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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,生活保護受給者がお金を支払わずに高級外車をコインパーキングに停め続けたとして,威力業務妨害で逮捕されたというものを見ました。

 記事によれば,コインパーキングに,16回,300時間にわたって高級外車を停めたにもかかわらず,ロック板を乗り越える方法で料金を支払わなかったということです。
 そして,調べに対して,生活保護を受けていて経済的に余裕がなかったと容疑を認めているということでした。

 本件は色々と問題がありますが,まずは本題のお金を支払わずにコインパーキングに停め続けたことを威力業務妨害という罪としたことについて述べてみたいと思います。
 サービスを騙し取ったということで一見詐欺に見えなくもないですが,詐欺は騙す行為によって被害者が騙された状態になることが必要です。
 そうなると,このコインパーキングはおそらく無人のものでしょうから,騙されたのは機械ということで詐欺に当たらないと解釈されたと思われます。
 そこで,業務妨害罪の成立の問題としたのだろうと思います。

 本件では,そもそも生活保護受給者が高級外車とはこれいかにというように思うところです。
 私が今まで見てきた中には,他人名義の車を所持して生活保護の審査をすり抜けるという方がいたこともあるので,もしかしたらそういった理由で見逃されたのかもしれません。
 車を借りていただけでは本人の資産といえないように思えますが,これが実質的に自分の財産を他人名義にしていただけだということであればひっかかるはずということになるでしょう。
 この辺りは記事にはまったく出ていない領域なので何ともいいがたいですが,16日くらい高級外車を所持している場合,私であれば他人の高い品物を預けっぱなしにしておくのは相当不安ですから,借り物説は何となく信憑性がない気がして,もしかしたら他人名義にしたものの実質的には自分のものという案件なのかもしれません。
 この話は憶測の域を出ないところですが,何となくそのように思いました。

 もし他人名義にしたものの実質的には自分のものということであれば,生活保護の審査の甘さの問題になってくると思います。
 私は,生活保護の審査が厳格すぎれば,本当に困っている人が給付を受けられないという事態に陥りかねないので,それはよろしくはないと思います。
 しかし,甘い審査で生活保護を出し過ぎるのは,納税者の納得を得ることは難しいことも事実だと思います。
 ですから,厳格すぎる審査をしないまでも,厳格さを減らした分審査を日常的継続的に実施することが必要であると思っています。
 もちろん,このような考えがマンパワーの面から現実的ではないことは理解しているのですが,この制度の運営に一番必要なのはバランスだと思いますから,そこをうまくとれるような制度設計にしてもらわないと色々な不満が出てくることは避けられないと思います。

 また,それとあわせて,扶養義務者のいる親族がいる場合は,その人達からの回収についてももう少しきちんと制度設計してもらいたいと思います。
 現行法上,できなくはないものの,実際にはやりづらい請求ですから,その辺りをもう少し詰めてもらった方がいいのかなという気もします。

 いずれにせよ,生活保護制度がきちんと運営されることを,納税者の一人として強く希望します。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:47

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