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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら、小学校の教師が学校の講座から合計約256万円を引き出したとして懲戒免職となったというものがあったので、取り上げてみました。

 この教師は昨年から今年にかけて会計を担当しており、昨年8月、自然学校での児童の食料費約27万円を学校の講座から出金したものの、業者に支払わずに自宅に持ち帰ったということでした。
 他にも、昨年8月から今年9月までの間に30回近く出金を繰り返し、合計256万円に及んだということです。
 自然学校の食料費について業者から複数回支払いの催促があり、校長が通帳の提出を求めたところで事件が発覚したということでした。
 教師は、不正な出金を認めた上で、その動機についてスリルがストレス解消になっていたと話したということでした。
 256万円のうち220万円は自宅で見つかり、差額の36万円とともに全額学校に返金されたということでした。
 その後校長から被害届が出され、警察は食料費約27万円を横領したとして教師を業務上横領罪で逮捕したということでした。
 教師は、業務上横領罪については、現金は自己の用途に費消せず、自宅に保管していたと容疑を否認しているということです。
 また、この教師は懲戒免職処分となったということでした。

 まず、出金の発端となった自然学校の食料費ですが、支払をしていなければそのうち発覚することは教師もわかっていたことと思います。
 しかし、それでもやった動機としてスリルだとすれば、結末はスリル以上のものとなることは目に見えていたでしょうに、よくわからない点があります。
 とはいえ、256万円のうち220万円が自宅から見つかった、しかも出金は約1年にわたってやっていたとなると、このお金の持ち出し自体が自己使用目的だと考えがたいようにも思えます。
 自己使用目的ではないとすればスリルという説明にも説得性が増すところではありますが、そうなると根底にあるのは自己破綻衝動のようなものなのでしょうか。それなのに教師を続けるというのもよくわかりませんし、現時点の情報だけでは何ともいえないところです。

 本件の問題となるのは、横領罪に該当するかどうかだと思います。
 というのも、横領罪が成立するためには不法領得の意思、すなわち委託を受けた任務に背き、所有者でなければできないような処分をする意思が必要と言われていますところ、本件ではお金を出金すること自体が目的だったとするならば不法領得の意思がないと思われるからです。
 差額の36万円について、もしも教師が使ってしまったのだとするならば、その限度において不法領得の意思があったと考えることはできるかもしれないものの、220万円については自宅で保管していたというのであれば、そちらについては横領罪の成立が難しいのかも知れません。
 こういった職場のお金を勝手に持ち出して自宅で保管していたというのは業務妨害罪は成立しそうに思いますが、業務上横領罪と業務妨害罪とでは法定刑が業務上横領罪の方が上回りますから、やはり捜査機関としては原則として業務上横領罪の成立の可能性を模索すべきなのだろうとは思います。
 とはいえ、検察が立証責任を果たせるかどうかという問題もありますから、実際どうなるかは今後の動向を見守るしかないのでしょう。

 なお、教師が出金したことは言語道断ですが、その事態に1年以上も気づかなかった学校の体制にも問題があったと思います。
 マンパワーの問題もありますから、あらゆる事務についてダブルチェック体制を設けることは難しいとは思いますが、それでも大金を預かる立場が誰の監視を受けなかったというのも違和感があります。
 根底には教師同士の信頼があったのかもしれませんが、こういう事態が発生した以上はやはり甘かったということになってしまうのでしょう。
 今回は最終的に全額が返還されましたが、こういう例は稀でしょうから、お金を預かる立場についてはもう少し緊張感を持って臨むべきということになると思います。


 プロ野球の9月10月度の月間MVPが発表されましたが、阪神からは佐藤さんが選出されました。
 佐藤さんはこの期間でリーグトップの36安打、9本塁打、29打点ということで、数字上は文句は全くありません。
 また、振り返れば、優勝が決まるまでのところで、勝負すべき場面において賞賛すべき打撃を見せてくれましたから、個人的には数字以上になすべき場面で活躍したという決定力を評価したいと思います。
 佐藤さんの受賞は2度目ですが、これから日本シリーズを迎えるに当たって弾みになってもらいたいところです。

 一方、パリーグの投手として、これから対戦する山本由伸さんも選出されました。
 成績で見れば、ノーヒットノーランを含む4勝、防御率0.49ということで、この数字で受賞できない理由はないだろうと思います。
 ただ、この驚異の防御率にもかかわらず1敗しているのは疑問で仕方ありません。
 また、これだけ優秀な投手にもかかわらず、月間MVPは1年ぶりというのも非常に違和感があります。
 そう考えると、つけいる隙があるようにも思えるわけですが、理屈でどうこういうよりも実際に対峙してみないとわかりませんから、今はシリーズを楽しみにしたいと思います。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:35

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