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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,東京地裁で,オフィスビルのテナント企業の社員が自殺したという場合に,ビル所有会社に対して賠償せよという判決が下されたというものがあったので,取り上げてみました。

 この事件は,オフィスビルのテナント企業の社員がビルの外付け非常階段から敷地外に転落して死亡した飛び降り自殺によってビルの価値が下落したとして,ビル所有会社がテナント企業に対して損害賠償請求をしたというものです。
 この自殺後,ビルを売りに出していた所有会社は,「精神的瑕疵あり」と明記した上で販売額を約1割(約4500万円)引き下げて売却したということでした。
 テナント側は,この裁判において,共有部分で自殺をすると予測できず,賃貸契約上の注意義務に含まれない,居住用に比べて物件価値への影響は限定的などと反論したということでした。
 しかし,東京地裁は,テナント側は借りた室内や共用部分で従業員を自殺させないように配慮する注意義務を負うとし,日常的に人が出入りする建物で心理的嫌悪感を抱かせるとして自殺による価値低下も認めました。
 そして,自殺で1000万円分の損害が生じたとしました。

 この判決は,非常に評価が困ります。

 ビル所有者側にしてみれば,借り主側の者が自殺さえしなければ価値が下落することはなかったと考えるのは当然だと思います。
 ビル所有者としては,ビルの建築や購入というイニシャルコストから,管理にわたるランニングコストまで様々な費用をかけてその価値を維持したり,借り主の用に供するべく尽力してきたはずです。
 にもかかわらず,借り主側の問題,しかも自殺の動機によっては防ごうとすれば防げたかもしれないというもので価値が大きく下落するというのは承服できないと考えるのはよく分かります。

 一方,テナント側にしてみれば,複数の従業員を前提とする企業の場合,その従業員すべての個別事情を把握して自殺を食い止められるかといえばかなり難しいでしょう。
 もちろん過重労働ならば職場の手当の問題が大きく,職場の責任はあると考えられますが,そうでなくて例えば家庭内での問題などが動機での自殺となれば数多くいる従業員すべての個別の問題を把握し,自殺を未然に食い止めるということは不可能に近いように思います。

 ですが,現に自殺による不動産の価値下落という結果が生じてしてしまった以上,その損害を誰の責任とするのか,それは問題であったといわざるを得ません。
 そこで,裁判所がどのような基準を挙げて判断をするのかというのが注目されるところですが,東京地裁はテナント側に対して,借りた室内や共用部分で従業員を自殺させないように配慮する注意義務を負うとしました。

 正直言って,私はこの注意義務はどうやって実行するのだろうと疑問に思います。
 例えば,テナント企業が労働法所定の労働時間や健康診断等を遵守していて,過重労働による自殺のリスクを軽減する措置をとっていれば責任を免れるというのであればまだ分かります。
 ですが,「従業員を自殺させないように配慮する注意義務」と漠然といわれたとしても,それは例えば従業員を一人で社内に残さないようなルール作りをせよとか,ビルのルールとして屋上や非常階段に行けるとしても社内のルールとしてこれを禁じるようにするとか,紐類などは社内に置かないようにするとか,そういった合理的とは思えないようなルール作りまでしないといけないようなものなのでしょうか。
 この判決のいう注意義務の射程範囲が不明であり,現状のままではどこまでのことをすれば企業が責任を免れるのか判然としません。

 また,記事を見る限り,この裁判では,借り主の賃貸借契約上の注意義務という契約責任の問題として判断がなされたように見受けられます。
 そうすると,借り主はあくまでテナント企業であり,自殺をした従業員側にはその責任追及はされておりません。
 この背景にあるのは,人道上の問題もそうでしょうが,多額の賠償請求を一社員の遺族に対して行ったとしても回収できないかもしれないというリスクの問題や賠償請求したとしても相続放棄されてしまって実効性がないという可能性があったからとも考えられます。
 ですが,法律構成によっては自殺した従業員個人の責任を不法行為責任として追及するという方法もとりうると思いますが,そのような場合に同じような注意義務があるとして責任を認めた場合に遺族の立場としてはどうなるのだろうかとも考えられます。

 個人的には,損害の分担について裁判所が苦慮したというようには窺えるのですが,それでもこれではビルオーナー側に非常に有利で,テナント企業側はどのようにしたら賠償責任を免れるのか難しい問題があると思います。
 これでテナント企業側が多額の賠償責任を負うのであれば,これ用の保険も登場するかもしれないですし,色々とおかしなことにもなるなという気もするのです。
 この事件が控訴されるのであれば,控訴審について注目してみてみたいと思います。


 今日の阪神は,打てず,点も大量にとられて負けてしまいました。

 まず,時期左のエースと目された岩貞さんですが,残念ながら3回途中5失点で降板してしまいました。
 さすがに序盤に5失点もしてしまうと,結構な割合で試合が決まってしまいますし,かなり厳しい展開だったと思います。
 2回までは,直球とスライダーで4三振と好調だったのですが,結局ヒットと四球などで崩れ,一度できた悪い流れを止めることができませんでした。

 一方,その跡を継いだ松田さんは,一人の走者生還を許したものの,その後はきちんとアウトを取り,回跨ぎで活躍もしてくれました。

 そうしてサターホワイトさんも頑張って繋いでくれていたところで,打線も3点まで援護してくれたのですが,今度は島本さんが試合を壊してしまいました。
 ただ,島本さんは回跨ぎだったですし,これまでいい活躍を何度もしてくれましたから,これだけで責めるつもりはないですし,次の登板機会には期待したいと思うものです。
 ただ,これによって,敗戦が完全に決まってしまい,打線も意気消沈してしまったといわざるを得ませんでした。

 打つ方ですが,残塁が多かった印象です。
 チャンスはそれなりによく作れると思うのですが,これまで何度も見た,決定力のなさ故に,得点圏に走者が進んでも点が入らなかったという展開でした。

 また,鳥谷さんと原口さんは休養させないのでしょうか。
 特に,鳥谷さんは,打撃ばかりでなく守備面でもスタメン落ち以前の状態に戻ってしまっていると思われ,なぜ出し続けるのか,首脳陣の意図が分かりません。
 高山さんは投手の左右の関係でスタメンから外したのだと思いますが,一方で左投手をあまり打てていない鳥谷さんを平気で出したという首脳陣の考えは理解できません。
 原口さんもかなりバテているように思われ,もう少し選手を大事に使うという考えはないのでしょうか。
 鳥谷さんがスタメン復帰してから,またチームの雰囲気が暗くなってきたように思われます。
 その原因は,鳥谷さんというよりも,負けが込んできたからだとは思うのですが,それでもチームの柱たる鳥谷さんの影響力の反映という見方もできると思います。

 守備といえば,新井良太さんの三塁守備は問題だと思います。
 鳥谷さんとあわせて三遊間を今日何回抜かれたのでしょうか。
 広島さんは,三遊間を狙い打ちしていたようにすら見えました。
 新井良太さんは,打撃面でもあまりよくなく,この点でも首脳陣の起用の問題は大きいと思っています。

 今日のよかった点としては,坂本さんのスリーベース,江越さんのタイムリーツーベース,北條さんの1安打1打点と若手の活躍が見られたことでしょう。
 また,狩野さんの打撃はさすがでした。
 このように,停滞するムードの中でも活躍する人がいるという希望が見えている状況なので,それをうまく生かない選手起用をしたという首脳陣によって今日の試合は敗戦したように思えます。
 もちろん,今日については岩貞さんの出来の問題が大きく,首脳陣の采配のみで負けたというつもりはないのですが,それでもエラーなどの記録に付かないところでの守備の問題や選手の疲れの問題などうまく首脳陣がコントロールできるべき部分を怠ったというのは敗因として考えるべきでしょう。

 とりあえず,首脳陣は,まず守備面を考えること,疲れた選手を休ませること,鳥谷さんや原口さん,新井良太さんというメンツについてスタメンにこだわらないことを強く求めたいと思います。
 それができないならば,できる人を連れてくるなりしてもらいたいものです。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:40

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