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 こんばんは。

 今日の夕方,スカイマークが民事再生法を申請する方針であるというニュースを見たので取り上げてみました。

 スカイマークといえば,規制緩和で新規参入した航空会社として設立当時から随分といろいろと話題を集めていた会社でした。
 サービスの簡素化などを売りに,値段を引き下げるという方針で,一時期は非常に注目を集めていた時期もあった記憶です。
 しかし,大手航空会社が便乗して運賃値下げなどに踏み切って苦戦をしたり,運行トラブルがあったりということで,かなり苦しんでいたという印象もあります。
 また,近年は,エアバス社の機材購入トラブルの違約金問題などが取り上げられたりしておりました。

 そういう風に,最近は結構大変そうなニュースをよく聞いていたのですが,まさか民事再生法を申請する方針になるまでの状況になるとは思いませんでした。
 特に,運送業で頭を抱える問題としてよく挙げられるのは燃料費の高騰という問題ですが,本当につい最近の出来事ではありますが原油価格が下落していることからその分多少は楽にはなっていたのではというようにも思いますし,そんな中での民事再生法申請ですから相当厳しい状況だったのではないかと思われます。

 私自身,会社の倒産・再生案件はこれまで何度も手がけたことがありますが,このような事案でとられる方法としては破産・民事再生・会社更生等があります。
 それらの手続はいろいろと特徴があり,状況によってとるべき選択が別れるのですが,中でも民事再生を選んだというのは,大雑把に言えば会社を継続し,かつ経営陣を現状維持とするという方針があったのではないかと思います。
 もちろんそれ以外にも様々な要素があったのだろうとは思いますが,手続の特徴からいえばそういうものが念頭に置かれるように思われます。

 民事再生による再建とは,結局が債権者に対して,会社を再建する案を提示して理解を得た上で債権をカットしてもらうというものです。
 債権者にしてみれば,破産となればほぼ債権の配当を受けられないと覚悟するところですが,会社が再建できるとなれば破産よりは多少は支払を受けられるということになります。
 ただ,民事再生のルールとしては,再生計画案に対して債権者の過半数が賛成し,かつ賛成者の債権が全体の債権額の半分以上であることが必要となります。
 そうすると,債権者の理解と賛同を得られなければ民事再生を成功させることはできず,破産という方向になってしまいますので,この手続を進むにしても大変な道のりであろうと思われます。
 例えば,債権者の中でも負債の経緯等が許せないと思っていらっしゃる方がいる場合,その方の債権額が全体に占める割合で大きければ,非常に道のりは険しいということになると思います。

 ちなみに,会社の再建といえばJALを思い出しますが,スカイマークはJALとは違って国の援助を受けられないのでしょうか。
 おそらく民事再生法申請という判断に至るまでに国の方と多少相談はしたのかも知れませんが,民事再生の手続においても国にそのような話がなされ,それを再生計画案に織り込んで債権者の理解を得るということも計算にあるのかも知れません。
 ただ,JALとスカイマークを同じように取り扱うかは国の判断となるでしょうし,その当時とは政権与党も違いますから,どうなるのかは見守るしかないのでしょう。

 いずれにしても,この動向については注目していきたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:33

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