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 こんばんは。

 色々と記事を見ていたら,奈良地裁の判決が話題に上がっていたので,取り上げてみました。

 この判決は,奈良県で発生した事件についてのものです。
 犯人は,銀行員に対して酢を混ぜた水の入ったスプレーをかけて150万円を奪ったということでした。
 この事件では,犯人が強盗罪に当たるかどうかが問題になっておりました。
 奈良地裁では,銀行員がスプレーをかけられた後もバッグを取り返そうとするなどしており,強盗罪の構成要件である「被害者の犯行を抑圧するに足りる暴行」ではないと認定し,暴行罪と窃盗罪に該当するという判断をしました。
 その上で,懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。

 この裁判では問題になった点は以下の通りです。
 強盗罪の成立のためには,犯人が被害者を「抗拒不能状態」に至るまでの暴行を行うことが要求されます。
 この抗拒不能状態というのは,心神喪失以外の理由で心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態のことです。
 つまり,強盗というためには,犯人が被害者に対して,その犯行を抑圧するという程度の暴行等を行ったときだけに成立するとしているのです。
 そして,本件では,犯人は,被害者が抗拒不能状態に陥るまでの暴行等を行ったかどうかが問題となったのです。

 この点,スプレーで吹きかけた液体が一体何なのか,一見して判然としないことは抗拒不能状態と認めるのに積極的な事情となると思います。
 例えば,おもちゃのピストルを突きつけて金を奪うという場合,被害者側にとってはおもちゃか本物かを一見して判別できないことから,それによって抗拒不能状態に陥るとして強盗が成立する可能性は大いにあります。
 そうすると,スプレー内の液体が毒薬かもしれないと疑われる状態は,抗拒不能状態と認めるのに積極的な事情であると考えられます。

 一方,記事によれば,銀行員はスプレーを吹きかけられ,その後いったん犯人にとられてしまったバッグを取り返そうとしたなどという事情があったようです。
 銀行員がバッグを取り返そうとしたということは,スプレー内の液体が毒薬等ではないと理解しており,その上で取り返しを行おうとしたというのであれば,被害者の抵抗を抑圧できたと言い難いという考え方もできたと思います。
 ですから,おそらくこの事情は抗拒不能状態に関して消極的な事情と考えられたと思われます。
 ただ,被害者の行為が無我夢中などという抵抗とも呼べる代物でないならば,抗拒不能状態にあったとも考えられるように思いました。

 他の事情はよく分かりませんが,例えば犯人が他に凶器を準備していたり被害者に見せたりしていたのか,犯人が凶器を用いずともパンチするなどの暴行行為を行ったのか,バッグの奪い方はどうだったのかなど,詳細な事情が検討された上で,最終的に抗拒不能状態の認定に至るのだろうと思います。

 記事に出ていた事情だけでは,個人的には抗拒不能状態にあったかどうかは判別しがたいと思い,この判決の当不当を述べるにはいささか躊躇いがあります。
 ただ,執行猶予判決としたのは,よほどよい情状があったのでなければ納得しづらいです。
 本件に関して強盗よりも暴行・窃盗が妥当だったとしても,強盗との境界事例であり,被害額も150万円と重大ですから,この事件を軽く見ることはできません。
 そうすると,執行猶予判決を下すならば,示談が成立している等の相当程度有利な情状がなければ軽いと思われる判決だと思います。
 ですから,もしかしたら記事にないだけでそのようなよほどよい情状があったのだろうと推測しました。

 記事を見ているだけなので,個人的には妥当かどうかはよくわからないのですが,裁判官が世間から非難を浴びるであろう判決に関し,自身の信念に従って法適用と行おうとした姿勢については敢えて賞賛したいと思います。
 私が今まで受けた判決でも,これは妥当なのか等と思うことは何度もありましたが,一方でそれが判断枠組みとしてあり得べき範囲内であれば,裁判官は非難を覚悟で職責と信念の下で下した判決だろうと考えることにしております。
 ですから,裁判官に対しては,結論の妥当性は分からないものの,その姿勢は評価したいと思います。


 阪神の一軍の合同練習にドラフト4位の望月さんとサターホワイトさんが合流するという記事を見ました。

 望月さんは,速球が武器で,二軍戦では151キロをマークしたそうです。
 ただ,制球力に問題があると聞いており,その点がどうなったのか興味があるところです。
 2軍の成績は,7試合に登板し,2勝1敗防御率2.62となかなかのものだと思います。

 サターホワイトさんは,シーズン途中で緊急採用されたものの,その後特にドリスさんの調子が良く,マテオさんも一時期から比べてずいぶん良くなったことから,まだ一軍登板の機会がやってきておりません。
 二軍では,5試合で2セーブ,4回無失点と安定した成績を残しているそうです。

 個人的には,サターホワイトさんもヘイグさんやペレスさんも,二軍でそれなりの成績を残していることは非常に重要だと思います。

 阪神は,シーズン当初,マテオさんを抑えとし,マテオさんが落ち込んできたらドリスさんとすることと考えていたと思います。
 また,ヘイグさんを起用しており,投手は2人起用体制を原則と考えていたと思いました。
 しかし,中継ぎ投手陣が崩れ,ヘイグさんも調子を上げられないところで,ヘイグさんが落ちてドリスさんが上がってきました。
 その後,マテオさんとドリスさんのいずれも,登板過多の影響もあってか,調子を崩し,そんな中でのサターホワイトさんの獲得でした。

 今はサターホワイトさんやヘイグさん,ペレスさんは控えに回っていますが,調子を崩したり,中継ぎよりも打力強化が優先すべきというチーム事情などによっては入れ替えはいつでもあり得るという危機感をあおるというのは大変大事なことだと思います。
 去年は,ゴメスさんとマートンさんが調子を崩した時にペレスさんを獲得しましたが,それと同時期に両者の調子が若干上がったというてこ入れ効果もありましたし,試合に出ずとも効果は十分にあると思います。

 個人的には,ドリスさんは現在絶好調なので,マテオさんの調子次第では一度サターホワイトさんの様子を一軍で見られる機会を作っても良いのではとも思っています。
 また,今の阪神は打力が非常に弱いため,一度ヘイグさんを上げてもあまり効果はなかったものの,二軍でのヘイグさんは悪くはないため,もう一度試してみても,今の阪神であればそこまで成績が上下するとも思えません。
 ペレスさんなどは,去年から二軍でそれなりによい成績を残していますが,ヘイグさんよりも若干打率が劣ることと,守備位置が外野ということもあって,なかなか一軍起用がしづらいところです。
 ただ,代打などで試してみてもおもしろいと思える打力を持っていると思いますし,もう少し実験できる余裕が出てきたら考えてもらいたいとも思っています。

 今年の阪神は,こんな成績なのですから,開き直ってもっと色々と試してもいいと思いますし,せっかく採用した人材の活用方法を色々と考えてみてもいいのではと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:25
 こんばんは。
抗拒不能状態
 色々と記事を見ていたら,奈良地裁の判決が話題に上がっていたので,取り上げてみました。

 この判決は,奈良県で発生した事件についてのものです。
 犯人は,銀行員に対して酢を混ぜた水の入ったスプレーをかけて150万円を奪ったということでした。
 この事件では,犯人が強盗罪に当たるかどうかが問題になっておりました。
 奈良地裁では,銀行員がスプレーをかけられた後もバッグを取り返そうとするなどしており,強盗罪の構成要件である「被害者の犯行を抑圧するに足りる暴行」ではないと認定し,暴行罪と窃盗罪に該当するという判断をしました。
 その上で,懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。

 この裁判では問題になった点は以下の通りです。
 強盗罪の成立のためには,犯人が被害者を「」に至るまでの暴行を行うことが要求されます。
 この抗拒不能状態というのは,心神喪失以外の理由で心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態のことです。
 つまり,強盗というためには,犯人が被害者に対して,その犯行を抑圧するという程度の暴行等を行ったときだけに成立するとしているのです。
 そして,本件では,犯人は,被害者が抗拒不能状態に陥るまでの暴行等を行ったかどうかが問題となったのです。

 この点,スプレーで吹きかけた液体が一体何なのか,一見して判然としないことは抗拒不能状態と認めるのに積極的な事情となると思います。
 例えば,おもちゃのピストルを突きつけて金を奪うという場合,被害者側にとってはおもちゃか本物かを一見して判別できないことから,それによって抗拒不能状態に陥るとして強盗が成立する可能性は大いにあります。
 そうすると,スプレー内の液体が毒薬かもしれないと疑われる状態は,抗拒不能状態と認めるのに積極的な事情であると考えられます。

 一方,記事によれば,銀行員はスプレーを吹きかけられ,その後いったん犯人にとられてしまったバッグを取り返そうとしたなどという事情があったようです。
 銀行員がバッグを取り返そうとしたということは,スプレー内の液体が毒薬等ではないと理解しており,その上で取り返しを行おうとしたというのであれば,被害者の抵抗を抑圧できたと言い難いという考え方もできたと思います。
 ですから,おそらくこの事情は抗拒不能状態に関して消極的な事情と考えられたと思われます。
 ただ,被害者の行為が無我夢中などという抵抗とも呼べる代物でないならば,抗拒不能状態にあったとも考えられるように思いました。

 他の事情はよく分かりませんが,例えば犯人が他に凶器を準備していたり被害者に見せたりしていたのか,犯人が凶器を用いずともパンチするなどの暴行行為を行ったのか,バッグの奪い方はどうだったのかなど,詳細な事情が検討された上で,最終的に抗拒不能状態の認定に至るのだろうと思います。

 記事に出ていた事情だけでは,個人的には抗拒不能状態にあったかどうかは判別しがたいと思い,この判決の当不当を述べるにはいささか躊躇いがあります。
 ただ,執行猶予判決としたのは,よほどよい情状があったのでなければ納得しづらいです。
 本件に関して強盗よりも暴行・窃盗が妥当だったとしても,強盗との境界事例であり,被害額も150万円と重大ですから,この事件を軽く見ることはできません。
 そうすると,執行猶予判決を下すならば,示談が成立している等の相当程度有利な情状がなければ軽いと思われる判決だと思います。
 ですから,もしかしたら記事にないだけでそのようなよほどよい情状があったのだろうと推測しました。

 記事を見ているだけなので,個人的には妥当かどうかはよくわからないのですが,裁判官が世間から非難を浴びるであろう判決に関し,自身の信念に従って法適用と行おうとした姿勢については敢えて賞賛したいと思います。
 私が今まで受けた判決でも,これは妥当なのか等と思うことは何度もありましたが,一方でそれが判断枠組みとしてあり得べき範囲内であれば,裁判官は非難を覚悟で職責と信念の下で下した判決だろうと考えることにしております。
 ですから,裁判官に対しては,結論の妥当性は分からないものの,その姿勢は評価したいと思います。


 阪神の一軍の合同練習にドラフト4位の望月さんとサターホワイトさんが合流するという記事を見ました。

 望月さんは,速球が武器で,二軍戦では151キロをマークしたそうです。
 ただ,制球力に問題があると聞いており,その点がどうなったのか興味があるところです。
 2軍の成績は,7試合に登板し,2勝1敗防御率2.62となかなかのものだと思います。

 サターホワイトさんは,シーズン途中で緊急採用されたものの,その後特にドリスさんの調子が良く,マテオさんも一時期から比べてずいぶん良くなったことから,まだ一軍登板の機会がやってきておりません。
 二軍では,5試合で2セーブ,4回無失点と安定した成績を残しているそうです。

 個人的には,サターホワイトさんもヘイグさんやペレスさんも,二軍でそれなりの成績を残していることは非常に重要だと思います。

 阪神は,シーズン当初,マテオさんを抑えとし,マテオさんが落ち込んできたらドリスさんとすることと考えていたと思います。
 また,ヘイグさんを起用しており,投手は2人起用体制を原則と考えていたと思いました。
 しかし,中継ぎ投手陣が崩れ,ヘイグさんも調子を上げられないところで,ヘイグさんが落ちてドリスさんが上がってきました。
 その後,マテオさんとドリスさんのいずれも,登板過多の影響もあってか,調子を崩し,そんな中でのサターホワイトさんの獲得でした。

 今はサターホワイトさんやヘイグさん,ペレスさんは控えに回っていますが,調子を崩したり,中継ぎよりも打力強化が優先すべきというチーム事情などによっては入れ替えはいつでもあり得るという危機感をあおるというのは大変大事なことだと思います。
 去年は,ゴメスさんとマートンさんが調子を崩した時にペレスさんを獲得しましたが,それと同時期に両者の調子が若干上がったというてこ入れ効果もありましたし,試合に出ずとも効果は十分にあると思います。

 個人的には,ドリスさんは現在絶好調なので,マテオさんの調子次第では一度サターホワイトさんの様子を一軍で見られる機会を作っても良いのでは智思っています。
 また,今の阪神は打力が非常に弱いため,一度ヘイグさんを上げてもあまり効果はなかったものの,二軍でのヘイグさんは悪くはないため,もう一度試してみても,今の阪神であればそこまで成績が上下するとも思えません。
 ペレスさんなどは,去年から二軍でそれなりによい成績を残していますが,ヘイグさんよりも若干打率が劣ることと,守備位置が外野ということもあって,なかなか一軍起用がしづらいところです。
 ただ,代打などで試してみてもおもしろいと思える打力を持っていると思いますし,もう少し実験できる余裕が出てきたら考えてもらいたいとも思っています。

 今年の阪神は,こんな成績なのですから,開き直ってもっと色々と試してもいいと思いますし,せっかく採用した人材の活用方法を色々と考えてみてもいいのではと思いました。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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