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 こんばんは。

 先日セリーグの理事会で,順位決定後に公式戦を打ち切るという案が検討されたと言うことがありました。
 これは,いわゆる消化試合をなくすことが目的で,おそらくクライマックスシリーズとの間の空白期間の埋め合わせの問題や消化試合の観客の入りの問題などが影響しているのだろうと思います。

 確かにプロ野球は興業である以上,儲けの少ないと見込まれる消化試合を減らしたいという考えがあることは頷けますし,消化試合への対応を検討しなければ財政基盤が強くない球団が淘汰されていってしまい,ひいてはお金のある球団だけが強くなってしまうという偏りが起こりかねないように思います。

 しかし,消化試合打ち切りをするということはペナントレースの試合数が減るということになるので,これが様々な問題を引き起こすことが懸念されます。

 まず,記録のかかった選手にとっては,一打席一打席が勝負の瞬間のはずであり,特に記録が迫ったギリギリのところではその傾向がより顕著になることでしょう。
 これを消化試合だからといって不意に打ちきりになるとすれば,それは記録の狙い方として問題になるのではないかと思います。
 特に,安打数などの数字の多さが問題となる記録は,この制度導入以降は扱いをどうするべきなのかという問題が出てくると思います。
 また,試合数減少に伴って,もう少しで追い抜けた記録が追い抜けなかったという場合も想定されます。

 次に,引退試合をどうするかという問題もあります。
 今シーズンも往年の名選手の引退試合が何試合か繰り広げられましたが,これも優勝争いに関係がない試合からできることです。
 引退する名選手は,残念ながら全盛期から見て実力的に劣ってしまったから決意されたわけで,その選手を出すというのはある意味戦力の問題が生じるのですから,順位がシビアにかかった試合でそのような対応をすることは難しいでしょう。
 そうなると,ファンが本当に見たいその瞬間を切り取ってしまうことになるのではないかと思います。

 私としては,この提案は消化試合に対する問題提起として大事な着眼点ではあると思います。
 その問題を解消することはプロ野球の隆盛にも繋がるでしょうし,問題を検討しようという姿勢自体は非常に評価できると考えます。
 ですが,消化試合打ち切りはあまり好ましいものではないように思います。
 とはいえ,私に有力な対案があるわけではなく,批判だけ無責任にしてしまって申し訳なく思うところもあります。
 何か妙案が出てきて,野球がもっと盛り上がるようになったらと,一野球ファンとしては願うばかりです。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:29
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