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 またまた書き込みます。

 ニュースを見ていたら,東電の企業向け電気料金値上げの話をしていたので,ここで私の個人的な考えを整理してみようと思いました。

 まず,私の考えとしては,最終的に電気料金値上げには賛同せざるを得ないと思っています。
 というのは,東電が原発を使えなくなったこと,賠償金を支払わねばならないことなどから,東電の大幅な資金不足が見込まれることは明らかだからです。
 そして,電気料金値上げの段階として,まず大口利用者に値上げをお願いするのは,値上げの範囲を下手に広げるよりも,料金の回収や影響の大きさを考えれば合理的な発想だと思います。すなわち,値上げしようとする数を広げれば,その分問題も拡大するので,多く使用している数少ない人からターゲットにしていくのは順番としては順当でしょう。
 しかし,それでも不足が見込まれる場合は,次の段階で全体にまで値上げの範囲を広げるというのはやむを得ないのではないかと思います。
 よって,東電が値上げをしようとしていることやその順位として大口使用者,その次にその他の契約者としていることまでは合理的だと思います。

 次に,その大口契約者としては,東電の言っている平均約17%の上昇率はともあれ,値上げに応じるという方向性自体も最終的には仕方ないのだと思います。
 なぜならば,上記の順位からすれば,大口契約者が値上げに応じなければ,次にしわ寄せが来るのはその他の契約者だからです。ここでいう「その他の契約者」とは,すなわち職場から帰宅した自分の生活そのものであり,結局職場の値上げが回避された結果として個々の生活が大変になるのですから,やはりある程度の値上げはやむを得ないのでしょう。

 今の値上げを反対している問題のうち,今後一切の値上げを受け付けないと考えるというのは残念ながら現実的ではないと思います。
 よって,納得できた上での値上げということであれば,妥当な範囲においてはやむを得ないというのが私の考えです。

 では,現状はどうでしょうか。

 まず,値上げの納得は到底できません。なぜならば,値上げの納得を得るにはいくつかの過程を経なければならないと思いますが,これを経ていないからです。
 そもそも,我々は,現在東電ないし国のずさんな事故に対する事前策の態勢や監理によって,常時低線量の被曝という非常に不快な中での生活を強いられています。また,我々なんかよりも大変な,そもそも原発の影響のために家や仕事を奪われた人たちがたくさんいます。そういった人たちは,東電に対して敵対感に近い考えをもたれていると思います。
 もちろん,東電が今まで安定供給を続けてきたことや,我々が原発の恩恵にあずかってきたことを無視してはいけないでしょう。また,地域によっては,東電によって仕事をもらったり,原発の補助金によって潤ったり地方もあるでしょうから,一方的に敵対心ばかり持つのはフェアではないと思います。しかし,それらを踏まえても,あまりよい感情を持てないというのが事実だと思います。
 このようなことは,当然東電側も理解しているでしょう。一方,値上げも必要なことは分かっていますから,値上げに向けた努力をしなければならないことになります。
 そうすると,敵対心を持っている相手方と交渉するのであれば,一般的には,値上げを依頼するに当たって平身低頭の姿勢を見せつつ理解を求めるということが大事になってくると思います。そのような姿勢を見せれば,一気呵成に責めてくる方もいるでしょうが,それでも大部分の方にどうしようもない現実を納得してもらうという姿勢が大事になってくると思います。
 また,値上げという痛みを求める以上は,みんなで痛みを被っているのであるからやむを得ないという雰囲気を作る必要があると思います。そうすると,社員や企業体制の大規模なリストラが必要になってきます。
 しかし,実際の東電の姿勢は,上記の値上げの必要性について十分浸透しないうちに,一方的に値上げの話を始めてきました。それは,値上げの話をするに当たって,十分なリストラがなされたということもなしにです。
 しかも,値上げの手法も,独占企業であることをいいことに,拒絶すれば電力供給を停止する,再契約するならばさらに値上げして傷口は深まる一方とするという,人質を取ったとも取り得る事実上強制的なものでした。

 次に,値上げの範囲の妥当性ですが,結局のところこれも不明と言わざるを得ません。
 値上げを要求するのであれば,現在の財政状況,前年の支出の状況及び各使途,現在の電気料金の根拠及び内訳,これらを総合してどの程度不足するのかなどを踏まえた上で妥当な金額であることが要求されると思います。
 しかし,例えば関連企業や人件費,福利厚生施設等にいくら割り当てられているのかなど不透明な要素が多すぎて,その妥当性は到底はかり得ません。
 よって,その平均17%がどうして出てきたものなのかも納得できないということになります。

 以上の結果,現在のような「東電に問題がある」という世論が形成されてしまったのだと思います。
 私の知人には東電社員が何人かおり,一人一人はみな真面目に頑張っております。また,会見に出られていた担当者の方も「値上げに拒否すれば電気を止める」と言った際には,世間の敵になることを覚悟していたでしょうし,こんな風に言えば納得が得づらくなるということも十分理解されていたのではないかと思います。その意味では,私は彼ら個人を責めるのは大変酷なことだと考えています。
 しかし,東電の体質として,納得を得るための平身低頭の姿勢が取れなかったり,リストラができなかったり,妥当な金額を説明できるだけの情報を提供できなかったりするのであれば,これがこの会社の限界なのかもしれないと思いました。
 値上げ拒否をしている中には自治体が含まれていると聞き及んでおりますが,もし自治体が拒否の結果として電力供給を受けられなければ公共的な機能が停止して国政にも多大な支障を来すこととなるでしょう。また,多くの企業が電力供給を受けられない事態となれば,日本経済の根幹に関わる問題になりかねません。
 そうなれば,ここは国が入って処理するしかない状況に来てしまったのではないかと考えております。

 私は東電の事情や国の考えに関する情報を十分に持っていないため,多分に的外れな意見があると思いますので,ここで謝っておきます。
 ただ,現状を放置すれば,東電はますます国民から嫌われてしまい,もし一本立ちで再生できる能力を得たとしても,誰からも支持されない会社となってしまう気がしてなりません。
 そのためにも,ここまで不支持が広がった現時点において何とか収拾を図れるように国において何とか処理をしていただきたいと思います。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 22:39

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