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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,フランスのある事件の記事を見つけました。
 内容は凄惨な連続強姦事件なのですが,この事件の特筆すべき点は容疑者のDNAがある双子の一卵性双生児のDNAと一致したため,どのように犯人を特定してよいのか難渋しているという点です。
 現在は,双子のDNAの識別が困難で,かつ費用もかさむからということで双子の2人とも身柄を拘束しているということですが,今後犯人を特定する方法などについてはDNA鑑定をさらに行うまで断定できないということです。
 いずれの被害者も犯人に携帯電話を奪われていたそうですが,そのうちの一つを双子が所持していたということですが,双子の2人とも犯行を否認し,特定には至っていないようです。
 新聞記事によれば,通常のDNA分析では400個の塩基対を比較すればよいものの,双子の場合は数十億個を比較する必要があるということで,詳細なDNA鑑定のための費用は最大1億2400万円に上るということでした。

 このような双子のDNAが一緒の撹乱という類の話は推理小説などではしばしば目にする展開なのですが,実際の事件としては初めて見ました。
 上記のような費用がかかるとした場合,DNA鑑定まで行うかどうかはかなり難しい判断になると思われます。
 もちろん,これが数十万円単位であれば行うのでしょうが,1億円以上となった場合そこまでの費用をかけて行うべきかどうかはある種の政治判断がいる領域になってしまっていると思います。

 最近の捜査ではDNA鑑定がかなり重要視はされているところですが,とはいえ実際の有罪立証はほかの状況証拠であったりというところにも求められるでしょうし,DNA鑑定がなされるかどうかという点だけをことさら重要視すべきではないと思います。
 そうすると,双子のそれぞれに関して行動を一つ一つ追いかけて矛盾点を洗うという作業をすることになると思われますが,それも顔や体格が同じということになれば一方になりすましたりということが生じる可能性もあり,困難を極めることが予想されます。

 私が以前読んだ小説の知識で恐縮ですが,確か指紋は一卵性双生児でも異なることが多いということなので,携帯電話に残った指紋などはもしかしたら効果的な証拠になるかもしれません。ただ,私レベルが思いつくことは,多分フランスの警察はとっくに実行しているでしょうし,意味がないかもしれません。

 とかく,これだけDNA分析鑑定に費用がかかることが見込まれる以上,最終判断は別としてまずは状況証拠を集めることからということになるのでしょうし,その点について尽力するのだろうと思います。
 そうでないと,犯人のおそれがあるということだけで身柄が拘束されている双子の犯人でない方の方が浮かばれなくなります。そちらの方は無罪であるため,この身柄拘束は不当なものということになるでしょうから,場合によっては後日賠償問題が生じたりするのかなと思いますが,いずれにしても早急な決着が要望されることと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 19:05

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