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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら、今年ロッテさんから契約を解除された清田さんが、かかる処分が権限濫用で無効だとして地位の確認や慰謝料1100万円等を求める訴訟を提起したというものがあったので、取り上げてみました。

 清田さんといえば、去年球団内のルールに違反して不倫相手と密会してそれを隠蔽しようとして無期限謹慎処分を受けただけでなく、その謹慎処分が解けた当日にまたも不倫密会報道があったことでルール違反が判明したということで契約解除されました。
 清田さんとしては、かかる契約解除がロッテさんの権限濫用で無効だと主張し、訴訟を提起したということでした。
 今日が第1回期日だったということですが、ロッテさんは争う姿勢を示したそうです。

 まず、前提として確認すべきことは、清田さんが不倫したことが問題で契約解除に至ったのではなく、度重なる球団内のルールの違反があったから解除に至ったという点です。
 昨年の違反は、清田さんがルールに違反して女性と密会し、かつその後清田さんは球団に対してこれを隠蔽するべく虚偽の報告を行ったというものでした。
 特に、当時のロッテさんは優勝争いをしていた最中であったにもかかわらず、コロナクラスターが発生してしまって優勝争いから脱落してしまったものの、このルール違反がその原因の可能性もあると言われており、その点も考えれば極めて悪質なルール違反であったと思います。
 次に、今季のルール違反は、謹慎期間中に複数回にわたって別の女性と面会していたというものでした。これは、謹慎という罰を蔑ろにするものだけではなく、過去の自分の行いを反省していたとも思えない、より悪質な違反であると思います。
 その結果、球団としては、清田さんの誠実な姿勢が見られない、球団の社会的評価が下がったということで、契約を解除したということでした。

 ロッテさんにしてみれば、無期限謹慎という処分を下し、しかもその処分は清田さんの反省の態度に鑑みて比較的短めに終了したにもかかわらず、結局反省の態度がなかったというのは、温情処分をかけて顔に泥を塗られたと思っても仕方ないことと思います。
 私は、球団内のルールの詳細はわかりませんが、外から見ている限りでも清田さんの行動の悪質性はかなり高いものと思うので、球団が今回の処分に至った理由はよく理解できます。
 特に、ロッテさんは、その会社の性質上、子供や女性の顧客を大事にしなければならないところ、その広告塔として抱える球団所属の選手がそれに明らかに反する行為をしていたのですから、他球団よりもより厳しい処分にしようと考えることも無理からぬことというように思います。

 一方で、今回は労働契約ではないものの、もしも労働契約であればその解雇の要件は厳格であり、そこと相対すれば今回の清田さんの地位についても厳格に守られるべきという考え方はありうるように思います。
 私はすべての事情を知らないので、知ったようなことはいえませんが、その意味では清田さんの主張が認められる余地はあり得るようには思えます。

 とはいえ、あくまで私の考えではありますが、清田さんは今回の裁判を起こすべきではなかったように思いました。

 まず、時期の問題として、これからロッテさんはCSを迎えて気合いが入っているところで、それに水を差す今回の出来事は球団だけでなくファンも敵に回す行為のように思いました。
 清田さんは、昨年もコロナクラスターの関係で優勝争いに水を差す行為をしたわけですが、今年は球団に対して訴訟提起をするということでまた優勝争いの盛り上がりに水を差したわけです。
 野球は詰まるところ興行ですから、他者を楽しませるためのものであるものの、今回の優勝争いのお祭り騒ぎに水を差す訴訟提起は長年プロ野球選手として興行の一端を担ってきた方としてなぜこの時期に行ったのかと思うところです。

 次に、この手の地位確認事件では一般的にいえることですが、仮に勝訴して地位を勝ち取ったとしても、清田さんを迎えてくれるチームメイトがいるのかという問題です。
 野球はチームプレーのスポーツですから、他のメンバーとの協力や信頼関係が不可欠であるところ、清田さんのルール違反によって迷惑をかけられたチームメイトは清田さんに対してどのように思うのかは推して知るべしというところでしょう。
 何らかの禊ぎを果たして改めて球団に戻るのであれば別としても、訴訟手続において地位を勝ち取って戻ってきた清田さんをチームメイトが再び迎え入れてくれるのか、何とも言いがたいものがあります。

 第3に、この訴訟を行っているうちに他球団が獲得してくれるチャンスが乏しくなったということです。
 清田さんはロッテさんにおける地位の確認の訴訟ですから、勝訴すればロッテさんのチームの一員となるわけですが、そうなると他球団としてはそのような可能性のある選手の獲得に動く可能性があるのだろうかと思います。
 もちろん、他球団から清田さんに対してそのような話があれば、清田さんは訴訟上の請求のうち地位確認部分を取り下げることはありうると思いますが、そこまでして獲得を希望する球団があるのかと思います。
 他球団にしてみれば、こういった同業界に係争事件を抱える方を採用するのはロッテさんとの関係でもなかなか勇気が要るわけで、清田さんの年齢も考えれば若手の採用の方を優先しようと考えることは考えられます。

 他にも色々と思うところがありますが、清田さんが今後も球界に何らかの形で携わって生きていこうと考えているのであれば、今回の訴訟で得られるものと失われるものを比較した場合に失われるものの方が大きくなるのではないかと思うわけです。
 人によって価値判断が違いますので、清田さんはそれらを比較して得られる価値をとったわけですから、それが間違っているというには私も情報が不足しています。ただ、私としては、失うものの方が大きいのではないかと思った次第です。

 最後に一点だけいうとすると、私としては今回の訴訟提起のニュースを見て、今後清田さんが野球に復帰するとしてもみたくはないなと思いました。
 プロ野球は興行ですから、もしも私のように考える人が多くなると、それは大変な問題ではないだろうかと思います。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(0)  | trackbacks(0) | 22:42
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