 しかし,構造上はしっかりした点検が不可欠なわけで,上記のような理由で打音検査が十分になされなかったばかりに本件事故が発生したとすれば,それはもはや人災というほかないでしょう。
 管理者はその理由を犠牲者やその遺族に説明できるのかと思うと管理者の責任は極めて重大であるというほかありません。
 アマゾンはこの事故を受けて「お急ぎ便」サービスを山梨県では一時中止したというニュースを見ましたが,それは中央道が使えないということが一因であるでしょう。中央道復帰のめどが立っていない現状では,あらゆる輸送に関して与えた今回の事故の影響は極めて甚大であると思います。
 また,同様の構造のトンネルへの一斉点検がなされているということで,泥縄的な感じが何とも心許ない気もしますが,それでもここで何か発見されてくれれば次の事故が防げると思えばやむを得ないのかもしれません。

 ちなみに,今回の事故に関する損害賠償についてですが,中央道はネクスコ中日本の管轄ですから,同社が賠償責任を負うことになるでしょう。
 この責任は無過失責任なので,おそらく被害者や亡くなられた方の遺族は同社から賠償を受けることができるようになると思います。
 ただ,これだけの事故を思うと,金銭をもって代え難い損害が発生していますから,この賠償の件を書いていても何となくむなしく思えてしまいます。

 ひとまず,このような事故が起こらないことを願うばかりです。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:15

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