Powered 

by Tigers-net.com
 こんばんは。

 昨日未明のニュースで,ジョギング中の女性が男性からナイフを突きつけられて脅されてわいせつ行為をされるという事件がありました。
 女性は,ナイフを突きつけられて脅されてわいせつ行為をされている最中,犯人がナイフを地面に置いたところで,そのナイフを奪って犯人の右太ももを刺し,近くを通りかかった男性に助けを求めたということでした。
 その結果,犯人は太ももからの出血のために死亡してしまったということでした。
 警察は,犯人死亡のまま強姦未遂で書類送検したということです。

 この事件では,強姦未遂という事件の衝撃もありますが,被害者であった女性が結果的に犯人を死なせてしまったという点でも非常に大きな衝撃がありました。
 この女性の行為自体は傷害致死罪に当たると思われます。
 殺意の点については,太ももという人体の枢要部を刺しているわけではないですし,事件発生の経緯を見る限り女性が咄嗟に行動をしたととるのが自然ですから,殺人罪といわれることはないでしょう。
 しかし,殺意がなかったとしても人を刺せば傷害罪ですし,その結果死亡すれば傷害致死罪ということになります。

 問題は,正当防衛の成立ということになると思います。
 正当防衛は,
ゝ淒不正の侵害
⊆己または他人の権利を防衛すること
やむを得ずした行為
という条件が揃った際に認められるもので,これが認められれば傷害致死罪の違法性はなくなり無罪となります。
 今回の事件では,,鉢△惑Г瓩蕕譴襪隼廚い泙垢,が問題になると思います。

 今回の事件,女性にしてみれば,犯人の足に傷を付けなければその場から逃げようとしても追ってこられるという意味では,やむを得ないととるべきという意見も多いと思います。
 しかし,刑法では,このの中に行為の相当性,つまり防衛行為が防衛の程度を超えないかどうかという点も要求されると考えられています。
 たとえば,人がものを盗んだ際,被害者がものを守るために窃盗犯人を殺してしまったとすれば,それはものを防衛するには程度を越えているというように解釈されます。
 本件はそこまで極端でないとしても,死という結果が発生している以上問題になると思います。

 一般的に,相当性の判断は,侵害行為のもつ危険性と防衛行為のもつ危険性の比較から判断するというように考えられています。
 今回は強姦という大変残忍な犯罪で,法律で保護すべき利益は女性の性的自由ですから,守るべき優先度はかなり高いように思います。
 一方で,その反撃によって最も保護すべき生命という価値が失われたことになります。
 ですが,女性は,人体の枢要部を避けて右足太ももを刺したということですから,刺すという行為自体の危険性は高いものの,一般的な刃物による傷害事件の刃物の使い方と同等の危険性と見られるかは議論があると思います。
 結論がどちらになるのかはここでは何とも言えませんが,女性の側にしても十分正当防衛を主張できる事案ではあるというように思います。

 ただし,もしも相当性が認められないとしても,過剰防衛,すなわち防衛行為が防衛の程度を超えてしまった場合に該当すると思われます。
 正当防衛は違法性がなく無罪となりますが,過剰防衛の場合は刑の減軽,または免除となります。

 今後警察の捜査がなされ,検察においてこの点の判断がなされることでしょう。
 刑事裁判は,検察が裁判所に起訴をすることでなされますが,私としては検察においてはそもそも起訴しないでもらいたいと思います。
 本件は正当防衛の成立が検討される事案ですし,何より捜査や裁判などで刑事事件としての終了が長期にわたれば女性の負担が大きすぎるように思うからです。
 今後検察において事件処理を行うと思われますが,注目していきたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 19:08

Comments

Post a Comment








Track back URL

http://bsr37.tblog.jp/trackback/311308

PAGE TOP