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 こんばんは。

 先日中国自動車道でフェラーリ数台等高級車を絡めた14台の事故が発生しました。
 この事故は,何台もの高級車が大破してしまったということで,それなりに話題になっております。
 ひとまずお亡くなりになった方がいらっしゃらなかったのは不幸中の幸いでした。
 ただ,鉄くずに変わり果てたフェラーリの写真を見るに付け,こうなると高級車も大衆車も変わらないものなのだとしみじみ思いました。

 さて,今回話題に取り上げたいのは,ある記事を見たところ,これらの事故においては保険金が下りないという見解を見たため,これを検証してみようと思い立ったからです。

 まず,自動車保険についてざっくり2つに分けて考えます。
 それは
・事故の相手方に支払われる保険
・事故を起こした自分に支払われる保険
です。
 今回私が見た記事で保険金が下りないというのは,後者の「自分に支払われる保険」のお話で,その中でも車両保険というものになります。
 車両保険とは,事故を起こした自分の車の修理費用等を保険から支払ってもらうというものです。
 車両保険は自分に支払われる保険である以上,皆様も想定されるとおり時たまいわゆる保険金詐欺などが問題になる保険です。たとえば,自作自演の事故を起こして,保険金をもらおうとする場合などがあげられます。
 また,車両保険の約款を見てみると,酒気帯び運転の際には,運転手自身に責任があることから,保険金が下りないなど,いくつか保険金が下りない条項(免責条項)が定められています。

 では,この記事では今回の事故でなぜ保険金が下りないといわれているのでしょうか。
 それは,今回の事故がフェラーリなどの高性能車の速度超過が原因で起こった事故であるからといわれています。
 では,車両保険の約款上に速度超過の場合に出さないといえるようなものはあるのだろうか見てみましょう。
 なお,車両保険の約款は保険会社ごとに異なったり,通常と違う免責特約が付いていたりする場合があるので,ここで述べるのはある保険会社の約款で,かつ何らの特約もない場合という例でお考えいただきたいと思います。
 その上で約款を見てみると,「速度超過」という名前が直接出てくる条項は見あたりません。
 しかし,「故意」「重大な過失」で発生した交通事故の免責条項があります。
 もし速度超過が原因で支払わないとすれば,ここでいう「重大な過失」に当たるからということになるのでしょう。
 ここでいう速度超過ですが,いわゆる一般道で車が制限速度を若干超えている程度では問題にならないと思います。というのは,これを対象にしたら,車両保険が支払われる件数が激減して魅力のない保険になってしまう可能性が高いからです。
 よって,相当な速度超過があった場合に「重大な過失」として免責されるという考え方もできるかもしれません。

 私の見る限りで,この事故における各車両の速度はよく分かりません。
 しかし,なんだかスピードの出そうな車なので,もしかしたら速度超過をしていたのかもしれないかなというような漠然として偏見はあるかもしれません。
 また,事故現場の制限速度は80キロメートル毎時のようで,今回事故にあったような車のスペックでは物足りない制限速度なのかなという気もします。
 ただ,これだけの高級車の事故だけに,保険会社が保険金をを支払うとすれば相当な高額になるでしょうから,多分速度の調査については科学鑑定など相当頑張るのだろうなと想像します。

 なお,14台全てが速度超過をしていたのかなどはよく分かりませんが,もしその中で追突されたことが原因で事故にあって壊れた車などがあれば,それは「自分に対して支払われる保険」からではなく追突してきた人の「事故の相手方に支払われる保険」によって被害弁償を受けられる余地はあるのかなと思います。

 ちなみに,上記の保険のうち,事故の相手方に支払われる保険については,飲酒でも免責されません。飲酒運転で事故を起こされたのに賠償されないとすれば,困るのは被害者ですから,これは当然ですよね。

 今日は風邪気味で熱っぽくて体調がよくないのですが,車両保険ネタについて長々書きすぎて疲れたので,阪神ネタは触れないで終わろうと思います。
 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:01

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