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 こんばんは。

 国家戦略会議の分科会で,国の長期ビジョン「フロンティア構想」の報告書がまとめられましたが,その中に「40歳定年制」導入案が盛り込まれたというものがありました。
 この狙いは,60歳定年制では,企業内に人材が固定化して産業新陳代謝が阻害しているので,これを打破することのようです。
 そして,この案の中では,労使が合意すれば40歳定年制をできるようにするというようです。
 また,早期定年を選んだ会社は,退職者に定年後1〜2年程度の所得保障の義務づけを行う方針のようです。

 私は,率直に言ってこの40歳定年制には反対です。
 雇用の流動化を図るという趣旨を述べているようですが,流動した先に受け入れ先がある場合に通用する話であって,日本の社会構造には見合わない制度であると思われるからです。
 また,会社にしてみれば,長期的に雇用するという前提だからこそ社員教育をしっかり行ってきたものの,20年縮まるとすればそんなに教育を使用という姿勢もなくなってしまうでしょう。
 さらに,労働者にとっては,ただでさえ近年雇用不安が叫ばれているにもかかわらず早期に定年を迎えるとするならば,人生の半分以上の計画を立てられなくなってしまうのではないでしょうか。例えば,子供を大学に通わせようとする時期くらいに定年を迎えてしまうとすれば,子供を進学させようとは思えませんし,家などを購入することも控えるのが通常の発想ではないでしょうか。
 その点の手当を企業側に所得保障などを義務づけることとするというのも,負担の押しつけのための勝手な発想とも思われますし,私としてはこの案は実情を把握された上で出てきたものなのか疑問です。

 そんな最中,ゆうちょ銀行は住宅ローンへの本格参入を考え,年収400万円以下の人を対象として50年ローンを導入することを検討しているという記事を見ました。
 まさに40歳定年時代が訪れるとすれば,その時代にみあったローン商品ということになるのでしょうが,これを見た時に当然思い浮かぶことは先のサブプライムローン騒動のことです。この計画を見る限りでは,これを契機に世界経済を不況に陥れる引き金を作っているのではないかというように見えてしまいます。
 また,50年長期ということですが,家も建築後長期間経てば手入れなどをしなければならないでしょうし,50年も建て替えせずにもたせるのかという素朴な疑問もあります。そうすると,場合によっては,ローン期間の後期は,もはや家もないけれどもローンだけ残ってしまって生活が苦しいということになりかねない気がします。
 そういったことを諸々考えると,この商品を導入するならば相当審査をしっかりやらないと世界経済を混沌に陥れるきっかけになるのではないかと懸念します。

 以上のように色々と見てきましたが,どうもこれらのお話はいずれも社会の実態に合わないように思います。
 色々と工夫しようと知恵を持ち寄ろうとする姿勢自体はよいと思うのですが,国の機関やゆうちょ銀行などそれなりに権威のあるところがそういった提案をしてくる姿勢はある意味恐怖を感じます。
 私としては,もう少し成熟した提案ができてから話し合いの俎上に乗せてもらいたいと思います。

 と,40歳定年という話を上げたところで,「プロ野球選手並みの寿命か」と思われたことと思いますが,そんな中でなかなか定年を迎えない我等が金本先生が,昨日満塁機で腰の強い張りを訴えて代打が送られてしまいました。
 先日,まだまだ成長しているのではと取り上げたばかりなので,今回の件は私自身当惑しているのですが,金本先生が自己申告するくらいなので相当重たいものなのではないかと心配しております。
 また肩の筋肉の件のように,腰にも医学では解明できない膜が生じて解決してくれるのではないかと期待しているところではありますが,今はじっくり治す方向に専念してもらいたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | よろずごと | comments(0)  | trackbacks(0) | 18:32
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