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 こんばんは。

 今日はブリュッセルの空港で大きなテロと思われる問題が起きましたが,これについては詳細が分かっていません。
 本来このことを取り上げようと思っていたのですが,内容が分からず,続報に注目したいと思います。
 とりあえず,被害者が少しでも少なく済むことを願ってやみません。


 さて,表題の件についてですが,本日,野球賭博問題の高木京介さんについて,NPBが1年間の失格処分を下したということだったので,それを取り上げてみたいと思います。

 これを見て,私は率直に処分が軽いと思いましたが,そのように思われた方も多かったのではないでしょうか。
 円陣問題については,各人様々な考えを持っていると見受けられましたが,この野球賭博問題はそれと一線を画する大問題だと評価されているように思います。
 ただ,その処分に関して「軽い」と考えたのは,やったことの大きさのほか,他の3人の処分との均衡からそのように考えた方が多いのではないでしょうか。

 先日,笠原さん,福田さん,松本さんの3人について,いずれも無期失格処分が下されました。
 報道を見ている限りですが,この3人の問題の重さから言えば,笠原さんがもっとも重く,他2人は同じようなものというように見受けられました。
 にもかかわらず,3人とも無期失格処分となったのは,野球賭博という行為に関する属性の問題で,これを行えばその内容の如何を問わず一発レッドカードということだったからと思っていました。
 それだけ野球賭博は野球界の信用を傷つける行為だと思いますし,ある意味この処分自体そこまで納得のいかないものという認識はなかったと思います。
 特に,野球界は,過去に黒い霧問題という大きな問題を起こしたことがありますから,その反省から自浄作用を働かせるため,野球賭博というものに対して断固たる姿勢で臨むということから,内容の重さではなく,野球賭博という行為そのものを責めたということは,NPBがそのような量刑への姿勢を持っていると考えていました。

 しかし,今回の件を見ると,高木さんは1年失格処分となりました。
 読売は契約解除をしたそうですが,それでも1年後には野球をできる身ということとなります。
 このことに違和感を感じたのは,上記の通り過去の3人との均衡です。
 特に,笠原さんはともかく,福田さんと松本さんと比べると,同じようなことをやっているのではないかと思いますし,そこでなぜ差が付いたのか,個人的には理解に苦しみます。

 私が知らない良情状が影響したということであれば相当性分なのかもしれません。
 ですが,高木さんは,福田さんと松本さんとあまり変わらないと思われるばかりか,最初の調査の際には嘘をついて処分から逃れようとしていましたし,その意味でも情状は他2名よりも悪いように思えるのです。
 また,今日の報道によれば,高木さんは,読売の別の選手1名と一緒に闇スロットに数回言ったことがあると申告したそうで,その意味でも情状は他2名と変わらないくらいよくないのではないかと思われます。

 にもかかわらず,高木さんだけが1年失格,他3名が無期失格というのは,私は飲み込みづらいものを感じます。

 そこに差が付いた理由として,邪推すると3つの点が考えられます。

 一つ目は,高木さんだけが謝罪会見を開き,一応の誠意を公の場で見せたことが挙げられると思います。
 この会見を見ていて許そうという気持ちになったという書き込みや見解をそれなりに見たことがありますし,コミッショナーもこの会見後に1年失格処分について言及したという記憶もありますから,その意味ではそこで見せた反省の意思が影響をしたということは考えられます。

 二つ目は,野球賭博問題で今後もっと多くの選手が検挙される可能性があり,その選手は各球団の主力選手である可能性もあることから,その選手達の復帰のための前例を作ることを意図した可能性が挙げられます。
 非常に悪意ある解釈をするのであれば,高木さんという前例があれば,笠原さんまでの悪質性に関する証拠等がない場合,謝罪会見を開くという禊ぎを果たすことで1年失格処分までにとどめられるということになりますから,今後同じような選手が発生したとしても逃げ道を作れるというように考えたのではというように思いました。

 三つ目は,高木さんが読売の主力選手として活躍していた点です。
 これまでの3名は,かつて活躍した方もいましたが,近年は二軍にいることが多い方々ばかりでした。
 一方,高木さんは読売の中継ぎの重要選手であり,現時点でのチーム内での重要性は大きいと思います。
 そうすると,このような言い方は申し訳ない限りですが,チームにいないと困る選手を残そうという力学が働いたのではと邪推してしまいます。

 個人的には,もしも高木さんを1年失格処分とするならば,福田さんと松本さんもそうすべきだと思いますし,彼らを無期失格処分のままとするならば高木さんも無期失格処分にしないといけないと思います。
 量刑相場というのは,考え方によっては処分を固定化させ,事案に応じて柔軟な判断を妨げる要因になるという弊害はあります。
 ですが,一方で均質な処分を実現できることで平等性をはかることができますし,このくらいのことをすればこのくらい重たい処分が下されるのだという予測可能性を与えることで悪質行為の妨げになるという効果もあると思います。
 ですから,相場というものが一度形成されたのであれば,基本的にそれをあまり侵さないように考えるべきだと思いますし,これを侵すのであれば相応の理由が必要であろうと思います。
 しかし,今回の高木さんの処分を見ていると,量刑相場を変更するだけの意味を持つ処分であるにもかかわらず,これを変更するに値する理由が見あたりません。

 刑事処分で大事なことは国家としての姿勢や応報感情,本人の構成などだと思いますが,プロ野球において大事な要素はさらにファンの理解ではないでしょうか。
 3名が無期失格処分という重い処分を受ける一方で,高木さんだけが1年失格処分を受けたということは,個人的には理解しがたいものを感じます。
 そして,これが多くの方に理解できないということであれば,野球界の自浄作用に疑いがもたれ,野球ファン離れが生じるのではないかと思います。

 私は,先の円陣問題も含めて野球界の賭け事に対する感覚は甘いと思っています。
 確か,去年JR東日本の中で発覚した高校野球賭博に関しては,500円程度の金額であったにもかかわらず,会社は関係者全員を刑事告発したということがありました。
 大阪ガスの野球部で高校野球賭博が発覚した際には,関係者全員が刑事告発され,対外試合の禁止処分が科せられました。
 おそらくこれらの事件については,いずれも当事者はあまり罪の意識はなかったと思いますが,それでも名だたる企業が法令遵守の姿勢を示すためそのようなことまでしたということです。
 まして,野球を生業とするプロ野球は,より重い処分がなされて当然だと思いますが,それを業界関係者等がこぞってかばい立てする姿勢を見ていると,個人的には野球界に自浄作用はないのではないかと心配になります。

 高木さんの件の発覚は週刊文春だったと思いますが,結局野球界を根本から正すには内部からではなく外部の力が必要と言うことなのかもしれないと思うと,非常に残念な気持ちになります。

 この流れを見ていると,今後同じような形で選手の野球賭博が出てくるような気がしてなりませんが,その人が同じく1年失格処分で終わってしまったら,もはや野球界の自浄作用には絶望するのかなと思ったりしました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | スポーツ関連 | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:49
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