こんばんは。
今日は,先日話題に上がっていた金本先生が1億円以上をだまし取られたという裁判が行われ,そこに金本先生が証人として法廷に立ったというニュースがありました。
案件は,被告人が,金本先生から,協定団体への預託金などの名目で1億円以上をだまし取ったという詐欺事件です。
被告人は,騙す意思はなかったと公訴事実を否認していることから,金本先生の供述調書が不同意とされて証拠採用されなかったため,供述調書の代わりに金本先生が直に法廷にやってきて事件の話をしたということだと思います。
そして,その中で,金本先生は,2004年から2009年末頃までに少なくとも約8億円を被告人の口座に振り込み,返金があったのは約800万円に止まったということでした。
資金提供の理由については,引退後の収入,後輩達の引退後の就職先を考えてということでした。
また,被告人は,金本先生と家族ぐるみの付き合いをしていたことから,信用してしまい,裏切られた気持ちだということでした。
私は,事件のあらましや裁判に関する証拠は分からないので,被告人の有罪無罪に関する話は分かりませんし,その点についてここで触れるつもりもありません。
しかし,金本先生から何某かの理由でお金を預かり,その大部分を返さなかったことはどうやら事実のようで,争点は騙す意思があったかどうかということなのだと思います。
詐欺事件においては,この内心の問題が最も立証が難しいものです。
その理由はいうまでもなく,内心の問題なので,直接立証できる証拠は本人の供述くらいなものだからです。
その供述がない場合は,周りの事実関係からその意思を推認できるかどうかが問題となります。
今回の事件の内容をよく知りませんが,多額のお金を預かった理由は非常に大きな問題となるでしょうし,これを返金しなかったという事実は騙す意思を推認する方向に働きそうです。
そうすると,返金しなかったことの合理的な理由を如何に説明するかという問題になってくるのでしょうが,その辺りはどのように突き崩そうとしているのか,私には分かりませんので,これ以上は申し上げかねます。
ただ,金本先生ほどの高額年俸をもってしても,引退後に不安を抱えているものだと改めて思いました。
私のような一市民では,億単位のお金があれば,それを大事に使えば将来に不安などというようにも思ってしまうところです。
しかし,金本先生ほどのスター選手にもなると,世間に夢を抱かせるため,それなりに裕福な生活を送るでしょうし,他人と一緒にいればそれなりの散在も期待されるでしょうから,入りも多ければ出も多いのではというように推測されるところです。
そうすると,我々と同じレートで物事を考えてはいけないのではないかと思いますが,そんなレートで生活をしていた人の収入源が切れてしまえばそれは大変恐ろしいことなのかもしれません。
よくスポーツ選手は,引退後の生活に苦労されるという話を耳にしますが,それは単に収入の有無というよりも,それまでのレートを基準とした収入の問題ということもあるのかもしれません。
また,上記のスポーツ選手の引退後の収入という意味でも,今回の事業には魅力を感じていたというのも,分からなくもない話です。
今日は金本先生という証人が招かれて尋問された日ですから,これから被告人質問がなされ,その後に論告求刑,判決という流れだと思います。
そうすると,この裁判は単純計算でも判決まであと3ヶ月以上はかかることでしょう。
ただ,仮に有罪判決が下ったとしても,それで金本先生にお金が返ってくるわけではないので,本件の根本解決にはならないのではというように思います。
とりあえず,この事件は判決まで注目していきたいと思います。
また思いついたら書きます。ではでは。