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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,JR奈良線の勝手踏切で,線路を横断しようとした80代の女性が転倒して軽症を負ったという記事を見たので取り上げてみました。

 ここで勝手踏切と言われるものは非正規の踏切のことで,ここの勝手踏切はJR側は認めてはいないものの,鉄道ができる前から地元住民の生活道路として,今でも1日約200人が横断しているということでした。
 今回軽症を負った女性は,横断直前に快速列車が近づいたことに気づいて避けようとしたものの,線路脇の側溝にはまり込んだ可能性があるということです。
 この事故の影響で,上下線6本が運休,9本が最大30分の遅れ,約3000人に影響を及ぼしたということでした。
 現場の勝手踏切では昨年2月に横断中の78歳の男性が電車にはねられて死亡しており,渡らないようにという看板もあったということでした。
 奈良線の宇治市内には6カ所勝手踏切があるそうで,1日約200本の電車が通過しているそうです。
 JR西日本は,5月,勝手踏切を閉鎖する方針を打ち出し,一部の勝手踏切は閉鎖しているそうです。

 まずは,この女性が軽症で済んでよかったと思います。
 もしも電車に接触していれば,昨年2月の事故のような結果になってもおかしくなかったでしょうし,その意味では軽症で済んでよかったと思いました。

 しかし,勝手踏切が危険であることはいうまでもなく,これを利用し続ける側,徹底した対策をとらなかった側の両方に問題があるでしょう。
 今回の勝手踏切のある場所はもともと生活道路があった場所ということで,先に使用していたのが住民であるという以上,対応を考えねばならない場所だったと思います。
 確かに,線路が敷かれた以上,もともと他人の土地を勝手に通るということ自体不適切であるとは思いますが,一方生活道路として使用してきた実績を考えて別の通路を手配したりという考え方もあったかもしれません。
 おそらく,別の通路では納得しないという地元の方の意見もあったりするのでしょうし,事態はもっと複雑なのだろうとは思います。
 具体的な事情は分かりませんが,法的にいえば地元住民の方々に通行権はなかったと思われますし,おそらく保護の対象とはなりづらいのではないかと思います。一方,法的な考えを離れて,線路があったがために遠回りしなければならない不都合にも対応すべきかなとも思われますし,解決は非常に難しそうです。
 勝手踏切の対応として,一部のものを正規の踏切にするという対応もあるのでしょうが,そうするとなぜこの踏切はよくてここは悪いのかと,選ばれたところとそうでないところに不平等が生じてしまうことは避けられないでしょう。その意味でも,この対応は苦労しそうです。

 ですが,私が一つ言えることは,今回の事故によって,少なくとも付近の勝手踏切を使用することは非常に難しくなるということでしょう。
 何でも問題があってからでは遅いのですが,そうであればこそ比較的小規模の問題があった今にこそ対応を取るべきというように考えるのがJR側の発想でしょう。
 また,上記の通り,法的には地元住民側が元々保護されづらい性質の事件でしょうから,これを機に使用できなくなったとしても,それに対する不平不満は上がろうものの,法的に通行させよという請求は難しそうです。
 そうなれば,JRとしてはこの機に勝手踏切をなくそうという動きになることは当然でしょうし,その意味では通行者の方々は事故によって身動きが取りづらくなったということと思います。

 法的判断だけでは物事の解決が難しい例なのだとは思いますが,少なくとも危険な行為はやめてもらいたいですし,その点うまい解決方法があればなとは思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:20

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